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橋下大阪市長の野田増税批判で垣間見えてきた小沢新党との連携
January 23 ,2012 :(日々坦々)
安住財務大臣の強い意向で始まったという、消費税増税に対して理解を求める全国行脚だが、結局、集めているのは地元の経済団体の会員たちだった。
≪安住氏が仙台市、五十嵐文彦副大臣が札幌市、藤田幸久副大臣が大阪市、吉田泉政務官が静岡市で、それぞれ地元経済人らを対象にした説明会を開いた。野党が与野党協議に応じない中、一体改革の実現には、国民の理解を広げることがカギとなっているためだ。≫
■財務相ら消費増税行脚スタート「導入に理解を」
(2012年1月21日14時35分 読売新聞)
この講演の中で安住氏は、子供や孫が100年安心できるような社会保障を充実するためにも、消費税増税が必要だというようなことを言っていた。
これは、2004年に自公政権が行った年金改革で、これで「100年安心」だといって、その3年後の2007年には、「年金記録問題」いわゆる「消えた年金問題」が噴出。管理の杜撰さが浮き彫りになったと同時にとても100年持つ制度ではないことが、基になるデータも当てにならないことが明らかになった。
まさにそれを思い出すようなフレーズを使うところが安住の浅はかさが出ている発言だった。
また、増税請負人となった岡田克也副総理が、22日のフジテレビの報道番組で、耳を疑うような発言をしていた。
消費増税と社会保障の一体改革について
「(年金制度の抜本改革のために)必要な財源は、今回の10%には入っていない。さらなる増税は当然必要になる」
2015年10月に消費税が10%になっても、社会保障の充実には新たな増税が必要との認識を示した。
まあ、現実的にはそうなのかもしれないが、今、盛んに安住たち財務省が言っていることは誤魔化しだということがバレてしまった格好だ。
参照:
■「消費税10%でも、さらに増税必要」岡田氏語る
(朝日新聞2012年1月22日18時19分)
余談だが、さらにこのニュースで驚いたことに、系列の産経新聞には、肝心の岡田氏の発言がスッポリ抜け落ちている。
■岡田氏、解散を否定 増税争点にならず
(産経新聞2012.1.22 11:08)
産経新聞は去年まで、主要紙では唯一「増税反対」の論調を前面に出して財務省と対峙してきた。
≪主要紙で唯一増税反対の産経新聞 編集委員 その根拠を語る
(NEWSポストセブン2011.07.25)≫
他紙は報じているにもかかわらず、なぜ産経は「ヘタレ」になってしまったのか。
これには伏線があって、その辺を週刊ポストが報じているので抜粋してみる。
≪全国紙では唯一、増税批判の姿勢を取っていた産経新聞に、昨夏、国税の税務調査が入った。財務省にとって税務調査は言論統制の最強の武器で、2009年には朝日、読売が申告漏れを指摘され、それを機に朝日は増税礼賛へと傾斜し、読売は財務省幹部の天下りを受け入れた経緯がある。≫
■増税批判する産経新聞に財務省有力OB「おたくはひどいな」
(NEWSポストセブン 2012.01.22)
この、≪主要紙で唯一増税反対の産経新聞 編集委員 その根拠を語る≫という記事が出たすぐ後に税務調査に入られたことになる。
財務省も大新聞、テレビに対して反増税言論人をださないよう圧力をかけ、税務調査で会社自体に恫喝された結果、大メディアでは増税やむなしの大合唱が生まれている。
広告の関係もあり電通からの圧力や経団連に対しての呼応の意味もあるのかもしれない。
参照:
■「反増税派を番組に出すのは勇気いる」とTVディレクター証言
(NEWSポストセブン2012.01.18)
■財務省 古賀茂明氏筆頭の増税反対派出すなとTV局に圧力
(NEWSポストセブン2011.12.29)
こんな財務省の横暴が許されていいものか。
こうした、どうしようもない日本の旧態依然の仕組みをぶっ壊そうとする政治家は、今までことごとく潰されてきた。
これに現在進行形で立ち向かっているのが小沢一郎氏であるが、先日の日刊ゲンダイの記事ではどうも法曹三者、検察、裁判所、弁護士が裏でうごめき合い、まさかの「小沢有罪」がまだまだあり得ると書いている。(資料ブログ)
その日刊ゲンダイは、相変わらず国家権力に立ち向かっている数少ないメディアであるが、圧力は計り知れないものがあるだろう。
先日も国税ではないが、国家権力が他の事件の家宅捜査と称して、テレビカメラを引き連れて日刊ゲンダイをガサ入れしている。
≪10月27日午前9時30分頃、東京・築地の日刊現代本社に警視庁の捜査員15名ほどが家宅捜索に入った。これは、同社が発行する夕刊紙「日刊ゲンダイ」に違法風俗店の広告を掲載した広告会社の社長が風営法違反(禁止地域内営業)幇助の疑いで逮捕され、その関係先として捜索されたものだ。≫
■日刊ゲンダイのガサ入れの裏に「ジェラシー」ありき 宮崎学
(THE JOURNAL2011年11月 4日)
■日刊ゲンダイへのガサ入れ 捜査員が押収した物は新聞など僅か
(NEWSポストセブン2011.11.01)
増税論議の真っただ中での判決となるが、小沢さんの野田増税内閣への批判は止むことなくむしろ大きくなっている。
北海道釧路市で挨拶して次のように発言しているとのことだ。
≪民主党の小沢元代表は、北海道釧路市の会合で挨拶し、「改革が何ひとつなされていないなかで増税するのは、国民に対する背信行為になる」、「世界的な不況が日本にも大きな影響をもたらすと予想されているときに消費税10%を強行するのは、国民やこの国の行く末を見た政治なのか」≫
■小沢氏“消費税増税は背信行為”
(NHK1月22日 16時24分)
とうとう、大阪の橋下市長も野田内閣が進める消費税増税に対して、あたかも狼煙を上げるように痛烈に批判した。
そして次期衆院選で200議席狙うと言っているという。
■橋下市長、驚きの“天下獲り”野望!次期衆院選200議席狙う
(ZAKZAK2012.01.21)
≪「大阪都構想がゴールではない。大阪がこのように動き始めているのなら、次なる目標として日本国も動かしていこう」 そのうえで、「たった(消費税を)5%税金を上げて、日本が再生するわけがない」と、野田佳彦首相が政治生命をかける大増税路線を批判し、「社会保障から税のシステム、国と地方の関係、何から何まで1からつくり直そうというのが道州制だ」と述べ、次期衆院選では道州制を争点にすべきだとの認識を示した。 ただ、橋下氏は「僕は国政には出ない」といい、同志を募るために維新が3月に開講を予定している政治塾について、「応募者が殺到しており、当初は50人ぐらいの予定だったが、400人程度の規模でやりたい」と発言。今後、政治塾内で候補者の選抜を進めながら、擁立準備を加速させる構えをみせた。≫
参照:
■大阪維新の会:次期衆院選、全国で擁立へ 都構想反対に「刺客」
(毎日新聞 2012年1月23日)
■橋下市長、衆院選候補者擁立へ「最低限の準備する」
(日経新聞2012/1/23 11:03)
小沢さんも橋下市長もメディアではターゲットとされ批判の嵐になっているが、橋下氏のうまいところはうまく切り返すことだ。
その辺を週刊ポストの記事を参照に抜き出してみた。
・1月15日の『報道ステーションSUNDAY』では、橋下市政に批判的な立場をとる北海道大学大学院・山口二郎教授と対決した。橋下氏は、「(改革の)中身を全然知らない」とパンチを繰り出した後、 「少々難しくても、新しい仕組みをつくっていくのにチャレンジするのが政治家。それをワーワーワーワー無責任にいうのが学者」 ・視聴者の関連コメント
・関西ローカル番組『キャスト』では、職員労組に対する対応が乱暴だと指摘する経済評論家・森永卓郎氏にこう応じた。
「現場を知らない。コメンテーターの井戸端会議と違って、政治は権力闘争なんです。暴力的にいかなくてどうやって改革するのか」
「テレビで橋下さんと評論家の論争が始まると、ドキドキしながら見てしまう。結果はいつも評論家が論破され、口ごもるか、子供の喧嘩みたいな捨て台詞を吐く。橋下さんの意見はわかりやすくて説得力があり、聞いていて気持ちがいい」(50代の市民)
・批判するメディアも空回り
“橋下嫌い”の大メディアには、評論家の口を借りて何とかして橋下氏をギャフンといわせたい意図が垣間見えるが、その皮算用はことごとく外れ、逆に橋下人気に手を貸している。
・大阪市の労組幹部は危機感を強める。
「あの人に口喧嘩や議論では勝てへん。何とかして、市長を懐柔する対策を編み出さんとあかん」
■大阪市労組幹部 「橋下氏に議論では勝てへん何とか懐柔を」
(NEWSポストセブン2012.01.23)より
橋下氏がここにきて、増税批判をしだしたというのは、注目すべきものだと思う。
既成政党の枠組みでの連携はあまり考えていないように思え、みんなの党との連携もその辺で少し距離を置いているように思える。
橋下政治塾に対して、みんなの党は独自に神戸に政治塾を開くとしていることから、一緒にはやらずにしかし近くで連携でき得るように片思いの布石を打ったように見える。
自民党よりで保守だというが、消費増税を批判するということは、自民党との連携もないということに等しい。
これで、最大の争点でもある旧態依然たる仕組みをぶっ壊すこと、小沢さんも最重要政策と言っている中央集権を打破して地方主権の確立では、大いに連携でき得ることになる。
あとは、小沢さんがいつ民主党を飛び出すかということだ。
元記事リンク:http://etc8.blog83.fc2.com/blog-entry-1366.html
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