http://www.asyura2.com/12/kokusai7/msg/777.html
Tweet |
ドイツ大連立、与党と最大野党が合意 12月中旬にも発足[日経新聞]
2013/11/28 0:30
【ベルリン=赤川省吾】ドイツの新政権が12月中旬に発足する見通しとなった。メルケル首相が率いる保守系与党と最大野党の社会民主党(SPD)が27日、大連立政権の樹立で合意した。雇用政策などで規制がやや強まるものの、経済・財政政策の基本は維持される。ただ、2カ月の連立交渉の末にまとまった政権公約は妥協の産物で、せめぎ合う2陣営がどこまで蜜月関係を続けられるか疑問視する声もある。
9月22日の連邦議会(下院)選挙でメルケル首相が率いるキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)は第1党の座を維持したが、過半数には達しなかった。連立相手だった自由民主党(FDP)も惨敗したため、連立組み替えを模索。最大野党のSPDに与党入りを打診し、2カ月間、連立協議を重ねてきた。
両陣営が最終合意したのは27日未明、185ページに及ぶ「連立合意書」がまとまった。「健全財政、豊かな生活、社会的な公平の3つが達成できる」。前夜から17時間に及んだ討議を終え、記者会見に臨んだメルケル首相は胸を張った。
妥協のあとは随所に見える。「格差是正」を掲げ与党入りするSPDは低賃金労働を大幅に規制するという成果を勝ち取った。時給8.5ユーロ(約1170円)の法定最低賃金を15年から段階導入することや、非規制雇用の待遇改善が決まった。
一方で、SPDの選挙公約の目玉だった「中高所得者への増税」は保守陣営の抵抗にあって撤回せざるを得なかった。増税見送りは経済成長にプラスだが、最低賃金の導入だけで格差是正が実現できるのかは見えない。
この合意書が、12月中旬に実施するSPDの党員投票で承認されれば、17日に3期目のメルケル政権が発足する運びとなる。
選挙終了後、連立交渉に2カ月間を要した背景には、SPDが左派色の濃い政策を保守陣営に求めたことがある。SPDは2005〜09年の第1期メルケル政権で与党入りした際に独自色を出せず、その後の選挙で惨敗した反省から伝統的な左派政党への回帰を有権者に訴える必要があった。
一方、保守陣営には、選挙に勝ったにもかかわらず大幅な譲歩を迫られるとの警戒感があった。それでもキリスト教的な価値観を重んじるメルケル首相は、弱者への配慮など左派的な政策に理解を示す。記者会見でも「適切な妥協だった」と振り返った。
SPDが与党入りすれば、野党が多数派を占める連邦参議院(上院)の運営が容易になる。「ねじれ国会」が解消するとの判断もあり、最終的に合意が成立した。
交渉の過程で透けてみたのは、両陣営とも「好調経済の邪魔をしない」という姿勢。途中で何度も書きかえられた連立合意書だが、冒頭の「国際競争力がある経済を維持する」という表現は最初から変わらなかった。
金融市場や雇用制度では規制がやや強まるが、経済政策の大きな転換はしない。健全財政も維持する。そんな新政権の姿勢にとりあえずドイツ経済界は安堵するが、負担増への警戒感は消えていない。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM2704D_X21C13A1FF1000/
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。