http://www.asyura2.com/12/senkyo125/msg/177.html
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今週、mewが、一番ビックラしたのは、このニュースだった。
東京都が、防災訓練&道徳教育を大義名分として、都立高校の生徒に自衛隊などでの宿泊訓練を行なわせるというものだ。(**)
『都は16日、都立高の生徒に東京消防庁や自衛隊での宿泊訓練を通して、防災意識や社会貢献意識を高めてもらう事業を12年度から始める方針を明らかにした。都は、事業費として6000万円を12年度予算案に計上する見込みだ。担当者は「高校生が消防や自衛隊と一緒に訓練するのは、全国的に見ても珍しい試みではないか」と話している。
この事業は都の進める道徳教育の一環。都によると、都立高のうち12校を「災害支援活動推進校」に指定する。それぞれの学校内に生徒による「防災活動支援隊」をつくり、消防や自衛隊での宿泊体験訓練に参加させる。訓練では、防災に対する心構えを学んだり、消火避難訓練を体験する。訓練期間は消防が約1週間を予定、自衛隊とは今後調整する。
このほか、救命講習を受講させたり、災害時支援ボランティアへの登録を義務づけ、地域活動への積極的な参加を促す。
都は「規律ある団体行動を経験することで、組織の一員として社会性や協調性を身につけてほしい」と強調している。(毎日新聞17日)』
『災害支援活動推進校の予算は計6000万円。生徒たちは、泊まり込みで1週間程度、消防技術や災害時の後方支援方法について東京消防庁や自衛隊で学び、「防災活動支援隊」を結成する。推進校周辺地域の防災力の向上につながるとともに、高校生の規範意識や道徳心を養ってもらう狙いもある。
(読売新聞17日)』
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もしかしたら、石原都知事の国家観を知らない人は、「大震災もあったことだし。高校生に防災や災害支援の訓練をさせるのは、いいことかも」と思ってしまうかも知れないのだが・・・。^_^;
でも、mewは、この記事を見た時に「ついに来たか〜〜〜」と思って、「これは絶対にアブナイ!」という強い危機感を抱いた。(@@)
石原都知事は、東日本大震災が起きたことをうまく利用して、かねてから(特に日本会議系の)超保守派勢力が提唱していた戦前的な教育を、実践に移そうとしていると感じたからだ。^_^;
mewが真っ先に思い出したのは、06年10月にアップした『子供を飼い慣らす」「日本が滅びるとショックを与える」教育再生?!』という記事に書いたことだ。(@@)
この記事は、00〜01年、小渕&森元首相の時に官邸に設けた「教育改革国民会議」が提唱していた内容について書いたものなのだが。
<森元首相も、「日本は天皇を中心とした神の国」などと発言するなど超保守派として有名で、教育改革(改悪?)目指していたのよね。>
その報告書の中の「子どもへの方策」には、こんな提案が記されている。。
『簡素な宿舎で約2週間共同生活を行い肉体労働をする』
『満18歳で全ての国民に1年ないし2年間の奉仕活動を義務づける』
これを、都立高校生向けにちょっとアレンジしたのが、今回の石原都知事がやろうとしている宿泊訓練なのだ。
しかも、学校教育の一環として、消防ならまだしも、自衛隊で宿泊訓練を行おうとしているのである。(`´)
そして、この背景には、単に自発的な社会貢献活動を行なう意識を育てることを超えて、戦前教育のように、子どもたちに愛国心&愛郷心を抱かせたり、「お国や郷土のために尽くすor奉仕する」&「国や郷土を守る」という意識やある種の義務感、また「国や郷土に従う」意識を育てる目的もあるということに留意すべきだとも思う。(・・)
<自衛隊(軍隊)への親しみや敬意を持たせる目的もあるかも。>
* * * * *
また、この「教育改革国民会議」は、行政が取り組むべきこととして、
こんなことも提唱していたのだが・・・。
『子どもを厳しく「飼い馴らす」必要があることを国民にアピールして覚悟してもらう』
『「ここで時代が変わった」「変わらないと日本が滅びる」というようなことをアナウンスし、ショック療法を行う』ことも提言している。
<教育基本法を改正を提起し、従来の惰性的気風を打ち破るための社会的ショック療法とする>
このような考え方も、この集団合宿を行なう趣旨の一部になっているのではないか思うところがある。(・・)
ちなみにmew個人は、子どもたちが社会貢献&ボランティア活動を行なうことには大賛成だし。学校が、希望者にその機会を提供したり、仲介役を務めたりすることもOKなのではないかと考えている。
<これはオトナも含めて、ボランティア活動をしたいけど、「どこへ行って何をしていいかわからない」「知らない団体の活動に参加するのはコワイ」という人も多いしね。>
また、mewはもともと体育会系ゆえ、正直なところ、最近の青少年を見ていると、チョット集団合宿でもして、社会性や忍耐心をつけたり、心身を鍛えた方がいいのではないかと思うことが少なくないのも事実だ。^^;
でも、だからと言って、それを国や自治体、学校が強制的に行なっていいかと問われれば、答えはNOだ。(**)
そもそも、ボランティア(volunteer)というのは、「自発的な、自ら志願する」という意味であって。決して、学校などで義務化され、強制的に行なわされるようなものであってはならないと思うし。
ましてや、災害対応の目的もあるとはいえ、道徳教育の一環として、自衛隊で合宿訓練を行なうなんていうのは言語道断だろう。(ーー゛)
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また、mewが問題だと思うのは、このような政策は、何も石原都知事が独断的に行なっていることではないということだ。
石原氏は、日本会議系の超保守派のひとりで、平沼赳夫氏や安倍晋三氏らの同志の議員たちと同じような理念に基づいて、様々な教育政策を実行に移しているのである。(-"-)
しかも、この石原都知事の教育政策は、保守派の首長が率いる東京周辺の県や市などにも影響を与えているし。
近時は、橋下徹氏&維新の会が大阪府で国旗国歌条例を制定するなど、だんだん他の自治体に広がろうとしていることにも注意する必要がある。(-"-)
〜 * 〜 * 〜 * 〜 * 〜
上にリンクした記事を書いたのは、06年10月、ちょうど安倍晋三氏が首相になった頃なのだが。
やはり日本会議系の超保守派である安倍元首相は、戦後の憲法や教育基本法が、日本の社会や教育をダメにしたとして「戦後レジームからの脱却」を掲げ、「憲法改正」「教育再生」を二本柱にした「美しい国」作りを提唱した。
そして、その「教育再生」政策のベースとしていたのが、この「教育国民会議」の提言だった。^_^;
実際、安倍政権は、06年12月には、早速、強引に教育基本法を改正。
また、翌年には教育関連法案を改正して、学校教育に国が大きく関与できるシステムを構築。
<ちなみに、防衛庁を省に引き上げる&軍事活動の範囲を拡大する法改正や、憲法改正の国民投票法成立も、強引に行なった。>
安倍元首相は、参院選の敗退を受けて、07年9月に辞任したものの、その後も、平沼赳夫氏<現「た」党代表>を中心とする日本会議系超保守派の議員が、学校の教育政策に強く関与(干渉、圧力?)するようになって。
新しい学習指導要領作りなどに、自分たちの考えを反映するように働きかけ、
愛国心、伝統、道徳教育、君が代の指導などを強化、「(天皇)神話」や領土問題を学習内容に盛り込ませることに成功。
また、学校教育の一環として、靖国神社を訪問することも可能との見解を出させ、もし自民党政権が続いていたら、都内の公立学校に靖国訪問を働きかける予定だったりもした。(@@)
<関連記事・『国粋主義の学校教育を行なおうとしている「日本会議+自民党政権にNO!」を。(2)』
>『小1から天皇建国神話&靖国訪問もOK、アブナイ学校教育が待っている』>* * * * *
ただ、実際のところ、国が国民に(子どもを含む)の教育に過度に干渉すしたり、様々なことを強制したりするのは、基本的人権の侵害&憲法違反につながるおそれがあるため、国レベル&法レベルでは、容易に彼らの考えを実行に移すことができないところがある。
<だから、早く憲法改正をして、いずれ国がもっと人権制限をできるようにもしたいのよね。^^;>
たとえば、自民党政権は、学校の式典で国旗掲揚&国歌斉唱を100%行なわれるようにすることを最大の目的にして、98年に国旗国家法を制定したのだが。国がそれを強制することは、憲法19条の「思想・良心の自由」に反するおそれがあるので、実行に移しにくい。
また、超保守派は、学校教育で社会奉仕活動を義務化&強制できるようにしたいと考え、学校教育法を改正しようとしていたのだが、それも内閣法制局が憲法18条が禁じる「意に反する苦役」に当たるおそれがあると指摘したため、思うように実現できなかったのだ。^^;
そこで、近時は、直接、学校教育を運営したり、教職員を雇用したりしている地方自治体が、その権限をうまく活用して、超保守派が目指す教育を実現しようとしているところがある。(・・)
そして、その急先鋒的な存在になっているのが、石原都知事なのだ。(-"-)
石原氏は、99年に東京都の知事になってから、都の教育委員会の中に、徐々に自分の意向に沿うメンバーを増やして行き、都の教育を変える準備を進めて行った。
<04年の秋の園遊会で「日本中の学校で国旗を掲げ、国歌を斉唱させることが私の仕事」と語り、今上天皇に「やはり、強制になるということではないことが望ましい」とたしなめられた棋士・米長邦雄氏も、99年から07年まで都教委の委員を務めていたのよね。^^;>
そして都教委は、超保守派の思いを実現すべく、ついに03年10月に、学校の式典で国旗掲揚、国歌斉唱に関する細かい規定を設けた職務命令を全ての都立学校に通達。しかも、この規定を守らない教職員は処分にすることに決めたのだ。
ちなみに、全国の自治体の中で、このような制度をとっているのは、東京都だけだ。(ーー゛)
この国旗国歌に関する「職務命令」は、都立の学校を対象にしたものなのだが。
ただ、東京都では、04年に、幼小中高すべてを対象にした「東京都の教育ビジョン」を発表し、日本の伝統文化への理解を深め、郷土や国に対する愛着や誇りをはぐくむ教育を行なう方針を示したこともあり、都内の区立、市立の小中学校もかなり影響を受けているし。
それこそ、近年、新設された都立の学校では、各教室の正面に日の丸を掲示するところまで出ているほどで、都内&周辺ではどんどんと保守化教育が進行している。<超保守勢力が後押しする「つくる会」の教科書を採択する地域も増えているのよね。(-_-;)>
http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/buka/soumu/vision/saisyu/gaiyo.htm
07年からは、都立高校で「奉仕活動」が必須単位とされ、ボランティア活動が義務化されることに。
そして、今度は上述の「自衛隊での合宿訓練」を実現しようとしているのだ。(-"-)
<できれば、都議会でこの予算に反対をして、この計画を潰して欲しいんだけど。果たして、どうなることか。^^;>
* * * * *
この石原氏と「破壊的教育改革」を進めて行くことで意気投合しているのが大阪維新の会を率いている橋下徹氏(現大阪市長)だ。(・・)
<関連記事・『石原が新党結成&橋下と連携に意欲。2人が国政に関わると、日本の教育、平和、民主主義がアブナイ!』
橋下氏は、府知事時代に、大阪府に「君が代条例」を制定したのだが。
今週、大阪府の教育委員会は、東京都と同じように、府立学校の教職員に対して学校行事で君が代の起立斉唱を求める職務命令を出した。
条例に罰則規定はないが、違反者は地方公務員法に基づいて処分する方針だという。(-"-)
橋下氏は維新の会は、大阪府と市で、自治体や校長に従わない教職員を処分できる教育基本条例も制定しようとしているのだが。
そのうち、東京都同様に、奉仕活動の義務化や自衛隊での訓練合宿も導入しようとするかも知れない。^^;
<もともと橋下氏は知事時代に、公務員を自衛隊で訓練すべきだと発言して、物議をかもしたことがあるしね。あ、あと宮崎の東国原知事も、若者を自衛隊で訓練させたいという話をしたことがあったな〜。(~_~;)>
そして、大阪が東京に追随するのを見て、他の府県や市町村でも同じような動きが出るのではないかと懸念している。(-_-;)
* * * * *
また、この橋下維新の会は、次の衆院選で、国政進出することも計画していることから、国政でも超保守派的な政策を支持する可能性がある。^^;
石原知事は、一昨年、超保守派のドンである平沼赳夫氏が率いる「たちあがれ新党」の結党に関わったのだが。今度は、国民新党の亀井代表なども一緒に、石原新党を作って、保守勢力を結集しようとしているわけで。
こちらも、今度は、国の教育政策にアレコレとクチを出して来るおそれがある。
残念ながら、一般国民or東京や大阪の住民は、国の教育政策がかなり変えられてしまったことや、東京、大阪で問題のある教育政策が行なわれていることには、あまり関心がないようなのだが。
<実際、小中高に子どもを通わせている親でも、都の通達のことを知らない人も多いのが実情だしね〜。(-"-)>
日本&各自治体の子どもたちが、何もわからないままに国粋主義的なアブナイ教育を与えられることがないように、オトナたちがもっとしっかりと考えて行く必要があるのではないかと思っているmewなのだった。(@@)
THANKS
http://mewrun7.exblog.jp/17251115/
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