http://www.asyura2.com/12/senkyo125/msg/539.html
Tweet |
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2012/01/post-77e6.html
2012年1月31日 (火)
意外と実現可能性が低い消費増税法の可決成立
財務省はいま何を考えているか。
もちろん、消費増税の実現だ。
しかし、今次通常国会で増税法案を成立させるにはいくつものハードルを越えなければならない。
第一のハードルは、法案を閣議決定することだ。野田政権が増税法案を閣議決定して初めて増税案が論議のテーブルに載る。
しかし、与党を構成する国民新党は消費増税に反対だ。
また、民主党閣僚のなかにも、松原仁氏のように消費税反対論者も存在する。
閣議決定できなければ、その時点で解散総選挙という選択肢も生まれる。
第二のハードルは、増税法案が衆議院で可決されること。
第三のハードルは、増税法案が参議院で可決されること。
これらのハードルをすべてクリアしても、最後に最大のハードルが残る。総選挙で消費増税について主権者の了解を取り付けることだ。
これが第四のハードルで、一番高いハードルだ。
財務省が考えていることは、法案を国会で可決したうえで選挙を行うことだ。できれば、法律は成立するが、選挙はぎりぎりまでやらないことがベストだ。
財務省は浅はかだから、増税を決定してから時間が経てば、増税に対する風圧が弱まると考えている。衆議院の任期満了は2013年秋だから、あと1年半時間がある。これだけ時間が過ぎてしまえば、「シロアリ」だの「天下り」だの問題にする国民はいなくなると考えている。
いずれにせよ、今次国会で増税法案の可決成立を熱望しているのが財務省だ。
財務省が本当に抜本的税制改革を実現したいなら、極めて有効な方法がある。それは、財務省が財務省の天下り利権、わたり利権をすべて手放すことだ。財務省がわが身を削る行動を取るなら、多くの国民が財政再建論に理解を示す。これが、何よりも有効な策だ。
しかし、財務省は絶対に利権を手放そうとしない。彼らが増税に熱心である最大の理由は、財務省の利権を守ることにある。政府の資金が枯渇すれば、天下り機関への財政支出の余地がなくなる。これを避けるために、前倒しで庶民に巨大負担を押し付けるのだ。
天下りが日本の癌である。これを根絶しない限り、日本は真の民主主義国になれない。前近代国家のままである。
天下りの何が問題なのか。
天下りには三つある。民間への天下りと政府機関への天下り、そして、警察の天下りだ。民間への天下りとは、例えば、経産官僚が東京電力に天下ることだ。横浜銀行や西日本シティ銀行の頭取は歴代、財務省の天下りだ。
官と業の癒着だ。こんな露骨な癒着があって、経産省が主権者国民の立場に立つ行政を行うわけがない。
二つ目が、官僚が政府系の公益法人などに天下りを繰り返すことだ。
「糾弾 日本の政治改革 官僚の天下り」サイトに紹介されている小咄。
役所の局長室を訪ねた人が、秘書に面会を請うた。
秘書 「局長はおりません」。
客 「午前中は働かないのですか?」。
秘書 「午前中は出勤しません。働かないのは午後です」。
ここでは、役所の局長の例とされているが、これがそのまま当てはまるのが、公益法人の役員だ。仕事などない。この役員はゼロでよいはずだ。
三つ目が、警察の天下り。警察は、不正で、不当に巨大な裁量権を有している。刑事事案があったときに、検挙するかしないかを決定する裁量権だ。これが、巨大利権の源泉になる。
警察は天下りを受け入れている企業関係者の事案では手心を加える。天下りを受け入れない機関の個人には厳しく対応する。政治的要注意人物は、無実でも犯罪をでっちあげる。
警察は巨大な裁量権を武器に日本全国に強大な天下り王国を形成している。
とりわけ、警察、検察、財務は友好官庁であり、犯罪を摘発しないことが圧倒的に多い。
巨大な天下りの構造が巨額の無駄遣いの原因であり、官業癒着の原点である。財務省がまず、これらの天下り利権の根絶を実行するなら、増税論議は円滑に進む。増税論議が前に進まない最大の理由は、霞が関が絶対に天下り利権を手放さないことにある。
こうした事情もあり、消費増税論議はなかなか進まない。自民党はかねてよりの増税論者であるが、このカードを使えば政権を奪還できると考えているから、簡単には増税法案に賛成しない。
民主党の半分は、「シロアリ退治なき消費増税反対」だ。自民党のなかにも、増税よりも名目GDP成長を優先するべきとの主張を示すグループがある。
あてにはならないが、世論調査ですら、消費増税賛成は少数だ。
みんな−橋下−減税日本−自民党内上げ潮派が連携して消費増税反対に回る。
民主党正統派がシロアリ退治なき消費増税反対に回る。
国民新党・新党日本、社民党、共産党、新党きづな、新党大地・真民主がすべて、反対に回ると、衆議院過半数を消費増税反対勢力が占有する可能性は十分にある。
増税推進民主党と増税推進自民党は、圧倒的に多くの選挙区で対立しており、簡単には選挙協力できない。
シロアリ退治なき消費増税を阻止できる可能性は十分にある。
TPP、原発政策など重要課題が山積しているが、とりあえず、ここは、シロアリ退治なき消費増税阻止に向けて、政党連盟を構築するべきだ。
自民党は解散と引き換えでなければ、増税法案可決には進まないだろう。
したがって、増税法案可決成立と解散総選挙が取引される、話し合い解散の可能性がもっとも高いと思われる。
6月の話し合い解散を前提に、シロアリ退治なき消費増税反対勢力は次期総選挙に向けたデモンストレーションをスタートさせねばならない。
その際には、
「シロアリを退治し、天下り法人をなくして、天下りをなくす。
そこから始めなければ、消費税を引き上げる話はおかしい」
という、野田佳彦氏街頭演説と
「天下りをなくし、わたりをなくしていくという国民の声に全くこたえない麻生政権は、不信任に値します」
という、野田佳彦氏国会演説を、
何度でも繰り返して放映するべきだ。
お知らせです
1月28日夕刻に天木直人さんと、現下の山積する内外諸問題について緊急対談しました。
この緊急対談の模様を、有料メールマガジン読者限定で、アーカイブ動画配信をしております。
アーカイブ配信は有料メールマガジン読者限定で1月末まで実施します。本日が最終日 になります。2月入り後は、アーカイブ配信でも動画を見ることはできません。この機会をお見逃しなくご利用ください。
-----
サタデーナイトライブ JAN.,2012
天木×植草のリアルタイム時事対談
出演者:
天木直人(元外交官・作家)
植草一秀(政治経済学者)
-----
・・・・・
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK125掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。