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(回答先: 相場に失敗すると奥さんとお嬢さんはこういう運命が待っている 投稿者 富山誠 日時 2013 年 6 月 09 日 22:20:29)
何も知らない普通の人をドラッグの世界に引きずり込む手口 2013-09-13
ドラッグの世界ほど隠語が飛び交う世界はない。ドラッグの使用者がそれを大ぴらに話せないこともあるが、売る側にも隠語は山ほどあったほうがいいからでもある。たとえば、
覚醒剤では、
シャブ、スピード、エス、メス、クリスタルメス、アイス。コカインでは、C、コーク、スノウ、ロック、ホワイト、チャーリー、クラック。
マリファナ(大麻)の隠語である
ガンジャ、ハッパ、ハシシ、ハッシュ、ポット、ウィード、ジョイント。
LSDの隠語では、
L、ペーパー、紙、スヌーピー、アシッド。
他にも
MDMA(エクスタシー、揺頭)、マジック・マッシュルーム、ケタミン、GHB
と、関心のない人間には何が何だか分からないようなドラッグもあって、それぞれがまた複数の隠語を持っている。
最近ではここに、ステロイド系、笑気ガス系、睡眠薬系、向精神薬、ED薬系、合成ドラッグなども入り乱れて、やはりここでも隠語が山ほどある。隠語をすべてを把握している人はいないし、毎年のように言い方も増えるし、変わっていく。
覚醒剤・ヘロイン・コカインは、ドラッグの王道だ
売人が売りたがるのは新しい麻薬ではなくて、覚醒剤、コカイン、ヘロインが本音ではないかと思う。それはビジネスとして、安定するからだ。
エクスタシーは確かにブームが続いているので、消費者が多いという意味では旨みのある商品だ。しかし、依存度が弱すぎるので確実なリピーターにはなりえない。
その点、覚醒剤・ヘロイン・コカインは、一度相手を「固定客」にしてしまうと、客は逮捕されるか、死ぬ直前までカネを運んでくる。
ヘビー・ドラッグは、精神的依存、肉体的依存が強烈で、やめようと思ってもやめられない。だから、相手を中毒にすればいい。そうすれば、相手は何が何でも、どんなぼったくりの値段でもそれを買ってくれる。
覚醒剤・ヘロイン・コカインは、ドラッグの王道なのだ。
まさにマフィアがどんな危険を犯してもやろうと思うようなビジネスであり、規制されればされるほど、それはマフィアの専売特許となっていく。
メキシコのマフィアが巨大化したのも、まさにこの「中毒性」が強烈だからに他ならない。
しかし、マリファナくらいはまだしも、覚醒剤やヘロインともなると、その依存の強さは知れ渡っているので、誰も簡単に手を出そうと思わない。
たとえば、歓楽街にたまたま酒を飲みに来たような素人の女性に、「覚醒剤を持っているけれども欲しいですか?」と言って「欲しい」と答えるだろうか。
欲しいと言うどころか、恐怖のあまり逃げ出すだろう。
「面白い痩せ薬があるんだけど、試してみる?」
それはマリファナでトリップしている連中にも同じことが言える。「大麻はいいけど、覚醒剤のようなハード・ドラッグは絶対やらない」とみんな言う。それほどヘビー・ドラッグの害悪は知れ渡っている。
しかし、売人はそれを売りたい。
何度か使用させれば薬物依存が出て、あとは「楽な商売」になるのは分かっている。覚醒剤ビジネスの一番の問題は、どうやって相手を油断させるか、というところに尽きる。
そこで、隠語が重要な役割を果たす。
「シャブ」や「スピード」はもう知られすぎている隠語だが、「クリスタル」などと言われれば、日本人の誰もそれが何だか分からないだろう。
覚醒剤は常用すると痩せていくので、隠語と合わせると、女性には次のような売り方ができる。
ダイエットの話か何かの折りに、たまたま持っているという振りをしながら、こう言う。
「面白い痩せ薬があるんだけど、まあ効果あるかどうかちょっと試してみる? 1回飲んだくらいじゃ効かないと思うけど。ほら。カネなんかいいよ」
ほとんどの女性はダイエットに関心がある。ちょっと飲んでみるような女性も出てくるかもしれない。
「これって、何のクスリなの?」
「クリスタルというクスリだよ」
売人は別に何も嘘を言っていない。クリスタルという隠語は存在するし、覚醒剤は痩せるのだから痩せ薬だ。
覚醒剤という正体は隠しているが、女性を「騙した」わけではないのである。覚醒剤の成分が入った「クリスタル」という名前の痩せ薬を売ったということだ。
隠語で言えば誰も知らないので、釣られる人間はいる
「肌をきれいにするビタミン剤があるんだけど。まあ効果あるかどうかちょっと試してみる? 1回飲んだくらいじゃ効かないと思うけど。ほら。カネなんかいいよ」
そういう言い方もできるかもしれない。これは嘘だが、引っかかる女性はどこかにいる。
「何のクスリなの?」
「クリスタルというクスリだよ」
最初に信頼関係が成り立っていれば、これくらいの会話で相手を覚醒剤に引きずり込むことができる。引き返すことのできないハード・ドラッグの世界に……。
プレッシャーのある仕事をしている男にはこう言って引きずり込むことができる。
「これはエネルギー・ドリンクの錠剤化したみたいなクリスタルというものだよ。よく効く」
疲れて体力の落ちた中高年にはこう言うことができる。
「これはバイアグラみたいな効果のある錠剤でね。クリスタルと言うんだけど、よく効くよ」
受験で追い詰められている学生にはこうだ。
「これを飲むとすごい集中力がつく。頭が良くなるものだよ」
「何と言うクスリ?」
「クリスタルだよ」
これで釣れる可能性は高い。
実際、覚醒剤は、「痩せる」「エネルギーが出る」「バイアグラのように効く」「集中力が付く」がすべて嘘ではない。
覚醒剤と言えば誰もが驚いて逃げ出すが、隠語で言えば誰も知らないので、好奇心を持つ人間は必ずいる。
もらったものが覚醒剤かも、という発想が出てこない
正体を隠すには、ひとつのものに「違う名前」がついていればいい。それで本当の正体が分からなくなる。クスリが本性を隠して、違うものになりすますのだ。
では、なぜ売人が適当に考えた「でまかせの別名」ではなくて、「隠語」ではないとならないのか。
それは、中毒者が常にその売人から買うかどうかは分からないからだ。中毒者は他の売人を見つけるかもしれない。
そんなとき、売人が仲間内だけで隠語を共通化させておけば、その中毒者は隠語を知っている他の売人の誰からも同じクスリを手に入れることができるようになる。
また売人の方も、隠語を知っている新顔の中毒者に的確なドラッグを売ることができるようになる。
だから、隠語は仲間内で客を回すために、共通されていなければならないのだ。
プロの詐欺師や売人にかかれば、誰かに覚醒剤を飲ませるのはそれほど難しい仕事ではない。
それなのに、知らずに飲まされた方は、死よりも恐ろしい薬物依存の世界に放り込まれることになる。
そういったドラッグが世界の最底辺の場所に渦巻いている。アジアの歓楽街にも売春地帯にもまさにその手の罠が繰り返し繰り返し現れては消えていく。享楽と地獄は共存している。
その入口は、本性を隠して「別の名前」で現れる小さな錠剤である可能性が高い。
何も知らない普通の人をドラッグの世界に引きずり込むには、隠語がひとつあればいいということになる。
http://www.bllackz.net/blackasia/content/20130913T0248550900.html?a=l0ll
麻薬を乱用すると「理性」の部分が欠落して「本能」の部分が残る。だから、麻薬乱用者のレイプ事件は「錯乱した状態」で起こされることが多いと言われている。
マリファナやヘロインはダウン系と言ってその場にへたり込んで快楽に打ち震えるタイプのものだから、乱用すればするほど大人しくなる傾向がある。
しかし、コカインやメス(覚醒剤)は違う。乱用すれば、体内にエネルギーが駆け巡り、「底なしの行動力」が湧き出てくる。
つまり、乱用すると、そのエネルギーが他人に向かっていく。そのとき、乱用者が性欲を感じていたりすると、それがレイプ事件となる。
海外ではコカインやメス(覚醒剤)が異様なまでに蔓延しているので、当然、この系統の麻薬の乱用者によるレイプが膨大にある。被害者は暴力的にレイプされ、死ぬまで殴られる。
http://www.bllackz.net/blackasia/content/20121023T2044590900.html?a=l0ll
記憶力でさえ金で手に入れる。危険な方法が裏で流行している 2012年4月5日
表の世界には表のやり方があり、裏の世界では裏のやり方があって、表の世界で違反とされているものこそが裏側では実践されているというのはよく知られている。
「記憶する」というのは表社会では重要な儀式であり、記憶力の良い人は学校では尊ばれるので表社会ではいかに記憶力を高めるかが非常に関心のあるテーマであり続けている。
しかし、記憶力が良ければ、どこの世界にいても便利なことが多いので、夜の世界・裏側の世界に生きる人たちもまた記憶力を求めている。
たったの600円で、天才的な集中力を手に入れる
記憶力を高めるために何かしようということになったとき、表の世界に生きる人は、まっとうに勉強する。それしか知らないからだ。
ところが、裏の世界に生きる人は、記憶力でさえ金で手に入れようとする。
金で記憶力が手に入るのかと驚く人もいるが、「なるほど、記憶でさえ金で解決できるのか」と私が気がついたのはもう10年も前の話だった。
よくタイのレディーボーイ(性転換者)が夜な夜な遊びまわっているにも関わらず、流暢すぎるほど流暢な英語を延々と話していることがある。
「そんなに英語が流暢だというのは、昼間は相当勉強しているのかい?」と尋ねたら、「覚えるのは簡単よ。ヤーバー(タイの覚醒剤)を使って覚えればいいのだから」と彼女は答えたのである。
当時、ヤーバーはタイで200バーツ(約600円)ほどで手に入る安くどこにでもある違法ドラッグだった。
かつての覚醒剤は注射器を使っていたが、それを手軽に飲むだけで効く覚醒剤を麻薬組織が新規開発した。
タイではそれが爆発的に流行し、当時のタクシン内閣はこのヤーバー撲滅を政策の筆頭に挙げたほどの社会問題と化したのだった。
タイのヤーバーがそれだけ流行したのは、トラックの運転手が単調な夜間のドライブでも眠気に誘われることなく、激しい集中力でひたすら運転することができるからだ。
そして、レディーボーイの一部は、それを何と「勉強」に振り分けて流暢な英語を手に入れていたのである。
確かにヤーバーで手に入れることができる「あの劇的な集中力」で英語の勉強でもしようものなら、大変な効果があるはずだ。
単なる遊び人の彼らが、中学・高校・大学と普通に勉強をしている日本人の学生をはるかに凌駕する。決して誰も言わないが、実はそれほどの効果が覚醒剤にある。
文字通り「脳が覚醒」する
もちろん、こんなことを書くと大批判にさらされるのは分かっているが、私の知る限り、記憶力を倍増させる最強の薬は「覚醒剤」である。
覚醒剤の「覚醒」という言葉の意味を、もう一度よく考えて欲しい。覚醒剤を使うと、文字通り「脳が覚醒」するのである。
「覚醒剤を使うと記憶力が低下して何も考えていない」という人もいるが、それは事実と違っている。
覚醒剤はシラフでは経験したことのないような猛烈な「集中力」を手に入れることができる。だから「覚醒」剤なのであり、覚醒の意味はよく考えるべきだ。
しかし、しょせん裏の世界の「手っ取り早い解決」は、「手っ取り早い崩壊」にもつながるのはいつものことで、覚醒剤もすぐに精神依存が生まれて記憶力が一時的に向上しても人生崩壊につながっていく。
かつて覚醒剤の副作用があまり知られていなかったとき、日本ではヒロポンだとか猫目錠だとか突撃錠だと言われて盛んに使われたことがあった。
徹夜の作業が続く軍人や爆弾を作っていた女工に国から支給されていたのだが、それはやはり「激しい集中力」が夜通し持続して働けたからである。
この覚醒剤でドーピングされた集中力で記憶作業(要するに勉強)をしていると、どれほど恐ろしいことが起きるか考えて欲しい。
疲れを知らぬ極端なまでの集中力で暗記作業を反復するのだから、記憶に定着しないほうがおかしい。
覚醒剤は「効く」のである。それも生半可な効果ではない。まさに記憶作業のための薬と言ってもいいほどの劇的な効果になる。
スマート・ドラッグも覚醒剤の一種
スマート・ドラッグのほとんどが覚醒剤の成分を使っていることや、認知症や注意欠陥多動性障害(ADHD)、睡眠障害の患者にも、それらの成分を使っている事実を知れば納得する人もいるかもしれない。
「デキセドリン」はアンフェタミンが成分である。「リタリン」はメチルフェニデートが成分である。
これらは国外では当たり前に売っており、欧米のアカデミックな現場では「愛好家」も多い。
アカデミックな現場とはぼかした言い方になった。具体的に言うと、学校関係者・研究者の間では、ということである。
デキセドリンやリタリンという薬の名前を聞いたことがある人もいるかもしれない。覚醒剤だと思われていないが、実は成分は覚醒剤の一種だ。
デキセドリン
リタリン
特に「リタリン」のほうはスマート・ドラッグの代表と言われる薬である。スイスのノバルティス社が出している。
製薬会社というのはなかなか悪辣な一面も持っていて、禁止されている薬をあたかも別のものにして別の効用を謳って再販売するようなダークサイド(暗部)を持っている。
どう見ても覚醒剤のようなものをリタリンとして販売するのも、そういった巨大製薬会社のビジネスライクな姿勢がよく現れている。
当然、リタリンをスマート・ドラッグとして使用することに批判も多い。しかし、使用者も多い。
集中力を維持させるという「覚醒効果」があまりにも強烈なので、多少の批判があっても使用者はモノともしないでこれを使う。
それだけ効いているということだ。それは効くだろう。覚醒剤なのだから。当然、副作用もある。しかし、使用者の多くは、「一度使ったら、手放せない」のである。
日本ではすでにリタリンが乱用されていて手に入りにくくなっていると言われている。
私がいちいち言わなくても、脳の拡張(ドーピング)にリタリンという一種の覚醒剤を利用していた人間がすでに膨大にいたということだ。
日本の入試制度ではカンニングは違法でも脳のドーピングは違法ではない。
彼らはリタリンを効果的に使えたのなら他人よりも有利に受験できたということになる。今ごろ卒業証書を手に入れて笑っている。
あの劇的な集中力
ところで、覚醒剤はよくセックスの薬だという人も多い。
なぜそう言われるかというと、覚醒剤を採ってセックスをすると、覚醒剤の効果で信じがたい「覚醒」と「集中」をセックスに向けるからである。
のめり込み、没頭し、集中し、覚醒し、疲れを知らずに追求する。もはや他のことは一切無にしてそこに集中するのである。文字通り、眼の色が変わる。
覚醒剤を使ったセックスを一度でも体験すると、もうそれなしには考えられないという状況になり、それで人々は転がり落ちるようにハマっていくのである。
「今この瞬間に集中せよ」と勉強にハッパをかける言葉があるが、覚醒剤を使うと、まさにその言語通りの「全身全力で集中した」状態になる。
覚醒剤を取って麻雀をやると、やはり24時間まったくブレることなく、完全なる集中力で勝負に没頭する。それが「覚醒剤」の「覚醒」たるゆえんである。
日本で覚醒剤(ヒロポン)が取り締まりの対象になったのは1951年だった。
それまでは東大や早稲田を受ける受験生はヒロポンを使って莫大な記憶の反復作業するのが珍しくなかった。
覚醒剤を使うことによって数日で英単語2,000語くらいは確実に記憶できると言う人もいるが、尋常ではない集中力のことを考えると、あながち嘘ではないようにも思える。
「あの頃の学生は優秀だった」と言われているが、覚醒剤がその優秀さを支えていた可能性もある。
アナボリック・ステロイドがボディービルダーの身体に劇的な変化を起こすのを私たちは知っているし、女性ホルモンの錠剤が男の身体を女性化させることも私たちは知っている。
ほんの小さな錠剤を飲んでいる人たちが、その錠剤でメタモルフォーゼ(変身)する。ドラッグが人間を劇的に変化させることを疑う人は現代人にはいない。
覚醒剤が記憶力を劇的なまでに増強させることも私は疑わない。
カフェインもかつては薬の一種だった
人間の意識は薬物によってどんなふうにでも変容される。
今、コーヒーや紅茶に含まれているカフェインは別に違法でも何でもなく、そんなものが何かの「効能」の役割を果たしていると思う人も少ないが、カフェインもかつては薬の一種だった。
コーヒーは薬と同じ扱いだったのである。カフェインも目を覚ます効能がある。そういった意味では「覚醒」させる成分があるとも言える。
ただ、あまりにも誰もがコーヒーを一般的に飲むようになって、耐性ができて効かなくなっているのかもしれない。
覚醒剤も耐性ができる。効かなくなるのでどんどん使用頻度が増えて、それなしには生きていけない依存症へと落ちていく。
そして、得たものより失うもののほうが大きくなっていく。
だから、覚醒剤がいかに人を「覚醒」させて信じがたい記憶能力を高めてくれるとしても、その代償はあまりにも大きい。
この薬が違法になったのはそれだけの理由がある。まして、覚醒剤は違法だから手にした瞬間に犯罪者と化すのだから、ますますワリが合わないものとなるのだ。
リタリンという脳のドーピング薬もまた効かなくなっていくし、依存症も発症する。劇的な効果を持つ薬は、あまりにもそのショックが強いので、容易に人を依存症にする。
ところが、そういった依存症があるといくら言っても、人間の能力を拡張させる「危険なまでの魅力」に引き寄せられる人間は間違いなくいる。
しかも、それは少数派ではなく、圧倒的な多数派でもある。
スマート・ドラッグを使ったための「副作用のリスク」と、使わないための「結果を出せないリスク」を秤にかける。
その結果、スマート・ドラッグのリスクをコントロールした方が得だと考える人間が出てもおかしくない。
人間の肉体や能力にレバレッジをかけた状態
スマート・ドラッグや覚醒剤やドーピングは、人間の肉体や能力にレバレッジをかけた状態だと言えば分かりやすい。
先物取り引きや為替取引でレバレッジをかけて勝負するようなギャンブラーなら、自分の肉体を使って能力を増強させるレバレッジ=ドーピングも受け入れそうな気がする。
もちろん、覚醒剤もリタリンも手に入れること自体がすでに犯罪行為だから、それを手に入れようとするのは浅はかだろう。
しかし、「脳に効く」と言われる物質や薬物でまだ違法ではないものが山ほどある。
そういった「次のもの」を求めてスマート・ドラッグ探しをする人間も出てきているし、そのうちの何かは実際に効くのかもしれない。
もし何らかの合法的なスマート・ドラッグが効いたら、もはやそこで受験の勝負は決定する。そのとき、カンニングくらいで大騒ぎしていた時代を懐かしく振り返るだろう。
ドーピングに成功した人間と普通の人間が勝負にならないのはオリンピックで証明されている。
合法的で、かつ脳を増強させるドラッグがあるのかどうかは知らないが、私は存在する可能性は否定しない。
どんな男でも勃起させるバイアグラのような薬から、成人の男を女に変身させてしまう女性ホルモンのような薬ですらあるのだから、「脳を増強させる合法的な薬」があっても驚かない。
むしろ、ないほうが不思議だ。
http://www.bllackz.com/2012/04/blog-post_05.html
殺戮大陸メキシコの狂気(5)被害者の下着が舞うレイプ・ツリー 2010年11月23日
メキシコの激しい殺戮の社会の中では、女性も無事ではない。多くの女性がレイプの恐怖に怯えている。
レイプと言えば、巨大麻薬カルテルのひとつフアレス・カルテルは、女性たちを適当に拉致しては、どこかの屋敷に監禁して性奴隷にしている。
アメリカのテキサス州の国境警備隊によると、麻薬カルテルのボスに誘拐してきた女性をプレゼントとして差し出すような例もしばしばあるのだという。
四肢切断され、レイプされる女たち
正真正銘のレイプビデオや、例のスナッフビデオを作っているのも彼らだ。女性をレイプし、手足を切断し、殺される女性は、14歳から20歳くらいまでの若い女の子ばかりである。
上記の死体は髪を剃られ、手足が切断されて見つかった女性の死体だが、まだティーンエイジャーほどの若い女性であることが分かる。切断痕からすると、これはチェーンソーで切り取られたのだろう。
切断のときに飛び散ったであろう大量の血液はきれいに水で洗い取られているが、単に切断して捨てるだけならそんな手間は必要ない。手間をかけたのは当然、「撮影」するためだったはずだ。こういったケースがメキシコで横行している。
また、こういった正真正銘のレイプ・スナッフビデオを愛好する変質者も世界には多くいるようで、然るべき筋に売られている。
メキシコの女性たちは、レイプされたあとは殺されることが多いようだが、その殺害場面や死体の切断場面まで記録されて出回る。人権侵害どころではないのは言うまでもない。
また、死体は臓器売買で有効利用されることも多い。臓器売買での顧客は麻薬と同じく先進国アメリカである。
Inhale Movie Trailer Official (HD)
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=Sosy0_vAQ04
日本では公開するかどうか未定らしい「Inhale」という映画は、娘が深刻な肺の病気にかかって肺の移植が必要だと言われた父親が主人公の映画だという。
娘が日に日に衰弱していく。しかし、ドナーが現れない。死にかけている娘を目の前にして、父親はついに違法でもいいから肺を手に入れようと決意する。
彼が向かったメキシコの地域がフアレスだった。暴行、レイプ、抹殺(スナッフ)、何でもありの暴力都市フアレスに君臨するのがフアレス・カルテルである。主人公はそこで人間の「インヘイル(呼吸器)」を求めてさまよい歩く。そんな映画らしい。
金さえ払えば臓器が手に入ると思うアメリカの男。金さえもらえば臓器でも売り飛ばすメキシコの男。
この場合の需要と供給は、先進国に住む人の生命と、後進国に住む人の生命の交換である。メキシコには、このような臓器売買も平然と行われている。
被害者の下着が舞うレイプ・ツリー
チワワ州では多くの外資が進出している。その林立する巨大工場で膨大な数の女性工員が働いているが、これらの女性が拉致されたりする現状は、映画「ボーダータウン 報道されない殺人者」で描かれた通りだ(関連記事)。
10年に渡って500人以上の女性が行方不明になっていると言われているが、それは犯罪組織と癒着した警察の矮小された数字である。
実際には3万人とも4万人とも言われる女性がレイプされ、殺され、砂漠に埋められたり、ゴミ箱に捨てられたりしている。
拉致し、暴行し、用済みになったら殺してバラバラにして「ごみ」としてゴミ箱に遺棄するのだから、被害者の尊厳などどこにもない。もちろん、その中には未成年も多く混じっている。行方不明のままの女性も多い。
死体が発覚されたくない場合は、酸(苛性ソーダ)で溶かすケースもあって、2009年1月に逮捕されたサンディアゴ・メザという男はそういう仕事を10年間続けていたという。処理した死体は300体。
一週間で600ドルをもらって、死体を溶かしていたという。この男の通称が「シチュー・メーカー」だった。この男の「職場」の画像もあるが、ドラム缶の中は見ないほうがいいだろう。
シチュー・メーカー、サンディアゴ・メザ
人権団体の報告書では、これらの女性に対する暴力を、州当局が「真剣に捜査した形跡がない」と批判しているのだが、真剣に捜査して犯人が麻薬カルテルのメンバーであるところまで辿り着くと、次の犠牲者は警察官自身になる。
これとは別に、アメリカに密入国しようとしている女性を狙って、麻薬カルテルが片っ端からレイプしている事実もある。
彼らは女性をレイプした印に、被害者のパンティーやブラジャーを木に引っ掛けて誇示しているのだという。このような木を現場では「レイプ・ツリー」と呼ばれている。
レイプ・ツリーは途切れることなく延々と続き、何年も何年もそれが繰り返されている。被害に遭った女性たちの話では、夫が隣にいるそのすぐそばでレイプされる女性もいるということだ。
メキシコの麻薬妻たち
また、あってはならないことだが、メキシコ軍まで麻薬組織掃討の際に、目についた女性たちをレイプしているという告発もあった。
麻薬組織が囲っている女性たちは、ミス・メキシコなどで出てくるような美しい女性だ。彼女たちは麻薬カルテルの王に犯され、敵に犯され、軍にも犯されるという運命にある。
しかし、逃れる術はない。運命に逆らっても、流されても、常に危険と死がまとわりつく。
2008年にはメキシコのミスコンテストの優勝者ラウラ・スニガという女性が、麻薬密売人たちと一緒に逮捕されている。ピストルや弾丸やライフルや多額の現金が車の中に積んであった。
ラウラ・スニガ
2010年にはアンジ・バレンシアという女性が大量のコカイン運搬で逮捕されている。彼女はメキシコの麻薬カルテルの元妻だった。ファッションショーに出演する女性に声をかけては麻薬カルテルに誘っていたという。
アンジ・バレンシア
逮捕時
2007年に逮捕されて、スター気取りで逮捕写真に写っているのはサンドラ・アヴィータ・ベルトラン、「太平洋の女王」と言われていた女だ。逮捕されても笑っていられるのは、警察でさえ彼女の言いなりだということが分かっているからだ。
コロンビアからアメリカに9トンものコカインを運ぼうとして失敗して2007年に逮捕されているのだが、彼女の身柄を引き渡せというアメリカの要求をメキシコは断った。なぜなら、彼女は「証拠不十分で無罪」になったからである。
逮捕されているのに余裕たっぷりのサンドラ
刑務所の中でボトックス手術さえできる余裕。
そのあげくに無罪で釈放された
ロイターは2009年2月の記事で、「メキシコの麻薬妻たち」という題名で彼女たちにスポットを当てた記事を書いている。
シナロア州で美人コンテストが行われるが、そういったところに出場する女性たちが「しばしば誘拐されて、山間の隠れ家に連れ去られる」と書いている。
しかし、そこで女性たちは豪華な暮らしをしているのだという。もっともそれは命と引き換えで、元愛人だった女性が殺されて、胸や腹部、臀部を切りこまれて「Z」のメッセージが入れられていたということだ。
もちろん、それはゼタスの「Z」だ。
また、他の記事では、囲われた女性たちの中には武器弾薬の使い方の訓練を受けていて、殺し屋をしていた女性までいたという。これは2010年8月に発覚している。
ラ・リネアというギャング団の一味なのだが、このギャング団を支配するのがフアレス・カルテルだ。レイプビデオ・スナッフビデオを作っている例のカルテルだ。
末端の娼婦たちも常に麻薬や暴力と関わり合っており、殺される女性も多い。
頭部を撃たれて死亡した女性。失禁しているのが分かる
肌が紫がかっているのは仰向けで死んでいたことによる瘀血
メキシコは、現在、世界でも最悪に近い治安の状況であり、カルデロン大統領が麻薬撲滅戦争を宣言した2006年12月から、暴力と殺戮はエスカレートしていく一方だ。
女性が暴力国家に置かれると、どのような状況になるのか、メキシコを見るとよく分かる。
女性の時代というのは、平和と安定という非常に脆弱な薄氷の上に成り立っていて、暴力の時代が来たらすぐにでも消し飛んでしまうことが分かるだろう。
では、これから世界は平和がやってくるのだろうか。先進国が軒並み経済破綻していく中で、平和は保たれるのだろうか?
これを真剣に考えなければならないのは、暴力の時代がやってきたら有無をいわさず生贄になる女性のほうかもしれない。
家族を殺されて泣き叫ぶ女性たちの姿が目に染みる。
追記になるが、2010年12月21日も、メキシコ南部のオアハカ州で列車に乗っていた中米諸国出身の移民女性約50人が、武装集団に誘拐されるという事件が起きている。報道記事にはこう書いてある。
メキシコで移民女性50人誘拐か、エルサルバドルが捜査要請
同地域では、仲介業者に1万ドル(約83万7000円)もの金額を支払って、米国に不法入国する移民もおり、特に女性は米国に向かう途中で性的暴行事件などに遭うことも多い。また、誘拐された後に売春を強要されるケースもあるという。
http://www.bllackz.com/2010/11/blog-post_5173.html
人を短期間のうちに激しく劣化させるのが麻薬中毒の特徴だ 2010年11月13日土曜日
ヘヴィーな麻薬に限らず、薬物の中毒になると人間の細胞の劣化が激しい勢いで進んでいく。
人間の細胞というのは3ヶ月から6ヶ月の周期で新しいものに変わっていくと言われているが、薬物をオーバードーズ(過剰摂取)していると細胞の再生に劣化が起きるのだろう。
人の老け具合は個人差があるのだが、そういったものを差し引いたとしても、麻薬での老化のスピードは驚くほどのスピードが見られることがある。
覚醒剤やヘロインでの中毒が極まると、どんどん痩せていって「やつれる」感じの劣化(老化)が進む。中毒者は見た目を構うこともなくなるので、見た目の荒廃もまた想像以上だ。
タイで数年前に見た女性が同じ女性だとは思えないほど荒廃して禍々しい顔つきになったのを私は見ている。彼女は覚醒剤(ヤーバー)に溺れていた。
あまりにも肌の老化が進むと、女性はそれをごまかすために化粧を厚塗する。それがますます化け物のような印象を醸し出す。
額やこめかみに浮いた血管や窪んだ頬を隠す化粧品はない。しかし、中毒者はそれを隠そうとあがく。悪循環の連鎖は、本人の想像以上にひどい印象をまわりに与えるように思える。
では、もう化粧もしないでいたら少しはマシなのかと言えば、こちらもまた肌の荒廃がそのままストレートに目につくので老化が恐ろしいものに感じる。
以前に書いたが、以前にヘロイン中毒の女性と一緒にいたことがある。彼女は化粧もしないで髪も乱れるがまま放置しているような女性だった。彼女は常にまわりから薄気味悪い生き物でも見るような目つきで見られていた。
もし彼女がヘロインに溺れていなかったら、かわいらしい女性だったのだと思う。ヘロイン中毒の彼女はそうではなかった。
人を激しく劣化させる有機溶剤
途上国の底辺層にいる若者と言えば、シンナーを好むことが多いが、それは手に入りやすく、安く、酩酊が強いからである。
タイでもかつてはシンナーを吸っている娼婦があちこちにたむろしていたし、カンボジアではホームレスやゴミ山を漁る少年・少女たちがビニールを持って哄笑している姿をよく見た。カンボジアには数年訪れていないが、今もそうかもしれない。
インドの貧困層では見なかったが、バングラではやはり少年たちがシンナー遊びをしていた。
シンナーは安く手に入るから、副作用も軽微なのかと言えばまったくそんなことはなく、知っている人も多いかもしれないが、その害悪は凄まじい。
もしかしたら人間を劣化させる薬剤の中で、シンナー(トルエン、キシレン、ベンゼン)などの有機溶剤系は、相当上位にあるのかもしれないと個人的には感じている。
ロシアの女性の顔の変遷が写真にある。
2004年
2004年。横顔は若々しく美しい。
2005年。顔がむくんでいる。劣化が始まっている。
2008年。劣化を厚化粧でごまかす段階に来ているようだ。
2010年。もはや6年前の面影はここにない。
前歯がない。髪も乱れているのが分かる。
たったの6年で老婆のようになってしまった。
サイトには「薬物」としか書かれていないが、私はこれを見てすぐにシンナー系を想像した。この荒廃は覚醒剤やヘロインとは少し違う。最後には歯がなくなっているが、これは有機溶剤系のドラッグの特徴だ。
有機溶剤は骨を溶かすので、まずは歯に症状が出てくる。シンナー中毒の人間の死体を火葬すると骨が残らないと言われるが、その前に歯のほとんどを失ってしまう。
また、脳が萎縮するので性格が激変する。短絡的で、怒りっぽく、思慮が足りなくなる。精神的な変調をきたす場合も往々にあって、暴れて精神病院に放り込まれる中毒者も多い。
精神病院で治るものではない。脳の萎縮は元に戻らないからである。ろれつが回らず、頭も回っていないので、シンナー依存から抜けだしたとしても、その後の社会生活には支障をきたすことになるだろう。
そして、脳の萎縮はやはり外見の劣化も呼び起こす原因にもなる。もはや身の回りに気を配る余裕すらなくなってしまうので、常にだらしがなく、上着でもボタンが外れていたり掛け違えていたりするのも判断できない。
ときどき、唾液を垂らしていることもあるが、やはり本人は気がついていない。激しい体臭でまわりが閉口するときもあるのだが、それも気がついていないようなのは、嗅覚がやられてしまうからなのだろう。
なぜ私がこうやって書くことができるかというと、アジアでそういう若者を多く見てきたからだ。
売春地帯に徘徊する奇妙で滑稽な言動の男が近づいてくると、女たちは露骨に顔をしかめてそれとなく姿を隠す。誰もがそんな男と関わりたくないと思っている。
薬物で身も心もボロボロに劣化した人の姿は、とても孤独な感じである。
http://www.bllackz.com/2010/11/blog-post_13.html
あの「クリスチーネF」が今も生きていることを知った 2010年11月1日月曜日
「クリスチーネF」という映画は、1981年の映画だが、私はずいぶん後になって見た。この映画を見て、私は思い出す女性があって泣いたことを覚えている。
タイに初めて行ったとき、ほんの少しの期間だけフランス人の女性と一緒に行動していたことがあったのだが、彼女はヘロイン中毒だった。
映画『クリスチーネF』
Heroes / Helden
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=mG6sXLQwlJU
この映画のクリスチーネFと同じように、目の下に青い病的な隈をつけ、乱れた髪で虚ろに遠くを見るしぐさが、あまりにも似ていて切なかった。
「ああ、彼女と同じだな」と思うと、この映画の内容が他人事ではなくなって、そのヘロイン中毒の描写に震えるほど恐怖を感じた。
この映画はドイツ映画だったらしいが、私は今までずっとフランス映画だと思い込んでいた。
恐らく長い年月の中で、映画の細かいディテールを忘れていき、映画と自分の原体験が混合してしまったのだと思う。
長期に渡って国外を放浪するバックパッカーなら誰でも知っているが、ヘロインもマリファナも覚醒剤も睡眠剤も、海外では何から何まで手に入る。
手に入るどころか、知らない間にそれを体内に入れていたりする。「ほら、お前が今食べたのはマジックマッシュルームだよ。どうだい? 効いてきたかい?」
海外の放浪で出会うのは、いつもそんな状況だ。だから、長期放浪者の誰もが麻薬に取り巻かれているし、いつしか麻薬と無縁ではなくなる人も多い。
長期間日本に戻らない経験のある人は、非常に怠惰か、それとも何かに没頭してしまう人か、そのどちらかのタイプが多い。
自転車で世界一周するだとか、アフリカを歩いて横断するとか、そういう極端な目標を持つ人も多いが、そういう人は没頭してしまうタイプに分類されるのだろう。
しかし、そういう健全な没頭は罪がなく清々しい。問題は、麻薬に没頭してしまう人もまったく珍しくないことだ。若い間はスリルに貪欲だ。進んで危険に飛び込んでいく。
私がタイで知り合ったフランス人の彼女もそうだったのかもしれない。
不幸なことに、当時のタイは欲しければ好きなだけヘロインを手に入れることができて、その気になれば3日もあれば完全なる麻薬中毒になれたはずだ。
恐らく今のタイなら手軽に覚醒剤中毒になれるだろう。アジアでもっとも覚醒剤中毒者が多いのがタイであろうと言われているくらいだから、その蔓延ぶりは半端ではない。
このブログを読んでいる人がもっとも多いのは、もちろん日本国内だが、その次がタイからのアクセスだ。
今もこの文章をタイで読んでいる人も間違いなくいる。そして、そこにいるのであれば、ヤーバーが簡単に手に入ることも知っているはずだ。タイは昔からずっとそういう国だった。
もしかしたら生きているかもしれない
私はヘロイン中毒のフランス女性と別れてから同じ場所を訪れていない。彼女が生きているのか死んでいるのか、確かめる術もない。
しかし、もう生きていないものだとずっと考えていた。
映画のクリスチーネFの実在の女性もまた激しいヘロイン依存できっと死んでしまっているのだろうと漠然と考えていた。
しかし、最近クリスチーネFがまだ死んでいないことを偶然に知った。クリスチーネの記事を探していたのではなく、たまたま彼女が記事になっていてそれを見つけたのだった。
Christiane Felscherinow
Christiane Felscherinow というのが彼女の本名だったようだ。当時の映画が「F」となっているのは、もちろん彼女が当時未成年だったからである。
彼女の近況の写真が載っていて、「更生していた彼女が再びヘヴィードラッグ(ヘロイン)に手を出している」と書いてあった。2年ほど前の記事だ。
子供もいるようだ。彼女が麻薬に手を出しているので施設が子供の面倒をみているようだが、子供自体はごく普通の生活をしているらしい。彼女は麻薬を子供に持ち込まなかったようだ。
探せば今現在の記事もあるのかもしれないが、何となく近況を知る気になれなくて、そのまま探さないでいる。深く知りたくないこともある。
一度、麻薬渦に飲まれた人はどんなに長く断ち切ることができても、やがていつかそれに戻っていくことになる。中毒者は、そういう環境を知っているし、世界を知っているし、そこに過去の自分がある。
知り合いも「類は友を呼ぶ」だろうし、身体も依存を覚えている。それは苦痛になる前は快楽だったのだから、強烈な印象が脳裏に刻まれていているのだ。すべての思い出が、麻薬を中心にして回っているはずだ。
父や母の想い出を捨てることが誰にもできないように、自分がのめり込んだ「それ」を捨てることは難しい。
だから、クリスチーネもまた依存と更生を何度も何度も往復することになるだろう。それによって失うものも大きいと思う。麻薬にとらわれた人は、何度も何度も麻薬に戻り、更生を期待していたまわりの人を裏切って、最終的にすべてを失っていく。
「だらしがない」「失望した」「もう関わりたくない」と多くの人に言われるだろう。しかし、彼女は生きている。それがとても重要だ。
思ったのは、クリスチーネが生きているのであれば、私がタイで知り合ったヘロイン中毒の彼女も生きているかもしれないということだ。
彼女がたまらなく懐かしい……。
http://www.bllackz.com/2010/11/blog-post.html
ヘロイン、コカイン、覚醒剤。1933年には、すべてが出揃った 2013-02-14
どんなに時代が変わっても、人はドラッグに取り憑かれる。
ドラッグが人生を破滅させ、肉体を破滅させ、精神を崩壊させる。それに取り憑かれれば、最終的には精神的にも肉体的にも廃人同様になってしまう。
そんなことは誰でも知っている。しかし、人はそれを「終わり」にすることができない。
かつて中国は、イギリスの東インド会社が持ち込んだ大量の阿片で、国中の人々が阿片中毒になった。この事実は歴史の教科書で覚えている人もいるかもしれない。
当時の中国は「清」の国だった。清はイギリスから大量に流れこんでくる阿片と、膨大に流出する銀(阿片の決済は銀で行われた)に業を煮やして、厳しい禁止令を出した。
しかし、それでも阿片貿易は止まらなかった。
1839年、清は阿片の貿易を強硬に禁止して、イギリスはそれを不服として中国に戦争を挑んだ。
これが阿片戦争だった。
1933年は人類の災厄が揃った年
阿片が国中に蔓延するのを防止しようとする清に対して、イギリスは強引にそれを認めさせようとしていた。
当時のイギリスは、まさに世界最大の「ポン引き国家」だったのである。
道徳的に考えると、清の方が正しい。ところが、清はこの戦争に破れていく。不平等条約を飲まされ、香港をイギリスに取られたのも、この戦争に負けてからである。
中国は「眠れる豚」になり、中国に残ったのは阿片中毒者だけだった。
この阿片文化は中国南部にも下って行き、東南アジアにも伝播してゆく。東南アジアの阿片文化は、中国からやってきて定着したものである。
さらに時代が変わると、その阿片が精錬されて結晶化し、ヘロインとして現在は世界を駆け巡るようになっていく。
ヘロインがはじめて売られるようになったのは1898年だが、その頃に問題になっていたのはモルヒネだった。
モルヒネと言えば、麻酔薬として今でも知らない人はいない薬だが、ここにヘロインが加わった。
さらには、コカインもまた同時期に開発されている。そして、トドメを刺すかのように、1933年にはベンゼドリン=覚醒剤が市販された。
1933年に覚醒剤は誕生したのだが、この1933年とはどんな年だったのか。
阿片に飲み込まれた中国。この阿片はやがてさらに純化されてヘロインへとなり、現代に流通している。
1933年というのは、「悪夢の年」だった
1933年は、ちょうどドイツでアドルフ・ヒトラーがドイツの首相に就任した劇的な年なのだ。
裏の世界ではヒトラーの首相就任とまったく同じ年に、覚醒剤が生まれ、阿片、ヘロイン、モルヒネ、コカインという、今でも現役の「ドラッグの王者」がすべて姿を現していた。
もしかしたら1933年というのは、人類にとっては後(のち)に巨大な災厄を生み出す「悪夢の年」だったのかもしれない。
ヒトラーは第二次世界大戦を引き起こして人類の歴史に大きな禍根を残し、ドラッグは今でも人類を蝕む巨大な害悪としてそこにあり続けている。
1990年代まで世界最大のドラッグ製造拠点は、タイ・ミャンマー・ラオス国境の「ゴールデン・トライアングル」だった。
現在では、アフガニスタンが世界最大のヘロイン輸出国となっている。
アメリカ大陸では、ラテンアメリカのコカインがメキシコを中継点にしてどんどんアメリカに流れこんでいる。
ドラッグ製造拠点は最貧国、ドラッグの消費拠点は先進国。ドラッグ・ビジネスは今も昔もグローバルな流れでビジネスが成立している。
北朝鮮が密かに覚醒剤やその原材料であるメタンフェタミンを精製して大量に日本に持ち込んでいるというのも同じ構図だ。
最貧国が売ることができる最大の輸出品は、紛れもなくドラッグである。
経済が破綻した国であればあるほど、ドラッグの輸出が重要な産業になる。
最貧国が手っ取り早く現金収入を得るには、ドラッグの原料となるケシを育てることだ。現在は、アフガニスタンが世界最大のケシ生産地になっている。
需要があれば供給がある
ある意味、諸悪の根源であるドラッグが拡散しているのは、すなわち国と国の「格差」が生み出しているとも言える。
ドラッグは法が整っていない国で作って、先進国に高く売るというのが最もシステマチックで利益が高い。だから、そのように発展している。
そうだとすれば、グローバル化がさらに進み、複雑怪奇に絡みあって暴走していく今後も、同じ災厄が続いていくということになる。
特に先進国に人々の視点では、常にドラッグを供給する貧困国側(アフガニスタンやメキシコ)が悪いということになる。
「アフガニスタンや、メキシコのせいで、先進国の若者が悲劇に巻き込まれている。やつらを何とかしろ」
誰のせいでドラッグが蔓延しているのかの問いに、先進国の人々は「それらを製造・密輸する後進国のせいだ」と答える。
しかし、それを求めているのは先進国であり、裏をかえせば先進国の問題とも言える。
需要があれば供給がある。
それは単純なビジネスの法則だ。ドラッグもまた例外ではない。先進国の人間が求めるからドラッグが蔓延しているという答え方もある。
1933年に出揃った強烈なドラッグは、これからも人間を虜にして破滅させて行く。ドラッグに大金を払う人間がいる限り、それはなくなることはない。
http://www.bllackz.net/blackasia/content/20130214T0328450900.html
世の中と投資の本質。「これ」に勝てる日本企業は1社もない 2013年3月31日
ドラッグに対する欲求というのは、人生を破壊するまでに強烈であることは誰でも知っている。それは危険なものであり、のめり込むべきものではない。
それは「悪いもの」であることは誰でも分かっているのだ。
しかし、ドラッグは世の中から無くなることはないし、使用者がいなくなることもない。
これだけ社会問題化し、危険が叫ばれ、誰もがそれを知っているのに、次から次へと供給され、堕ちていく人がいる。
また、ドラッグに関わる組織はメキシコを見ても分かる通り、巨万の富を得て、政府をも凌ぐ勢力になることもある。
ヨーロッパでもマフィアが、日本でもヤクザが各種のドラッグを扱っているが、やはりそこから巨大な富を吸い上げている。
堕ちてしまった人間は、人生のすべてをドラッグに費やす。それがどんなに高くても、どんなに有害でも、どんなに危険でも、もはや「それなし」にはいられない。どんなことをしてもカネを作って、自分の人生を破壊するものを買うのだ。
ドラッグと同じ作用を引き起こす物質
ドラッグは人間を虜(とりこ)にする。それ以外に何も考えられなくする。故に法律で厳しく禁じられ、それを所持するだけでも罰せられる。
逆に言えば、それくらいしなければならないほど強烈な作用があるのだ。
日本ではドラッグ依存者が街をさまよい歩いているような光景がないので他人事だ。
しかし、海外では精神の均衡を崩して発狂したまま街をさまよっているドラッグの依存者の姿を多く見る。
東南アジアでも、そんな人たちの姿がたくさんあるし、欧米でも珍しいものではない。
売春地帯では、自分の身体を安売りしても何とかカネを手に入れようとしている異様な女性の姿もあるし、こういった壊れた人たちを専門に買い叩く悪魔のような男たちもいたりする。
世の中には、人間を破滅させる物質はたくさんあって、私たちは日常生活をきちんと送るために、恐怖心と共にこういった世界と関わるまいと努力する。
しかし、覚醒剤やヘロインやコカインだけがドラッグではない。
この世には合法であっても、ドラッグと同じ作用を引き起こす物質がたくさんある。誰もが指摘するのは「タバコ」と「アルコール」だ。
タバコもアルコールも一度でも虜になると、精神的にも肉体的にも依存を引き起こす。そこから逃れられなくなり、中には依存症で苦しむ人も、病気になる人も出てくる。しかし、これらは合法なのである。
合法であるがゆえに、これらのドラッグ・ビジネスは当然、大きな儲けを企業にもたらす。たとえば、タバコ企業などその筆頭である。
どれくらい大きいのか。たとえば、日本で最も時価総額の高い企業はトヨタである。約16兆円だ。では、タバコ企業最大のフィリップ・モリス社はどうか。約15兆円である。
日本最大の企業と、タバコ会社の規模は、ほぼ同じなのである。
http://www.bllackz.com/2013/03/blog-post_31.html
音楽は人々を陶酔に導くが、それはすなわちドラッグの性質だ 2013-07-23
古代のキリスト教が禁止していたものがある。それはリズム性のある音楽だ。
アフリカではリズムのあるパーカッションで陶酔(トランス)状態に陥る黒人たちの姿はキリスト教徒にもよく知られていたが、音楽は古代のアニミズムを呼び起こす仕掛けになっているとキリスト教徒は考えたのだった。
実は、それは間違っていなかった。
音楽というのは、もともと麻薬性・呪術的な要素がある。何の音楽を聞いても、感情は高揚していく。どの音楽で感情が高揚するかは個人の趣味や思い出に関わっているから特定することは意味がない。
ロックが好きな人はロックを聞いてエクスタシーを感じるだろうし、ベートーベンが好きな人はそれで激しくドージング(麻薬投与)のような症状に陥るだろう。
バリで集団合唱をする異様な伝統的舞踊がある。ケチャ・ダンスである。ケチャの様式もまたそのような「麻薬音楽」を視覚化したものだ。あれはトランスを呼び起こす。
音楽とドラッグは、強く結びついているものだ
アメリカの軍人にとっては、「アメリカ国歌」が最高の麻薬音楽になる。また、軍歌・マーチ・突撃ラッパなどが随所に利用されていて、人間の精神を変容させる。
この精神高揚をさらに高めるために、軍は本物のドラッグも兵士に与えている。アメリカ軍では、デキセドリンという覚醒剤が使われている。
さらに、他にも得体の知れないドラッグを数種類も与えているようだ。その薬物の種類は分かっていないが、覚醒剤と似たような効用があるという。
音楽とドラッグの融合で、兵士は無意識に好戦的になる。
突撃ラッパについては、アメリカが現在のアメリカ合衆国として成り立つ以前から、ネイティブ・アメリカンを殺戮するときに高らかに鳴らされていた。
日本国軍もまた軍歌を唱和させて精神的効用を与え、ヒロポンという本物の麻薬(メタンフェタミン)で兵士を操っていた。
特にカミカゼ特攻隊という自爆攻撃に向かわせる際には、ヒロポンは欠かすことのできない薬だったのだ。
音楽と本物のドラッグというのは容易に結びつくもので、アメリカの1960年代後半のカウンター・カルチャーの時代は、ほとんどすべてのヒッピーがドラッグを常用していた。
当時のミュージシャンは、サイケデリック・ロック、アバンギャルド・ロックと言われるジャンルにいた。
サイケデリックの根本は、LSDがもたらす幻覚を音楽化、視覚化したものだった。この世にドラッグ・ミュージックというジャンルがあるとすれば、まさにこの時代のロックがそうだ。
当時のヒッピー時代のミュージシャンは、そのほとんどがドラッグに手を染めて、陶酔(トランス)を独自に表現しようとしていた。
Janis Joplin - Ball & Chain - Monterey Pop
http://www.youtube.com/watch?v=X1zFnyEe3nE
ジャニス・ジョプリンの史上最高の名曲「ボール・アンド・チェーン」
ドラッグ・パーティーには、無法地帯が必要だった
グレイトフル・デッド、ジェファーソン・エアプレイン、ジミ・ヘンドリックス、ジャニス・ジョプリン。
彼らは、すべてドラッグと音楽を融合させたミュージシャンだった。
ジミ・ヘンドリックスの代表曲と言えば、「ワイルド・シング」や「パープル・ヘイズ」だが、紫の煙とは何を指すのか。それはマリファナの煙だとみんな知っている。
ウッドストック・フェスティバルでは、マリファナもLSDも大量に出まわって、麻薬文化を後押しした。
ベトナム戦争では兵士がデキセドリンを与えられて狂ったようにベトコンを虐殺している間、アメリカ本土ではヒッピーたちがマリファナやLSDを消費していたということになる。
やがてヒッピー・カルチャーは、ドラッグ乱用で失速していくことになる。
ジミ・ヘンドリックス、ジャニス・ジョプリンは麻薬に溺れて若くして死んで行き、LSDに狂っていたチャールズ・マンソンがシャロン・テートを殺害して、ヒッピーカルチャーはゆっくりと自壊の道を辿った。
しかし、一部のヒッピーは麻薬における精神世界から抜け出ることを拒否した。
そして当時、ドラッグ大陸だったインドや東南アジアに目をつけて、ヒッピーの共同体をそのまま、インドのゴアやタイのサムイ島に持ち込んだ。
ゴアもサムイ島も、今と違って昔はアジアの辺境だった。ヒッピーの共同体とフリー・パーティ(ドラッグ・パーティー)には、無法地帯が必要だ。
アジアの辺境は、それに相応しい場所だったと言える。
ジミ・ヘンドリックス。ドラッグ文化を象徴する屈指のミュージシャンであり、今も時代を越えてその音楽性がリスペクトされている。
PURPLE HAZE JIMI HENDRIX LIVE AT MONTEREY POP FESTIVAL 1967
http://www.youtube.com/watch?v=JhI6EImeY_s
ジミ・ヘンドリックスの「パープル・ヘイズ」。このラフなスタイルとパフォーマンスは、後のロックに大きな影響を与えた。
音楽の歴史はドラッグの歴史。音楽こそがドラッグだ
1980年代でも東南アジアの辺境でヒッピー文化が味わえた。そこはまるで、無法地帯だった。
(コ・サムイ。かつてドラッグとセックスの無法地帯だった島)
http://www.bllackz.net/blackasia/content/20120127T1808020900.html
あの頃のサムイ島では、まるで時代が止まったかのように、CCRやジミ・ヘンドリックスがかかっていたのを今でもよく覚えている。
誰も彼らのサウンドをドラッグ・ミュージックとは言わなかったが、ドラッグがつきものだったのは誰もが知っていた。
なぜなら、その音楽はドラッグから生まれ、ドラッグの陶酔の中で聴くためにあったからだ。
そして、ディスコ時代、MTV時代、クラブ時代へと変遷する中でコカインが長らく使われ続けていたが、やがて主流に踊り出てきたドラッグがエクスタシーだった。
音楽のリズムに合わせるように首を振るとエクスタシーに導かれるので、中国では揺頭(ヤオトウ)とも呼ばれた。
エクスタシーは、1990年から地道に勢力を伸ばしていて、今やこのドラッグがもっともメジャーなのではないだろうか。
少なくとも東南アジアでは手に入るドラッグの中で、エクスタシーが一番の人気だ。現代社会には音楽は生活に欠かせないものになっているが、エクスタシーは音楽と親和性が高く、それゆえに好かれ続けている。
信じられないが、ドラッグを所持しているだけで死刑になるシンガポールでさえ、売春女性がエクスタシーを持っている。
エクスタシーはエクスタシーで陶酔したいというよりも、それで音楽を陶酔に結びつけたいという種類のドラッグであり、音楽が欠かせない。
マリファナも、レゲエと深く結びついている。レゲエはマリファナがないとその精神性を理解できない音楽でもある。
(マリファナは武器ではない。ボブ・マーリーが訴えていたこと)
http://www.bllackz.net/blackasia/content/20130405T0110230900.html
こう考えると、音楽の歴史はドラッグの歴史であることが見えてくるはずだ。
ドラッグの代用ともなる陶酔(トランス)を表現しない音楽、ドラッグを知らない音楽家は、人の心を陶酔に結びつけることがないということなのかもしれない。
逆に言えばこうだ。音楽こそがドラッグなのだ。
それを分かっていないミュージシャンは、音楽の本質を知らない「まがいもの」であると言われても仕方がない。
Bob Marley - Get up, stand up 1980
http://www.youtube.com/watch?v=F69PBQ4ZyNw
ボブ・マーリーの名曲「Get Up, Stand Up」。「牧師さんよ、天国が地面の下にあるなんて言うなよ」と痛烈に宗教を批判する。このトランスの中での宗教批判の意味が、あなたには分かるだろうか。これが、かつてのキリスト教徒が恐れていたものだ。
http://www.bllackz.net/blackasia/content/20130724T0012200900.html
死刑判決を受けた竹内真理子。マレーシアに4キロの覚醒剤 2013年3月29日金曜日
マレーシアでひとりの女性が覚醒剤を4キロも持ち込んだとして逮捕されたのは2009年10月のことだった。
竹内真理子容疑者、35歳。
誰もが知っていることだが、東南アジアで麻薬の持ち込みは無期懲役か死刑かのどちらかになってもしかたがないほどの重罪である。
覚醒剤を4キロと言えばもはやプロの密輸と同じ量であり、そのニュースを見たとき、これは冤罪が証明できなければ間違いなく死刑になるケースだと感じた。
それから2年後の2011年10月25日、彼女は大方の予想通り、死刑を宣告された。
ドラッグ・ミュール(麻薬の運び屋)
彼女は「荷物の中身は知らなかった」と無罪を主張しているが、残念ながらそれは通らない。
なぜなら、ドラッグ所持で逮捕された密売人は100人中100人が同じことをいうからだ。
これだけ麻薬に対して世界各国が目を光らせている事情があって、35歳にもなる女性が「中身は知らなかった」など、そんな言い訳が通るはずもない。
しかも、荷物の底にそれを隠していた。携帯電話も4つ持っていた。状況証拠を見て判断すると、どう考えても彼女の言い分は不可解だ。
荷物の「底」に隠しておいて、それは「預かっただけ」で、「中身は知らない」のだが、中身を知らないのになぜ荷物の底に隠しておくのだろうか。しかもなぜ、携帯電話を4つも所持する必要があるのか。
明らかに彼女は自分のしていることを知っていた。それが説明できないから死刑判決なのである。彼女は上訴する方針だと言うが、おそらく死刑は覆らないだろう。
彼女の最終目的地だったのは、もちろん日本である。
彼女はクアラルンプールを経由地に選んだが、恐らくそれが一番審査が「甘い」と見越して選んだのだと思う。
竹内真理子被告。
2011年10月25日、死刑判決。
所持していたカバンは3つ。このカバンの底に隠していた。
運んでいた麻薬。
元看護婦はこれを見ておかしいと思わないのだろうか。
覚せい剤密輸、日本人元看護師に死刑
「裁判所は竹内被告が“中に何が入っているか”知った上でスーツケースを運んでいたと信じ込んでいる。しかし彼女は何も知らなかったのです」(竹内被告の弁護士)
竹内被告は判決に先立ち、拘置所内でJNNの取材に応じた際も、スーツケースについて、「ドバイで外国人の男から預かったもので、覚せい剤が入っているとは知らなかった」と話し、密輸の認識はなかったと強調しました。
男とは東京で知り合った後、ビジネスクラスのチケットをプレゼントされてドバイへの旅行に誘われ、帰国の際、「友達の荷物を代わりに持っていってほしい」と頼まれたといいます。
クアラルンプールは10年前から麻薬ルート
ドバイークアラルンプールというのは、まさにドラッグ・ミュール(麻薬の運び屋)が使うルートであり、しかもマレーシアこそがそのドラッグ・ミュールの本場であることはよく知られている。
大量のマレーシア女性がドラッグ・ミュールに仕立て上げられて逮捕されている。
マレーシア政府は自国女性が片っ端からドラッグ・ミュールとして利用されている状況を知っているので、女性の渡航が奇妙であれば必ず監視に入る。
マレーシア税関もそれを見越して特別に警備しているところを彼女が飛んで火にいる夏の虫になったということになる。竹内真理子容疑者はそれを知っておくべきだった。
4キロの麻薬を用意して、かつ国際的に売買できる力があるのは、送り手も受け手も「マフィア」である。
彼女は東京で外国人の男と知り合い、ビジネスクラスのチケットをプレゼントされて、ドバイに行き来していた。これは典型的なドラッグ・ミュールの手口である。
彼女そのプレゼント渡航を何度も繰り返している。すなわちカネで引き受けていたということに他ならない。
たとえば、1回で成功報酬が50万円だったらどうだろう。彼女は少なくとも6回は成功させている可能性がある。旅行するだけで300万円を稼いだことになる。
カネに困っていたり、イージー・ビジネスを常に考えている人間の中には危険を承知で引き受けることもあるのかもしれない。
「国境越え」のテクニック
ドラッグ・ミュール(Drug Mule)とは、直訳したら「麻薬のラバ」「薬物を運ぶラバ」という意味だが、その意味するところは「麻薬の運び屋」である。
麻薬シンジケートは、使い捨てにする麻薬運搬人を常に探していて、彼らを「ドラッグ・ミュール」もしくは複数形で「ドラッグ・ミューズ(Drug Mules)と読んでいる。
コカイン・ヘロイン・覚醒剤等の麻薬が世界中に流通しているが、麻薬組織(ドラッグ・シンジケート)の大きな課題として、どのようにして国から国へトラフィックするかという点にある。
逮捕されるとすれば、この「国境越え」がもっとも危険な箇所であり、ここに麻薬ビジネスが成功するかどうかの鍵がある。
一方で迎え撃つ側、税関もまたここが「最後の防波堤」だ。ここをすり抜けられたら国内では麻薬がフリーパスで出回る。
空路・水路・陸路のそれぞれが麻薬運搬のターゲットではあるが、空港経由で持ち運ばれて発覚するケースがもっとも多い。
逆に言えば、「空港経由」がもっとも麻薬組織には割が合わないルートに思える。
しかし、それが相変わらず使われるというのは、逆説的だが、成功している例も数多いからだと考えることもできる。
飛行機で運び、そのまま空港を通りぬけさえすればいい。たったそれだけだ。多くの旅行者に紛れ、そのまま税関を抜け出せばいいだけだ。
隠蔽例の具体例
かくして、様々な隠蔽が画策されるようになった。どういう例があるのかと言うと、以下を見てほしい。
・服の下に麻薬バッグを巻きつける。
・コンドームに詰め、膣内・直腸内に隠す。
・コンドーム(特殊カプセル)に詰め、飲み込む。
・キャリーバッグの底を二重にして隠す。
・シャンプーの中に混ぜて隠す。
・洋酒に混ぜて隠す。
・ピーナッツバターに詰めて隠す。
・ジャムの中に詰めて隠す。
・マリファナをタバコに詰めて偽造。
・コーヒーで濡らしたタオルにくるむ。
・細工した靴底に隠す。
・石像内部に隠す。
・宅急便(もしくは郵便)で送る。
・ハンガーをくりぬいて隠す。
・チーズに混ぜて隠す
・下着に隠す
・カメラ三脚の棒に隠す。
・パソコンの中に隠す。
・靴下に隠す。
・石鹸の中に隠す。
・ギブスの中に隠す。
・ペットの体内に隠す。
同じようにやろうと思う人もいるかもしれないが、上記はすべて逮捕された運搬人の例だ。
手口としてはすでに把握されているわけであり、逮捕されるのかされないのかは時の運になる。
体腔に隠す手口が一番確実なようで、それが手軽にできるのが女性の膣を使う方法だろう。
ドラッグに関心のある女性が、それで自分用の麻薬を運搬をしていることもあれば、コカインを500グラムも詰め込んで逮捕された女性もいる。
それでも500グラムだが、竹内真理子容疑者の場合は4キロである。それがどれほどとてつもない量なのか考えて欲しい。
麻薬を隠したギブス
麻薬を埋め込まれたペット
麻薬パット入りブラジャー
麻薬を隠蔽していたバッグ
足に麻薬が巻きつけられていた
麻薬の入ったカプセル
マレーシアの女子学生とフェイスブック
ところで、BBCが若いマレーシア女性が「ドラッグ・ミューズ」として大量に逮捕されているという記事を出している。
タイトルはこうだ。「フェイスブックで、麻薬の運び屋の少女がリクルートされている」
そして記事の内容は、若干衝撃的なものである。
「1991年以来、海外で逮捕されたマレーシア人1560人のうちの785人は麻薬の運び屋になったことで逮捕されていて、そのうち149人は女性だった」
「そして、これらのうち70人は違法ドラッグを持ち込んだことによって、死刑が宣告されている」
フェイスブックを使う同国の女子学生などが麻薬組織の高い報酬に釣られて麻薬の運び屋になってしまっているということだ。
マレーシアでも学生の間でフェイスブックが非常に流行っていて、国際調査企業TNSの先月のレポートによると、「フェイスブックで多くの友人を持つマレーシア人は、5億人以上のプロフィールの会員を見ることに一日平均9時間を費やしている」のだという。
政府関係者もそれを把握している。
「ソーシャル・ネットワーキング・サイトのフェイスブックは、国際麻薬組織には麻薬の運び屋としてマレーシア女性をリクルートする格好の場所となっているようだ」
「多くの被害者はフェイスブックを通して親しくなっている。フェイスブックでは良い友だちを装うことができる。しかし、それはとても危険な友達なのだ」
「多くの被害者はアフリカ系のシンジケートメンバーと親しくなっていたようだ」
これらのシンジケートの一員は被害者と親しくなったあと、ホリデーに誘い出す。たとえば、中国・日本・ラテン・アメリカなどだ。
そこで、旅に使うポケットマネーとして1000ドルを使わせて運び屋になることを提案してくるのだという。
「ドラッグの運び屋になる状況は、悪いというよりも、最悪という方向に転がっている」とマレーシア政府は認識している。
今はマレーシア女性がターゲットだ。しかし、その手口が知られるようになったので、何らかの形で竹内真理子容疑者が「使われた」のだろう。
ちなみに、他にも関空ではナイジェリア経由の覚醒剤密輸が6件発覚しているという。ナイジェリアのマフィアは、女性を恋愛で落として、彼女たちをドラッグ・ミュールにしているようだ。
日本の報道ではこれを「ラブ・コネクション」と表現している。
マフィアは竹内真理子を利用し、彼女もまたカネでマフィアを利用し、結局彼女が逮捕されてツケを払っている。そういう構図が見えてくる。
http://www.bllackz.com/2010/12/blog-post_03.html
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中川隆 _ カルト・国際麻薬組織 関係投稿リンク
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/460.html
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- 「覚醒剤」 (議論板へのリンク) 中川隆 2016/12/14 19:40:19
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