http://www.asyura2.com/12/senkyo125/msg/288.html
Tweet |
東京電力が企業向け電力料金を4月1日より17%上げる。さらに7〜8月頃には、その半分に当たる8〜10%程度の一般家庭用電力料金を、3年間と期間を区切って値上げする。そういうことが21日土曜日の毎日新聞に報じられていた。東電と原子力損害賠償支援機構が、このほど作成した原発事故の賠償と電力安定供給の両立を図る「総合特別事業計画」素案の基礎になっている数字のようである。
今後3年以内に、原発事故の賠償問題を結着させ、原発事故を終息させる。原発事故は【終息】ではなく、【収束】だとしても我慢しよう。それを成し遂げようという意気込みだけは「良」とする。だが、福島第一原発の現状は、原子炉が冷温状態を保っているだけであって、微量の放射性物質が依然として外部に放散されている。また、破損原子炉内の核物質の状態は全く把握されていない。
しかも、政府と国会の二つの事故調査委員会が、原発事故の原因とその対応の真相を調査している。つまり、原発事故の真因はまだ明らかにされていない。事故の原因が重大な業務上過失によるものだと、明らかになれば刑事事件になる(注:なぜ捜査当局が、業務上過失傷害罪の疑いで捜査しないのかとの意見が多数ある)。そういう状態で、なぜ、3年で結着できると予測できるのだろう。
さらに言うなら、東電が負担すべき損害賠償金の総額も算出されてはいないはずだ。それでも、「総合特別事業計画」素案には、計画作成上必要な、賠償金額をはじめ、コストに係わる各種の数字が盛り込まれているはずだ。計画作成上重要な数値を公開した上で、即ち値上げの根拠を示した上で、値上げ幅を言うのが筋だろう。もし東電と機構が、顧客の理解を得たいと真摯に考えるなら当然そうするはずだ。
原発事故が100%自然災害によるものだと、多くの人は思っていない。非常用電源を地下に設置していたように、東電の過失としか言いようのない不手際が、次々と明らかにされている。東電自らが招いた事故による損害賠償金を、なぜ顧客が負担しなければならないのだ。水俣病やイタイイタイ病の被害者への損害賠償金は、当該企業が身を削って支払った。当然、東電もそうするべきである。
何故なら、東電は株式会社である。JR各社のように、国営事業を民営化したのでもない。たとえ原発が国策だとしても、同じく戦時国策で、潜水艦の蓄電池用の鉛鉱石を採掘し、その鉱滓が原因とされるイタイイタイ病の責任を負わされた鉱山会社は、顧客や国に損害賠償金の負担を求めはしなかった。身を削って支払った。この鉱山会社と東電とはどこが違う。先ずは東電自身が身を削り、その次は株主である。
だが、マスコミ報道から聞こえてくるのは、東電の総資産は14兆円もあるのに、これまで売却資産総額は6千億円強。昨年、社員の給与カットはしたが、夏と冬にはボーナスを支給した。東電OBは企業年金の削減に抵抗し、清水前社長は5億円の退職金を受け取った。身を削るのとはほど遠い話ばかりである。また、過去10年間に、電力料金算定に組み入れる原価が6千億円も過大に見積もられていた話もある。
徹底した資産の売却をする。総原価方式という甘やかされた電力料金で、メタボ化したコストを削減する。世間から東電社員は可哀相だと言われるくらい、親方日の丸の企業体質を改善する。先ずはそれからだろう。国策会社JALも会社更生法により、見事に息を吹き返した。こういう先例も参考になるだろう。安易に電力料金を上げることは、再建前のJALの二の舞になるだけである。国民生活に電気は不可欠だという理由で、東電支援を言い、電力料金の値上げを認めるとすれば、それは大きな間違いである。国民生活に電気が必要であることと、東電という企業体の存在とは、全く別次元の話である。
http://www.olivenews.net/news_30/newsdisp.php?m=0&i=1
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK125掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。