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ロック音楽は、50年代のアメリカ音楽の影響を受けたイギリスの新しい
グループサウンズが60年代に大規模市場に進出する過程で生まれ、以降
英米を中心として世界に広まり商業音楽の規模を変革した
エレクトリック音楽のことだ。
ビートルズ、ローリングストーンズが初期の立役者であり、
イギリスが主導権を握る体制が続いたが、60年代も後半になるに
したがって徐々にアメリカ産のバンドが逆転をはかるようになる。
その力学が見え隠れするのが、たとえば世界の頂点にあった超有名バンド
のクリームと、全米公演で彼らの前座をつとめたカリフォルニアのマザーズの
関係。圧倒的な上下関係で知り合った両者ながら、ツアーのあとには
クリームのほうが弱小バンドのマザーズの影響を受け入れ、レコーディングに
その成果をあらわすような逆転現象がおきた。またビートルズの後を追いかけて
いたビーチボーイズのだした名作「ペット・サウンズ(1966年)」はビートルズ
の存在すら揺るがし、いまだにビートルズの最高傑作との呼び声の高い
サージェント・ペッパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(1967年)は
「ペットサウンズ」の影響を主として取り組まれた企画であったことを近年
ビートルズのプロデューサーは公に語っている。
下の動画もそういった一連のアメリカが逆にイギリスを啓蒙する形になった
ロック史の変動を物語る一例である。
まずは、アメリカのバッファロー・スプリングフィールドのヒット曲
Mr Soul。曲、ボーカルはニール・ヤングによるものである。
後ろでギターをひいているステファン・スティルスの嫌がらせとしか
思えないカーウボーイ・ハットや、客に背をむけているぶっきらぼうな
ベーシストについては目を瞑っていただきたい。
今度は、イギリスのローリング・ストーンズによるジャンピン・ジャック・
フラッシュ。録音されたのは前者から遅れること一年以上。
出だしにでてくるキモいオタク風の男の手話や、CGを駆使して
ステージに上がりこんだカマヤツヒロシについては見なかったことに
してください。
ニール・ヤングへの明らかなパロディーによるストーンズのジャンピン・ジャック
は同バンドの代表格のシングルであり、イギリスで1位、アメリカで3位を獲得
した大ヒット曲である。
ところが・・・・バッファローのほうはシングル・カットさえされないまま終わった。
この差って一体・・・・・・?????
ここがイギリス人の狡賢いところだ。アイデアを他からもってきては
うまいこと洗練された歌詞やサビをつけかえて、売れ線の楽曲に
変えてしまうのである。私はオリジナルがニール・ヤングであることは
断固として撤回しないが、どちらが商業的に成功する曲かとなると
ストーンズのほうを押してしまうだろう。
ステージのパフォーマンスとしても、同じ時代のバンドとは思えないくらいの
違いがある。農作物にたとえるなら、イモとローズマリーくらいの差だ。
イギリスのほうが恰好よく、時代を推進する力を持っているのだ。
あたかも、もうストーンズの完全犯罪による盗作事件のように
うかがえるが・・・当時のイギリス(影響を与える側)とアメリカ(与えられる側)の
関係からすればむしろ師が弟子のアイデアを手直ししたくらいのものだったのである。
ロックはどこまでいっても、アメリカ起源のイギリスの文化である。
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