http://www.asyura2.com/12/music7/msg/252.html
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昔、エルヴィス・プレスリー主演の映画をずっと流しているケーブル・チャンネルをみていた。
はじめに放送されたのが「ブルー・ハワイ」。ここでは、乱闘騒ぎになったエルヴィスが悪漢共をカラテのアクションでやっつける殺陣が見ものであるはずなのだが・・・・・それが、どうもイケテいない。
エルヴィスの打つパンチじゃ子供にも勝てないかもしれない。バランスが悪く力が乗っていない。いくら映画のイチシーンであれ、あの喧嘩のしかたじゃサマにならない。エルヴィス、駄目じゃん・・・・・・
しかし、その後に放送された「ジェイル・ハウス・ロック」では、今度は一方的に殴られる役のエルヴィス。こっちはどうかといえば・・・・・満点だ。まったく非のつけようのない見事な殴られっぷりなのである。
ロッカーはもともと、不良少年の音楽であり、腕に覚えがあってしかるべきものかもしれないのだが、本当のスターは実はこういうもの、つまり負けることを演出できる人間なのかもしれないと思う。負け方が格好よいのだ。敵を次々となぎ倒し、1人で場をシメてしまったような強すぎるロッカーじゃ、歌っても心を打つ感傷の響きがないのである。
1980年前後に、イギリスで最も活躍したロックバンドのThe Jamのこの曲は、「殴られる」男がロッカーの原型なのだ、ということを再度印象づける。殴られる、負ける、からこそ格好いいのがロックなのである。
動画の埋め込みがわからないので、リンク。
埋め込み方がわからないところが、阿修羅だと見つけたり。
http://www.youtube.com/watch?v=OiHv_VZFJR8
(歌詞抜粋)
はじめは拳だ、そして蹴りがオレを襲った。
奴らの息づかいが迫る・・・・・・安酒屋と、ム所と、極右集会がまざったような匂いの息が。
オレを取り巻くオレ自身の人生が、見殺しにするかのように遠目にオレを見下ろす。
外気と混ざった革服の匂いが、オレの目、耳、鼻そして口を満たし、全ての感覚を麻痺させる・・・・・
何も見えない、聞こえない、話すことさえも・・・・・
駅に倒れたオレが最後に目にしたのは、無神論者の書いた「キリストこそが救世主」の落書きだった・・・・・
そしてその横には国鉄のポスターがなにげないささやかなファミリー旅行の宣伝を・・・・・・・
妻のことが脳裏を横切る・・・・・奴らはオレから鍵をとりあげて・・・・オレを自宅で待つ妻のもとへけしかける・・・・・
真夜中、地下鉄の駅でオレはのされた
真夜中、地下鉄の駅でオレはのされた
真夜中、地下鉄の駅でオレはのされた
そうやって若い癖に高級な詩作に興じるようなこったからリンチされんじゃねえのか・・・・とか。
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