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イギリスの超メジャーな四人バンド『ピンク・フロイド』。
実は、バンドの名づけ主で、音楽面、ステージパフォーマンスの
中心人物であったシド・バレットは、ファースト・アルバムの後
いなくなってしまった。原因は薬物依存と、統合失調による
自己喪失である。つまり世間でいうスーパーグループの
ピンク・フロイドは、紙一重な奇才が抜けた後に残りのメンバー
が必死で行った後始末プロジェクトだったのである。
バレットが在籍していた頃のピンク・フロイドのライブ映像が
残っていて、代表曲「Astronomy Domine」(*1)
を演奏している。
まるでアホの御遊戯みたいな曲であるが、ここでボーカルと
キーボードが口を揃えて唱えている旋律を覚えて欲しい。
半音階づつ4度さがっている・・・・・・・・・
まるで悪魔の啓示のような気色の悪いメロディーであるが、
これを聞いて「これこそが我の望む音楽である!」と歓声をあげて
いたイギリスのスターがいた。ジミー・ペイジである。彼は
翌年のヤードバーズの曲にさっそくこのおどろしい旋律をパクって
導入しているのである。
どうだろう。実はこのDazed and Confusedが再収録された
レッド・ゼッペリンのファーストではもっとこの
半音階を下る独特の旋律を強調するため妖魔の宿るような
怪しげな音響効果を加えていてピンク・フロイドのパロディーで
あることがわかりやすくなっているのだが、まあ一応オリジナルと
してヤードバーズの映像をあげてみた。
半音階を2フレーズに分けて六度さがっているのがペイジの
ギターである。これは間違いなく、シド・バレットのAstronomy
Domieからのパクリで、ここからアイデアを得たのである。
ペイジほどのパロディストになると、これくらい露骨なアイデアの
拝借はいくらでもある(訴訟になった例もある)ので驚くことは
ない。ペイジのパクリネタというスレを作るともう延々と楽しい
60年代音楽史のタイムマシーンツアーになってしまうが、
この2曲についての類似を指摘した記事やインタビューはいままで
一度もみたことがないので、これはチベット説として記録してもいいようだ。
バレットの常軌を逸した曲作りに、ビビっと電波を感じたのは
同じイギリス人だけではない。
平成Jロックの代表格、少年ナイフは、出世曲となった
Riding on the rocket(*2)でAstronomy Domie
の詞を拝借し、惑星名を連呼している。
曲に関していえば少しもピンク・フロイド風ではなく、むしろ
サビの部分はあからさまなThe Who『Boris the spider』の
パクリであろうが、歌詞はまぎれもなくバレットだ。
シド・バレット自身は、一体どこからこんな曲を持ってきたのか、
開頭して解答を得たいところであるが、もう彼が故人となった
今では推測することが精一杯である。私の限られた戦後音楽の
知識ではなんともしがたいところなのであるが、直感的にアメリカ
50年代の大衆音楽にヒントがあったのではないか、と疑っている。
たとえば・・・・・・
おいおい、これがAstronomy Domieに影響しているのか?
とあまり深く考えないで欲しい。これはあくまで直感の部分である。
こないだ「ドラッグや統失は外す」と宣言したばかりで、なんで
シド・バレットなんだ?という矛盾はあるが、この曲だけは特別である。
私が女だったら、特別な関係になってもいいと思えるロッカーは
この時分のシド・バレットしかいない。って誰も聞いてないじゃないか。
でも結構、彼は日本人と結ばれるタイプだと思うのだが・・・・・・
(*1)Astronomy Domie 日本語に訳すると
天文学博士、とでもいうべきか。歌詞はドラッグによるトランス体験
について、その抽象的な観念をなんとか文字にしようと必死なバレット
の努力がうかがいしれる。なお、本人を含め誰もいっていないが、
村上龍の出世作「限りなく透明に近いブルー」はこの曲の歌詞から
とられたものである。
(*2)Riding on the rocket 日本語に訳すると
ロケットに乗って・・・・・しかしその言葉の裏を読むなら
「騎乗位で男の子を攻める」という意味である。コーラス部分に
あるイコウ、イコウというのは無論、性的なオルガズムについて
の隠喩である。あまりに下品で大阪がなおさら嫌いになる。
バレットもえらい迷惑・・・でもないか。
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