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なぜ財政赤字解決に意味のない「消費増税」に財務省が必死なのか?高橋洋一が的確に解説
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2012年01月29日 世相を斬る あいば達也
今日はオマケの手抜きコラムを追加で掲載する。高橋洋一氏が小泉・竹中の自由市場原理主義に通じる人物と云う事で毛嫌いする人々が多いのだが、霞が関、特に財務省と云う国民生活にとって最大の敵と闘うためには、彼らの論理を一定の範囲で活用しないと、財務省の解体乃至は弱体化に繋がらないのが現実だろう。
同氏は警察の不可解な万引き騒動で、トラップを掛けられ経歴を汚されたわけであるが、ビデオを観ていると、この人は大変な才能と不注意が同居している事が良く判る。こういう人物を側近として使いこなすことは政治家として怖いのだろうが、こう云う人物を使いこなすくらいの見識を持つ政治家であれば、怖いということはない筈である。
民主党が鳩山政権発足時に、蛇の道が蛇であるという、大局に立っていれば、毒を持って毒を制す度量が生まれたものを、と今さらながら残念に思うわけである。正攻法で攻め抜くのも美しいが、美しさだけでは政治における権力闘争に勝利できるとは限らない。この世には必要悪は必然的にあるし、人間は不条理である限り、それらが構成員となる社会にも、政界、財界も不条理が本質にある事を、我々はもう少し認識すべきなのだろう。
正直者が報われる世の中が理想だが、現実は不条理が蔓延する事実をウンザリするほど目撃しているではないか。筆者は小沢一郎を支持しているにも関わらず、小沢の純粋論には常に疑問符を持っている。民主党の馬鹿共に多くを今さら期待しても無意味だが、見えない談合で民主と自民が結託し、2大政党に有利な選挙区割りで手打ちして、どちらも負けない解散総選挙を企てるなど、愚の骨である。しかし、この儘だと、そうなる可能性は大だ。その辺を知っている亀井静香が暴れ出した訳だが、さて小沢はいつ動きだすのだろう?
最後に、高橋洋一が、衆議院での消費増税で決を採る時、起立賛成多数で採決出来ない採決方法を伝授している。つまり、採決を記名式に持ち込むことだ。たしか議員の1/5?があれば、記名式採決に持ち込める。そうすれば、選挙区において「私は増税に反対だった」と云う候補者の言い訳を阻止できる。これは重要な消費増税への歯止めに繋がりそうなサジェストだった。
≪マル激トーク・オン・ディマンド 第563回(2012年01月28日)
だから消費税の増税はまちがっている ゲスト:高橋洋一氏(政策シンクタンク「政策工房」会長・嘉悦大学教授)
いよいよ消費税増税が決まってしまいそうだ。野田佳彦首相は今週始まった通常国会冒頭の施政方針演説で、消費税増税の方針を明確に打ち出した。自民党も元々消費税増税を主張していたことから、「与野党協議」という名の国対裏取引によって消費税増税が実現するのは、永田町を見る限りは時間の問題と受け止められているようだ。
確か、財政事情や少子高齢化による人口構成の変化などで、何らかの増税は避けられないとの説が幅を利かせている。実際マル激でも、これまでそのような主張を多く紹介してきた。しかし、一見、常識的に見えるこの主張に何か問題はないのかを考えるため、消費税増税の必要性を真っ向から否定している元財務官僚の高橋洋一氏に、なぜ氏が消費税増税が間違っていると主張しているかについて、じっくり話を聞いてみることにした。
高橋氏が消費税増税に反対する理由は明快だ。 まず、増税の前にやるべきことが山ほどあるはずなのに、それがまったくできていないこと。社会保険料も10兆円単位で取り損ないがあることがわかっているのに、それも手当をしていないし、ほとんどの法人がまったく税金を払っていない現状もそのままだ。民主党の公約だったはずの納税者番号制度や歳入庁 を設立し、消費税インボイスなども導入して、まずは公正・公平な税と社会保険料徴収の仕組みを作ることが先決だと高橋氏は言う。それが改善されるだけで毎年20兆円前後の歳入増となり、消費税増税による増収以上の効果がもたらされる。それに、そもそもそれをやらずに、投網をかけるように全国民に広く徴税をする消費税を上げるのは、不公平この上もない。
また、同じく増税の前にやるべきこととして、政府の資産売却や天下り特殊法人の整理も手つかずのままだ。そこに毎年血税が注入されるでたらめな歳出構造を放置したまま増税などを行っても、穴の空いたバケツに水を入れるようなものだし、当然、国民の不満は募る一方だ。
それにも増して優先されるべきこととして、高橋氏は金融政策によって名目成長率をあげるマクロ政策の実施が必須だと言う。名目成長率をあげれば財政収支が改善することは、過去のデータが明確に示している。日本と並びインフレ目標の設定を拒否してきたアメリカが今週2%のインフレターゲットを設定したことを見てもわかるように、金融政策による名目目成長率の引き上げは、「ボーリングのヘッドピン」(高橋氏)の位置づけ。これをやればすべての問題が解決するわけではないが、これを外すとストライクは不可能になるという意味で、日本はまだやるべきことを全然できていないと高橋氏は言う。
しかし、それにしても、もしそこまで明確な解があるならば、なぜ政府や日銀はそれを実行しないのだろうか。これについて高橋氏は日銀にインフレに対する極端な警戒心があることもさることながら、本当の問題は高橋氏の古巣でもある財務省にあるという。インフレターゲットが設定されマクロ政策によって名目成長率が引き上げられると、財政が健全化してしまうかもしれない。「財政が健全化すると財務省は増税ができなくなってしまう」(高橋氏)ため、財務省自身がそれを望んでいないし、それ故に、財務省の手のひらの上にのった状態にある民主党政権では、政治の側からもそういう主張は出てこないというのだ。
一見一般人には理解しがたい論理だが、あれだけ財政健全化を声高に主張する財務省の真意は、実は財政再建そのものではなく、それを謳うことで実現する「増税」の方にあるのだと言う。それは増税こそが、税の特例措置を与える権限強化を通じて、財務省の省益や財務官僚の私益につながるからに他ならないと高橋氏は言い切る。つまり、今回の消費税引き上げでも財政再建にはほど遠いことが次第に明らかになりつつあるが、それこそが財務省の真意なのであって、そう簡単に財政健全化などされると増税する口実を失ってしまい、財務省にとっては不都合になるというのが、一連の増税論争の根底にある「財務省に乗っ取られた民主党政権」問題の本質だと言うのだ。
財務省の手口を知り尽くした元財務官僚で、安倍政権下で財務省とガチンコ勝負を戦った高橋氏に、此度の消費税増税論争の根本的問題を聞いた。
プロフィール 高橋 洋一たかはし よういち (政策シンクタンク「政策工房」会長・嘉悦大学教授) 1955年東京都生まれ。78年東京大学理学部数学科卒業、80年東京大学経済学部卒業。07年千葉商科大学大学院政策研究博士課程修了。博士 (政策研究)。80年大蔵省入省後、理財局資金企画室長、98年〜01年プリンストン大学客員研究員、06年首相補佐官補(安倍内閣)などを経て、08年 退官。東洋大学経済学部教授を経て、09年政策シンクタンク「政策工房」を立ち上げ会長に就任。10年4月嘉悦大学教授に就任。≫(ビデオニュース・ドットコム):http://www.videonews.com/on-demand/561570/002265.php
尚、神保・宮台の「マル激トーク・オン・ディマンド」は知的ビデオ関連番組では群雄割拠の中秀逸といえる。時に退屈なテーマもあるが、月額500円で1,2本は秀逸、目から鱗な番組に出遭える。勿論、筆者と同番組には何らの利害関係は存在しない。
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