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◎大平の消費税政局と酷似してきた
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2012-01-20 06:58 永田町幹竹割り
消費税がきっかけとなった政局は過去にもあった。1979年の「40日抗争」をはさんでの自民党内抗争だ。筆者は官邸キャップとしてつぶさに見たが、最近は当時の首相・大平正芳と首相・野田佳彦がダブって見えてくる。酷似点は「政治生命を賭けて」消費税をやろうとしていることだ。そして内閣不信任案に同調しかねない反対分子も党内に抱えている。唯一異なるのは大平が消費税を撤回し、“大平政治”を信奉している野田が「死守」の構えであることだ。
79年10月の総選挙を前に首相・大平は官邸キャップらを招いてカレーライスを食べながら懇談した。そこで突然大平は「一般消費税をやろうと思う」と言い出したのだ。9月17日の公示直前である。筆者は驚いて「選挙は大丈夫ですか」と聞くと、大平は「ああ、うう、愚直に訴える」と述べたものだ。これが消費税政局の発端であった。
大平は発言の通り選挙告示の第一声で、確かに「愚直にも」消費税導入を訴えた。しかし、当時の世論は大平の財政への危機感など全く理解せず、一般国民に至っては世論調査でも反対一色だった。自民党が行った選挙予測調査も「大敗」と出て、官房長官・田中六助らが撤回を進言。ついに大平も大ぶれにぶれて撤回した。しかし時既に遅く、総選挙は大敗で過半数を割った。新自由クラブを抱き込んで政権は維持できたが、党内抗争の火蓋が切られた。福田赳夫らによる「40日抗争」だ。
抗争は長引き、大平は「辞めよというのは死ねと言うことか」と漏らして政権にすがりついた。しかし抗争は怨念の戦いとなり、翌80年の通常国会で野党が提出した内閣不信任案採決に福田らが欠席して、可決されてしまった。大平は総辞職でなく解散を選択して、参議院選挙とのダブル選挙になだれ込んだ。ところが選挙第一声で大平は異常に甲高い声で演説をして、筆者は持病の心臓発作は大丈夫かと直感したが、案の定その夜心筋梗塞の発作が起きた。大平は死去して、ダブル選挙は必ず勝つ「弔い合戦」となり、自民党は圧勝したのだ。
民主党元代表・小沢一郎の最近の発言も、この経緯を念頭に置いてのものだろうと思える。18日も「こんなときに消費増税なんて冗談じゃない。何を考えているのか」と反対姿勢を一層鮮明にしている。何としてでも消費増税にストップをかけたいのだろう。しかし野田は既にルビコンを渡ったのだ。賽(さい)は投げられたのを小沢は理解していない。ここで野田が方向転換したらどうなるか。大平と全く同じで「選挙大敗」が目に見えているのだ。大平は方向転換した結果、消費増税に賛成する良識派まで敵に回してしまったのだ。小沢は例え野田が方向転換しても、“どっちみち選挙に負ける”ことを知らずに、悪あがきしているのだ。
その間の大平の心理状況について首相秘書官だった森田一は日経のインタビューで「『しまった』という感じは見て取れたが、それは言わなかった。消費税を掲げたことに後悔はなかったと思う」と振り返っている。野田は自他共に許す大平政治の信奉者だが森田は野田から代表選挙前に「大平政治を目指したいので会いたい」という話があり、会食をしたという。この席で森田は「福田さんや大平のように大蔵省出身者で蔵相をやって首相になれば、事務当局に操られているといわれない。だが、そうではない人が財務相をやって首相をやると事務当局が操っているとみられると言うと、『私はすでに増税男と言われています』と言っていて、そこはぶれないような感じだった」と述べている。
大平の失敗を意識して野田はぶれないことがこれで分かる。だが、野田も大平同様に党内に敵を抱えている。不信任案が提出されれば、小沢グループなど反対派が賛成するか欠席すれば可決されてしまう危うさがあるのだ。森田は「話し合い解散みたいな話で突破できるかどうかだろう。私の感覚では解散が確約されれば、谷垣禎一総裁は党内を説得できるだろう」と述べている。野田が「小沢の福田化」を防ぐには、話し合い解散で小沢の裏をかくしかあるまい。時局は与野党反対勢力の動きが活発化して、神経戦の側面も出てきた。野田にかかる精神的な重圧は、相当なものがあると思われる。しかし野田の大平との違いは、若さと体力があることだろう。解散を選択しても「弔い合戦」にはなるまい。
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