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株式日記と経済展望
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日本に「強いリーダー」がいないのは、だれも望んでいないからです。
これまで1000年以上にわたってそうだったのだから、そうなのでしょう。
2012年1月23日 月曜日
日本人は世界のなかでダントツに権威や権力が嫌いな国民だったのです。
◆強いリーダー」はなぜいないのか? 週刊プレイボーイ連載(34) 1月23日
http://www.tachibana-akira.com/2012/01/3705
昨年末には北朝鮮の金正日主席が急逝し、今年は米大統領選や中国共産党の政権交代など重大イベントが目白押しで、ユーロ危機はあいかわらず薄氷を踏むような状態がつづいています。そんななか、日本にも「強いリーダー」が必要だとの声が日増しに大きくなっています。
ところで、日本にはなぜ強いリーダーがいないのでしょう。この疑問はふつう「政治家がだらしないからだ」と一蹴されてしまうのですが、そんな簡単な話ではないかもしれません。
1980年代から、世界80ヶ国以上のひとびとを対象に、政治や宗教、仕事、教育、家族観などについて訊く「世界価値観調査」が行なわれています。これだけ大規模な意識調査はほかになく、その結果もきわめて興味深いのですが、2005年調査の全82問のなかで、日本人が他の国々と比べて圧倒的に異なっている質問がひとつあります。
近い将来、「権威や権力がより尊重される」社会が訪れたとすると、あなたの意見は「良いこと」「悪いこと」「気にしない」のどれでしょうか。
集計結果を先進国で比較すると、フランス人の84.9%、イギリス人の76.1%が、社会を運営するためには権威や権力は尊重されるべきだと考えています。マリファナや安楽死を容認するオランダで70.9%、自助・自立を旨とするアメリカでも59.2%が権威や権力は必要だと回答し、権威的な体制への批判が噴出する中国ですら43.4%が権力は好ましいものだと考えています。
それに対して日本人は、この質問にどのように回答したのでしょうか。
驚くべきことに、日本人のうち「権威や権力を尊重するのは良いこと」と答えたのはわずか3.2%%しかいません。逆に80.3%が「悪いこと」と回答しています。この結果がいかに飛び抜けているかは、権威や権力への信頼度が2番目に低い香港でも22.6%が「良いこと」と回答していることからも明らかです。
日本人は世界のなかでダントツに権威や権力が嫌いな国民だったのです。
なぜこのような特異な価値観を持つようになったのかは意識調査だけではわかりませんが、第二次世界大戦の経験が影響していることは間違いないでしょう。権威や権力を振りかざす政治家や軍人を信じたら、広島と長崎に原爆を落とされ、日本じゅうが焼け野原になり、民間人を含め300万人もが犠牲になったのですから、もうこりごりだと思っても不思議はありません。
しかしそれでも謎は残ります。敗戦によって同じような惨状を体験したドイツでも、半分(49.8%)のひとが「権威や権力は尊重すべき」とこたえているからです。
日本の歴史を振り返ると、「独裁者」と呼べそうな支配者は織田信長くらいしか見当たらず、徳川家康を筆頭に、あとはみんな調整型のリーダーばかりです。だとしたら日本人は、大昔から権威や権力を嫌ってきたのかもしれません。
もちろんこれについてはいろいろな解釈があるでしょうが、ひとつだけはっきりしていることがあります。
日本に「強いリーダー」がいないのは、だれも望んでいないからです。これまで1000年以上にわたってそうだったのだから、これからもたぶんずっとそうなのでしょう。
(私のコメント)
宮城県石巻市立大川小学校の悲劇については、「株式日記」でも何度か書いてきましたが、大津波が来ると言う警報が出ていたにも拘らず、教師たちは適切な状況判断が出来ず、逃げ遅れて児童74人と教諭10人が死亡・行方不明となりました。日頃からの避難訓練などが出来ていなかったせいなのですが、どうして直ぐ裏の裏山に逃げなかったのでしょうか?
校長が不在であり、教頭が裏山に逃げる提案をしていましたが、地元の行政区長が山崩れの心配があると言うことで取りやめになったようだ。状況判断からして校舎が壊れるほどの大地震だったのだから、津波も今までに経験のない大津波が来ることが予想された。三陸地方は津波の被害が度々あって学校では避難訓練が行なわれていましたが、避難訓練が行なわれていた学校は全員助かっている。
適切な判断が下せる強力なリーダーがいれば助かったのでしょうが、大川小学校にはいなかった。これには小学校と言う特殊な環境が一つの原因となっており、校長や教頭などの管理職は権力がなく、やりたがる教師は少ない。学校運営は校長が決めるべきものですが、職員会議で挙手で決められるような仕組みになっていた。一般企業で言えば一般社員が多数決で企業経営をしているようなものですが、明らかにおかしい。これでは校長は何も決められなくなってしまう。
校長が不在の時は、意見はいろいろ聞くにしても最終決断は教頭が決めて行動すべきだった。そうしなければ今回のように逃げ遅れて大きな被害を出してしまう。戦後の特殊な環境が学校でも職員会議が民主的とされて校長や教頭の権威は地に落ちてしまった。そして日教組が組織率は僅かでも職員会議で主導権を取るようになってしまった。大学などでも教授会が大学の運営にまで主導権を持つのとよく似ている。
このような事は戦後だけのことではなく、日本型の組織はトップダウンよりもボトムアップ型の社会であり、戦国時代の一時期を除けば独裁者と呼ばれるような強力な権力者はいなかった。日本のような島国社会では外敵の脅威に晒されることが少なく、治安も安全だと強力な権力者が社会を治めるよりも合意形成による国家運営のほうが上手くいくからだろう。決断には時間がかかるが一旦決定されれば上手く行く。
21日のNHKスペシャルで「生み出せ!“危機の時代”のリーダー」をやっていましたが、「なぜ日本にはリーダーが育たないのか」「国際社会に通用するリーダーをどう育てるのか」「スティーブ・ジョブズのような傑出した起業家を生み出すには何が必要か」などをやっていましたが、「株式日記」でも「日本になぜスティーブ・ジョブスが現れないのか?」と書いてきましたが、日本の風土が独裁者を生まない風土なのだろう。
しかし20年間も経済が低迷して危機的な状況になると、カリスマ的な政治家や経営者の待望論が出てくる。しかし権力=悪という考え方は権力の暴走を恐れるからだろう。日本の政治風土では平和な時代では「バカ殿」でいてくれたほうが権力の暴走は防げるし、会社の経営も番頭任せでいたほうが上手く行く。
冒頭のグラフを見ていただければ分かるように、日本人の権威や権力に対する拒否反応は外国に比べると異常なほど高い。これでは強力な総理大臣や会社の社長が出てくるわけがありませんが、日本人はなぜこれほど反権力意識が強いのだろうか? 日本の歴史を見れば戦国時代は長い歴史を見れば僅かですが、大陸国家では年がら年中戦争をして平和な時代は少ない。平和に見えても勢力が均衡していただけであり強力なリーダーがいなければ国は滅びてしまう。
意思決定がトップダウンとボトムアップのどちらがいいかということになりますが、双方とも一長一短であり平時ではボトムアップのほうが行くのだろうし、非常時にはトップダウンで決めていかなければ間に合わない。野田総理は典型的な調整型の政治家であり官僚たちに使われながら政治をしている。現在の総理大臣は典型的な「バカ殿」政治であり、TPP加盟とか消費税増税と言っていますが、国民世論とはだいぶかけ離れている。
なぜ日本はアメリカと戦争をしたのだろうか? 誰がその決定を下したのか誰もわからない。東條英機は戦争をしない為に首相になったのに、いつの間にか戦争になってしまった。それに対してナチスドイツは明らかに独裁者のヒトラーが戦争を決めた。日本の場合はボトムアップで強硬な国民世論が戦争を決めたのであり、中国からの撤兵は国民世論が許さなかっただろう。それが結果的にアメリカとの戦争に繋がりましたが、トップダウンの国なら中国からの撤兵も簡単に出来ただろう。
NHKスペシャルの番組ではどうしたら強力なリーダーが出来るかについて話されていましたが、中高年サラリーマンこそ独立起業してリーダーとなるべきですが、一度失敗をすると二度と立ち上がれなくなる。年功序列社会ではボトムアップで物事あ決められていくから、スカウトなどの中途採用の優秀な幹部社員はよそ者として意思決定に加われない。これでは優秀なリーダーは出てこれないだろう。
具体に言えば、社会で実績を上げて国会議員になっても国会では一年生議員であり、当選回数がものを言う年功社会では新人議員は実力が発揮できないようになっている。これらの仕組みを変えなければ強力なリーダーを出すことは難しい。
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