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「素人防衛相」を繰り返す民主党は政権失格
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120129-00000516-san-pol
産経新聞 1月29日(日)12時48分配信
【高橋昌之のとっておき】1月13日の野田佳彦改造内閣で就任した田中直紀防衛相が「素人ぶり」をさらし続けています。一川保夫前防衛相が自ら「素人」と発言し、その通り素人であり続け、参院で問責決議されたにもかかわらず、その後任にも素人を充てるとは愚の骨頂です。
言うまでもなく、防衛相は政府の最大の使命である国家、国民の生命と安全を守る、まさにその役割を担う自衛隊を最高司令官である首相の下で指揮する最重要閣僚のはずです。その防衛相に素人を充て続ける民主党は、政権政党として失格と言わざるをえません。
私はこれまでの田中氏の言動をみてきて、明らかに防衛相としての資質は全くなく、これから研鑽(けんさん)を重ねてももはや立派な防衛相にはなりえないと判断しています。そうである以上、野田首相は一刻も早く、田中氏を更迭すべきだと思います。
田中氏はまず、就任直後の15日のNHK番組で、普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題を問われ、「年内に着工できるかどうかが当面の手順になっている」と述べ、いきなり代替施設の「年内着工」に言及しました。この問題がそんな状況にないことは、素人でも知っていることで、防衛省もそんな認識は持っていません。
さらに国連平和維持活動(PKO)への自衛隊派遣を問われると、「『3条件』があり適合して要請があれば派遣する」と述べましたが、PKO協力法に基づく自衛隊派遣の原則は3つではなく5つで、明らかな基礎知識不足です。
それにとどまらず、PKOでの武器使用基準について問われた際は「PKOで使った橋や道路を建設する機械は(その)国に置いてこられるように検討している」と、武器輸出三原則緩和と勘違いした答えをしてしまいました。
これらの発言が批判されると、田中氏は16日の記者会見で、普天間飛行場の代替施設の「年内着工」発言について「具体的な期限を設けるという話ではない」と釈明。17日に福島県の陸上自衛隊郡山駐屯地を視察した後には、記者団に「防衛問題、安全保障の基本はしっかり持っている」と胸を張ってみせました。
ところが、19日の産経新聞社などのインタビューでは、ほとんどの質問に官僚が作成したペーパーを見ながら答える読み上げる「棒読み」回答に終始。それに先立って開かれた民主党の会合でも、あいさつ前に周囲に対して「ペーパーを読むだけだから」と、うっかり本音を漏らすありさまでした。
これでは完全な「官僚主導」です。民主党が掲げる「政治主導」とは正反対であるだけでなく、こんな防衛相では日本の国家、国民の生命と安全を任せるわけにはいきません。
その後も田中氏の失態は続きました。23日に沖縄県庁で仲井真弘多(なかいま・ひろかず)知事と会談するのに先立ち、普天間飛行場を近くの公園から視察しましたが、その際、真部朗沖縄防衛局長に「頭上に『ヘリがおりてくる』って言うんだが、そんなに多いわけじゃないんでしょう」と尋ねたそうです。
この発言は、普天間飛行場が「日本で最も危険な米軍基地」と言われ、そのために日米両政府が移設合意したという経緯を全く知らないことを如実に示す発言です。当然、すぐに沖縄県側は反発し、田中氏は仲井真知事との会談で釈明に追われました。
これらの田中氏の失言報道に、民主党執行部などからは「言葉狩りはやめるべきだ」とのメディア批判が出ていますが、政治家は「発言の内容」で評価を受ける職業です。私自身も本質をみないで揚げ足をとってばかりのような報道は避けるべきだと思いますが、田中氏の失言は防衛相としての資質欠如という「本質」を物語っていますので、単なる「言葉狩り」ではありません。
こうした田中氏への批判に対して、野田首相はじめ藤村修官房長官も、田中氏を推したとされる輿石東民主党幹事長も「適任だ」とかばっています。しかし、本当にそう思っているとしたら、田中氏と同様の「防衛の素人」と言われても仕方ないでしょう。
まずは、野田首相に一日も早く田中氏を更迭してもらいたいと思いますが、この状況を見る限り、期待できません。そうだとすれば野党が開幕した国会で徹底追及し、一日も早く多数を占める参院で田中氏の問責決議案を可決して辞任に追い込むべきです。
しかし、これもまた期待できない状況です。野党第1党の自民党からは、民主党にダメージを与え、衆院解散・総選挙に野田政権を追い込むため、田中氏の問責決議案提出を「温存しておいた方がいい」(中堅)との声が聞こえてきます。
自民党はじめ野党も、国家、国民の生命と安全より、党利党略を優先させているわけです。これでは野党も「野党失格」です。
そもそも政権を長く担ってきた自民党は偉そうなことはいえません。というのは自民党政権時代も、防衛相(平成17年までは防衛庁長官)には、ほとんどが「素人」または「軽量級」の政治家しか充ててきませんでした。ちなみに防衛庁長官経験者で後に首相に就任したのは、首相としての資質にも欠けていた宇野宗佑元首相を除けば中曽根康弘元首相だけです。
平成以降の防衛相(防衛庁長官)を就任順に列挙すると、山崎拓、松本十郎、石川要三、池田行彦、宮下創平、中山利生、中西啓介、愛知和男、神田厚、玉沢徳一郎、衛藤征士郎、臼井日出男、久間章生、額賀福志郎、野呂田芳生、瓦力、虎島和夫、斉藤斗志二、中谷元、石破茂、大野功統、額賀福志郎、久間章生、小池百合子、高村正彦、石破茂、林芳生、浜田靖一、北沢俊美、一川保夫、田中直紀の各氏です。
いかがでしょうか。「防衛、安全保障の専門家」あるいは「大物」といえる政治家は数えるほどしかおらず、ほとんどが「素人」または「軽量級」の政治家です。そこから、日本の歴代内閣が防衛相(防衛庁長官)を重視してこなかったことがよく分かります。
これまで幸いにして、日本の安全が脅かされる「有事」は発生せず、PKOなど自衛隊の海外派遣でも武力衝突に至ることはありませんでしたが、もし何かあったらきちんと対処できた歴代防衛相(防衛庁長官)はほとんどいなかったでしょう。
一方、ずっと指摘されてきたように、日本の政界ではまともな防衛、安全保障論議は行われてきませんでした。このため、集団的自衛権の問題は「保有すれども行使せず」という国際的には非常識な政府の現行憲法解釈のまま放置されてきました。それ以外にも日本の防衛、安全保障では多くの懸案を抱えていますが、遅々として進んでいません。
その原因のひとつは、防衛、安全保障は「選挙の時の票にならない」として、多くの政治家が関心をもってこなかったことにあります。現在の与野党を見渡してみても防衛、安全保障の専門家と言えるのは民主党では前原誠司政調会長、長島昭久首相補佐官、自民党では石破茂前政調会長、佐藤正久参院議員ぐらいでしょう。これでは政界で防衛、安全保障論議が深まるはずがありません。
そして、最大の原因はこれまで書いてきたように、「素人」や「軽量級」の政治家を防衛相(防衛庁長官)に充て続けてきた歴代内閣の不見識にあります。それがまさに極まったのが、一川氏から田中氏への「素人防衛相」のリレーです。
もういい加減、こんな不見識はやめましょう。日本の国家、国民の生命と安全がかかった根本問題なのですから。もう一度、言います。野田首相は一日も早く田中氏を更迭すべきです。それをしないようなら、野党は党利党略を捨てて、田中氏の問責決議案を参院で可決し、辞任に追い込むべきです。
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