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野田首相も小沢一郎も「困った身内」の後始末おおわらわ
http://www.j-cast.com/tv/2012/01/26120183.html
2012/1/26 18:54 元木昌彦の深読み週刊誌 J-CAST
「万年筆というのは、男が外へ出て持っている場所は、それは男の武器だからねえ。刀のようなものだからねえ、ことにビジネスマンだったとしたらね。それに金をはり込むということは一番立派なことだよね。貧乏侍でいても腰の大小はできるかぎりいいものを差しているということと同じですよ」
作家・池波正太郎は万年筆についてこう語った。県立神奈川近代文学館で「作家と万年筆展」が開催されているが、それを「週刊現代」がカラーグラビアで紹介している。池波や向田邦子、吉川英治らが使っていた万年筆と原稿が載っているが、それぞれ作家のこだわりが見てとれて興味深い。
編集者は手書き原稿から作家それぞれの思考過程が読みとれて、これほど楽しいものはないのだが、いまの味気ないワープロ原稿はその楽しみを奪ってしまった。さりとて、この原稿を万年筆で書いてFAXで送ったら担当編集者は怒るだろうな。
このところどうしたのか、現代と「週刊ポスト」の「エロ度」がどんどん低下していっている。ポストの前半グラビアは「見上げてごらん」。太陽、月、星が地上と重なる瞬間をとらえた美しい写真と「わが大学の人情定食屋」。後半に「SEXY居酒屋でカンパ〜イ!」と可愛い娘のセクシー写真はあるもののヘアはない。現代も女優のセクシーと「ジュリアナ東京の時代」で、特集に「変態の大研究」があるが、内容は出来損ないの研究論文のようで「エロ度」はゼロといっていい。これでは両誌を買う意欲が半減してしまう、そう思うのは私だけだろうか。
■ネットオークションにドハマリのバカ首相補佐官
今週は「週刊新潮」のおもしろさが抜けている。読みたい記事が1本では買ってもらえないが、2本あれば買ってみようかと思ってくれるし、3本あれば間違いなく買ってくれるといわれる。今週の新潮には読みたいと思わせる記事が2本あった。「ネットオークション三昧の『バカ首相補佐官』」と「『小沢一郎』糟糠の妻が家出した理由!」である。
まず「バカ補佐官」と呼び捨てにされているのは手塚仁雄(よしお)代議士、45歳。手塚は野党と官邸の間に立って野田佳彦総理の意思を伝え、意思疎通をはかる重要な立場にいる。野田総理を利用して自分の選挙を有利にしようとしていると批判されているが、それはともかく、多忙を極めているはずの手塚が、実は政策秘書まで使ってヤフーオークションの競売に熱心なのだというのだ。ハンドルネームには息子の名前を使い、IDに含まれる数字は「440」(よしお)。昨年(2011年)6月から約240日間に取り引された件数は最低でも241回。土日もなく取引に励んでいる。
出品している品は「マーク&ロナ 新品スカルポロシャツ」「グッチ ナイロン製ミニリュック」「フェラガモ ビジネスバック」「越乃寒梅 大吟醸 超特選」など幅広い。競り落とした品はミニカーが多いようだが、9万400円で「クロムハーツのブレスレット」、26万9800円で「ボッテガ・ヴェネタ メンズバッグ」。ヤクオクに出品する品には必ず写真が添付されるが、いくつかの品は議員会館の部屋で撮ったと思われる。また、ある人が商品を落札したら、「国会内」と書かれた切手が貼られたうえ、振込先の名義がテヅカヨシオで、送り主は彼の秘書だった。手塚の怪しい経歴も書いてあるが省く。
手塚の弁明がすこぶるおもしろい。彼から送られてきた封筒に「国会内」と書かれた切手が貼られていたがという質問に対して、「国会の郵便局から出して何が悪いんですか」と開き直る。プライベートな取引に使用するIDまで秘書に使わせていたそうだ。さらに、議員会館で写真まで撮って、公私混同と批判されても仕方ないがという質問に対しても、こう答える。
「国会議員の特権を使っているわけでもないし、趣味の延長だし、こんなことでの取材自体、ちょっと度を越していると思います」
この御仁、私的なヤフオクの取り引きのために、会館で写真を撮ること、秘書を使うことが国会議員の「特権」の乱用であり、税金の無駄遣いであることに気づかないのだ。どじょう総理は消費税増税で四苦八苦のときに、このバカ補佐官の後始末までしなくてはならない。ちょっぴりかわいそうな気もする。
■離婚はなさそうだが「家を出た?小沢夫人」
さて、その野田総理に対抗する党内最大派閥を率いる小沢一郎にも、困った事態が起きていると報じている。全国紙政治部デスクが、政府高官がこう漏らしたというのだ。
「小沢は奥さんと不仲で別居しているらしい。今年に入ってから離婚したようだ」
この情報は内閣情報調査室もキャッチしているそうである。
小沢の妻・和子は中堅ゼネコン「福田組」の4代目社長の長女で、妹は竹下登元総理の弟・亘の妻である。彼女は福田組の株、深沢の自宅やマンションなどを所有する資産家でもある。かつて和子は小沢をパパと呼び、小沢に尽くしてきた。だが、小沢には結婚しようと思った女性がいた。老舗料亭「満ん賀ん」の若女将である。その彼女とはいまも付き合いが続いているといわれ、「陸山会」の政治資金規正法違反事件も相俟って、決定的破局になったというのだ。
これが事実だったら、小沢にとって致命傷になりかねない。なぜなら、小沢は資産の相当な部分を和子名義にしてあるからだ。これには小沢の資産隠しだという批判があるが、和子と離婚となれば、そうした隠し資産が明るみに出てしまうからだ。
小沢も絶体絶命か。小沢をずっと追いかけてきたライターの松田賢弥に真偽を聞いてみた。彼の答えは「離婚はノー」だった。「満ん賀ん」の元若女将とはいまでも続いているが、それは和子も知っているし、そのこともあって家庭内別居状態が続いている。和子と息子たちの財産は確保してあるので、いまさら離婚することは考えられない。小沢の地元へも行ってきたが、後援会の人間は和子がだいぶ顔を出していないことは事実だが、離婚については「聞いていない」と否定したそうである。さて、いまのところこの記事の真偽は?である。新潮はぜひ後追い取材を続け、さらなる裏付けを記事にしてほしいと思う。それが読者への責任である。
■「橋下・石原新党待望論」ハシズム現象の危うさ―舌鋒鈍い週刊誌
橋下徹大阪市長の「ハシズム旋風」は永田町まで巻き込もうとしている。国民新党の亀井静香代表が1月25日夜、東京都内で石原慎太郎都知事、たちあがれ日本の平沼赳夫代表と会談した。これは石原新党立ち上げの話し合いだと見られているが、「週刊文春」の「橋下徹400人チルドレンに日本が牛耳られる!」の中で、田原総一朗は「(6月解散7月総選挙になれば=筆者註)選挙で石原新党が勝てば、大阪維新の会と連携して、それに自民党が乗る」と見立てているようだ。橋下は石原と組み、首相公選制も視野に入れており、自らが名乗り出ようとしているともいわれている。
この橋下旋風の前で、最近の週刊誌は舌鋒が鈍くなっているように思えて仕方ない。むやみやたらに批判すればいいわけではないが、各誌の橋下ものを読んでいると、橋下待望論のようなものが透けて見えるような気がするのだ。彼の劇場型政治は注目を集め、大阪ばかりでなく全国に橋下待望論が拡がっていることは間違いないだろう。だが、彼の目指しているものがいまだ明確でないにもかかわらず、格好いい、わかりやすいというだけで拡がっているハシズム現象の危うさは、徹底的に検証されてしかるべきであろう。
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