ブラックドッグはセカンドでいう二曲目の「Ｗｈａｔ　ｉｓ　ａｎｄ．．．」と同じくメリハリをつけた非常にインテンスな作風に仕上がっているので、間延びするロックンロールとエヴァーモアをつなげる役割にも丁度いいのである。

そしてクライマックスであるステアウェイにもっていく。このイントロは、カリフォルニアのロックバンド「Ｓｐｉｒｉｔ」のファースト・アルバムに収録されたＴａｕｒｕｓの盗作である。なんでこんなことになるのか、と思うとまだゼップがニューヤードバーズなどと呼ばれていた頃のアメリカ公演でＳｐｉｒｉｔの前座をつとめており、そこでＳｐｉｒｉｔの演奏にぶっ飛んだ！という過去があったのだ。納得だ。

私個人はこのアルバムのベストとして、ステアウェイではなく、あえてエヴァーモアとミスティー・マウンテインをあげたい。８０年代に流行ったヘビメタさん達とのあまりの次元の違いに唖然となるだろう。

ペイジ本人は、自分のギターソロには二度ターニングポイントがあり、その最初が天国への階段であり、二回目がそれから５年後のアキレス最後の戦い、だったと言っている。どちらもヘビメタ時代以降のギターフリークには馬鹿にされていることは周知だが、じゃあ、誰か１人でもペイジのギターアレンジメントに勝てる人なんかプロ・アマ問わずいるんですかの？となると全員黙り込んでしまう。そこがレッド・ゼッペリンの別格たるところだろう。アキレス最後の戦い、につながる準備段階としての要素はこのアルバムにはそれほど見当たらないが、プレゼンス以降にもアキレスの世界は一度たりとも展開されていないので、あれは特別の曲だったのだろう。ペイジは殆ど不眠不休で１人で仕上げたといっているが、どんな精神状態だったのだろうか・・・・・・

"Four Sticks" Led Zeppelin (acoustic cover by Amy, Fraser & Isao)

http://www.youtube.com/watch?v=LH4vIzQev6g