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元米中央情報局(CIA)スタッフ、エドワード・スノーデン(Edward J. Snowden)氏のリークによって、米国家安全保障局(NSA)の情報監視プログラムが世界的に知られるようになった。
当初、テロリストの追跡やネットーワークを把握するために、通話記録やネット上の通信に関する情報を集めているだけと見られていた。しかし、その後、次々と公開された機密文書から、アメリカの同盟国であるドイツやフランスの市民でさえも標的となっていたことが明らかになった。当然、両国では、そうした情報収集への反発が強まっていて、人権団体や市民グループを中心として対米批判が繰り返されている。
だが、その一方で、一連のリークによって分かったことは、通話記録やネット上の通信に関する情報が有用なソースとして活用できる可能性が大いにあるという事実である。
実際、こうした認識は、アメリカを批判しているドイツやフランスであっても例外ではなく、ドイツは1億ユーロ(約126億円)を投じて、ネット上の情報監視を強化する計画に取り組む意向であるし、フランスもまた、このほど、上下両院において、通話記録やネット上の通信データにアクセスする政府の権限を拡張する法案が可決されたところである。アメリカへの批判と情報能力の強化を分けて考える両国政府の姿勢は、なかなかのリアリズムだと言うべきであろう。
ただ、10日、AP通信が伝えたところによると、フランス国内では、この法案について、「やりすぎだ」として批判する声が強まっているようである。
今回、可決された法案は、テロリズム対策を担当する情報機関だけでなく、金融などを扱う政府機関に対しても、そうしたデータへのアクセスを認めるものである。また、「メタ・データ(meta data)」のほかに、ウェブサイトやクラウド上にある情報を収集することも視野に入れられている。
フランス政府としては、近年、高度な技術を用いるテロリストや犯罪者に対処していくためには、こうした権限の拡張が必要であるとし、「国家保安傍受統制委員会(National Commission for Control of Security Inteceptions)」や「コンピューター使用と自由に関する国家委員会(National Commission on Computing and Freedom)」といった監視機関を通じて、通信監視の合法性がチェックされると説明している。
ジャン=イヴ・ル・ドリアン(Jean-Yves Le Drian)国防相もまた、「工作上の効果と・・・自由の尊重とのバランスを取ろうとしているように思われる」とコメントし、同法案への理解を求めているが、ネット社会の自由を求める人たちの間からは、「監視体制を作るものだ」として反発が広がっている。
なお、同法案は、上下両院での修正内容に食い違いが見られたことから、10日から再審議にかけられている模様である。
【関連記事】
"French bill to expand spying powers is criticized"
Washington Post, December 10, 2013.
フランス、政府による情報監視の権限拡張に反発の動き Intelligence News and Reports
http://blog.livedoor.jp/intel_news_reports/archives/34801474.html
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