http://www.asyura2.com/12/music9/msg/893.html
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ピノキさん、
「サヴァン症候群の人には数字に色がついて見える」
というのは楽しいですね。
それはどんな色?
どんな配列?
「容疑者Xの献身」という映画をご存知ですか?
堤真一が数学の天才を演じています。
愛した女性をかばってブタ箱に放り込まれるんですが、
悲壮感ではなく満足感でいっぱいになって、
天井に色付きの定理が展開されるのを恍惚と眺めるシーンがあります。
http://www.youtube.com/watch?v=Ivj3IzB4oCg&feature=endscreen&NR=1
19mjman さんが 2011/05/07 にアップロード
さてグリモーが見ている色はどんな色というご質問ですが、
以下に独断と偏見による個人的ピアニズムを述べます。
私はサヴァン症候群ではありませんが、
好きなピアニストの演奏を聴くと、♪が線と面になって見えます。
たとえば辻井伸行君のショパンのコンチェルトを聴くと水彩画が見えて来ます。
とても美しいです。けれど残念ながら奥行が足りません。
美しいメロデイラインだけの平板な絵です。これはたぶんテクの問題だと思います。
ショパン・コンクールでのユンデイ・リーも聴いてみました。
ものすごくハッタリをかましていますが、肝心の音が潰れています。
逆に美しく弾いている時は、速度が遅すぎです。
優勝しましたが個人的にはイモだと思います。
ちなみに、
「ユンデイ・リーとランランをけなすといっぱしだと思われる。そう勘違いしている奴がいる」
というコメントを見かけましたが同意できません。
個人的にはランランは問題外だと思っています。
なぜならランランは、ピアノを弾く行為を見世物にするから。
ピアノを弾く自分を見せびらかし、弾かれるピアノを晒し者にするからです。
ピアノは震わせ歌わせ共鳴するものであって、晒し者にするものではありません。
彼は一見超絶技巧の持ち主のように見えますが、
目を瞑ってピアノの音だけを聞くとなぜか弱弱しく聴こえます。
さてピアノ演奏を視覚として捉える話に戻ります。
メロデイラインを線だけで弾くと、美しいけれど奥行がない。
あたかも遠ざかるにつれ、美しさが薄れていく水彩画のようです。
かつてセザンヌの絵を初めて近くで見たとき、
大雑把な面だけでできている小学生のような絵に、
「何なんだ?バカヤロー」とか思ってしまいました。
しかし遠ざかって観るとそれは茫然とするほど美しい。
近づいて「バカヤロー」、遠ざかって茫然を何回かくり返しました。
ゴッホの絵は色の洪水です。
色の明度によって面とスペースを表現しています。
彼は色そのものにイッテしまうと述べています。
ピアニストは?
たぶんピアニストも同じではないでしょうか。
アルゲリッチは速いだけで粗雑で体育会系だ・・・などと非難する向きもあるようですが、
彼女の超絶テクは自在に線と面を織りなし、オーケストラが奏でる背景を彩ります。
彼女がピアノを歌わせ花を咲かせた瞬間の音が見えます。
ただし指揮者がイモだと、アルゲリッチといえどすべてオジャンになります。
元ダンナの指揮で彼女が弾いたショパンのピアノコンチェルトは、
別人かと思うほどダサかったです(-_-;)
視聴覚障害を持つ或る写真家は、
「情景から音が聞こえた瞬間にシャッターを切る」と言います。
絵画が音楽家に霊感を与え、音楽が画家にインスピレーションを与えるように、
我々は聴覚に色を見、視覚に音を聞くことができるのです。
今回は紹介するのは、ラフマニノフのPC3番です。
ラフマニノフのピアノコンチェルトは、NO2が人口に膾炙されています。
でも私はNO3の方が好きで、何回聞いても飽きません。
第一楽章ではいきなり主題が疾駆します。
可憐なその音色は、つんのめるようにして、先へ先へと急ぎます。
そして暗〜い第二楽章が、途切れなく第三楽章へ繋がります。
このタイミングがミソです。
第三楽章はまったく圧倒的です。
オマケみたいな第三楽章が多い中で、この第三楽章は第一楽章に遜色ありません。
スケールも大きく内容も豊かで、ピアノコンチェルトの中の白眉だと思います。
反骨の女優・北林谷栄が、
「家に帰ると暗闇でこのコンチェルトを聴く、最初の一小節で疲れが抜けていく」
と言った曲でもあります。
個人的にはアルゲリッチが弾いたライヴ演奏が最高峰。
未熟なオケが時にズレても全然OK。
一塊となって怒涛のフィナーレに雪崩れ込んで行きます。
で、ジャジャンと、アッサリ、軽〜く終わります。
ヨッ、憎いね!ダンナ〜 (=^・・^=)
http://www.youtube.com/watch?v=MOOfoW5_2iE&feature=related
mmoynan さんが 2011/07/07 にアップロード
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