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組織崩壊の民主党政権とメディア
2012年01月19日 16:30
江田憲司
支持する6
国会議員の定数削減について、つい2、3日前、野田総理(民主党代表)と岡田副総理が、今後の与野党協議を円滑化(中小政党に配慮)するため、年末の調整で従来の民主党マニフェストの「比例80削減」から「比例」という文言をあえて抜き、単に「80減」としたと公に説明していたのに、昨日、突然、民主党が「比例80減。小選挙区は0増5減(自民案丸呑み)」という案を決定した。これで与野党協議に臨むという。
いつものことで今さら言うのもあほらしいが、ほとほとこの政党は「意思決定」というか「組織マネージメント」というか、初歩的なことをまったくご存じないようだ。「ガバナンス」という大仰な言葉を使うまでもない。党の1と2の言うことを簡単に3以下がひっくり返すんだから。
ことほど左様に、この民主党政権、誰が責任者で、どこでどう何を意思決定しているのかがまったくわからない。いや、その時その時で、適当に幹部が勝手なことを言って誰もまとめようとしないという、あるまじき「組織崩壊」に至っている。外にいる者は、誰を、何を、信じていいのかわからないのだ。
そう言えば「言うだけ番長」という人もいて、私のところには、その「番長番」記者が来て、「江田さん、本当に言うだけなんですよ。自分が言えば周りが勝手に動いてくれると思ってるんですよ。だから言うだけで何にもしない」と、あきれ果てたように愚痴を言って帰る。要は実社会で働いたことがないから、「組織はどう動く」というABCすら知らないのだ。
国会議員の給料カットも、岡田副総理が高らかに就任直後ぶち上げたと思うと、民主党の幹事長や幹事長代行が「あれは岡田さんの個人的意見」と一蹴する。そして、その岡田さんもあとで電話で「詫び」を幹事長に入れる。「政党」「政権」の体をなしていないというか、民主党の政治家は「組織人」ですらない。
だから、皆さん!「社会保障と税の一体改革」(消費税増税案)だって、協議しろと言われる方の身に少しはなってくださいよ。その民主党ですらが「素案」だとかなんだとか言っている代物ですよ。「閣議決定」もされてない不確かなものを、いや、「閣議決定」してもやる覚悟があるかどうか疑わしい民主党の言うことを、まともに受けてまじめに議論しろと言うんですか?
メディアもいい加減、民主党の肩をもって「協議くらいしろ」なんて言わないでほしいですよ、まったく。相手はまともな感覚、神経の持ち主ではないんですから。それよりも「例年よりも国会開会が遅すぎる。こんな国難、難問山積の時に、どうして民主党政権はもっと早く国会を開かないのか」「そこで国民監視の中、一体改革も徹底的に与野党で議論しろ」ぐらい言えないんですか!
「増税マインドコントロール」にかかっているとは言え、メディアは攻めるべきポイントを間違っている。
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