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アメリカの2情報機関、CIAとNSAはSCSという情報収集活動で協力関係にあり、大使館を活動拠点として使っているとシュピーゲル誌は報道している。同誌によると、拠点の数は全世界で約80カ所におよび、そのうち19カ所はヨーロッパだという。
大使館をアメリカが情報収集活動の拠点にしていることは以前から知られている。マイクロ波のネットワークが張り巡らされた大都会に大使館はあり、相手国 も手を出せないからだ。国際通信を傍受するためには、海底ケーブルへ装置を接続したり、通信衛星の信号をアンテナでキャッチする方法もあるが、地上のマイ クロ波を監視する方法が最も容易だということもある。
大使館にマイクロ波傍受設備を設置しているのはアメリカだけでなく、UKUSAの仲間も同様。内部告発者のマイク・フロストによると、NSAの圧力でカ ナダ大使館は1971年からマイクロ波の傍受を実施、通信傍受に関する本を書いているニッキー・ハガーはオーストラリアのDSDも大使館での傍受を行って いるとしていた。
GCHQを抱えるイギリスには、メンウィズ・ヒル基地という大きな通信傍受の施設が存在する。イギリスの電話会社のマイクロ波ネットワークや通信用の ケーブルとつながっていて、衛星や無線による通信を傍受し、スパイ衛星の基地としても機能していることをジャーナリストのダンカン・キャンベルは1980 年に伝えている。(Duncan Campbell & Linda Melvern, ‘America's big ear on Europe,’ New Statesman, 18 July 1980)最近、この基地は無人機の作戦に関係しているともいう。
そのほかオーストラリアのパイン・ギャップ、2004年まで稼働していたドイツのバッド・アイブリングも有名。かつて日本の上瀬谷通信施設も知られてい たが、今では三沢基地が拠点になっているようだ。日本だけでなく、中国をはじめとする東アジアの通信傍受でこの基地が中心的な役割を演じているはずだ。
通信衛星をターゲットにした傍受基地としては、イギリスのモーウェンストー基地、アメリカのヤキマ基地、シュガーグローブ基地、香港にはGCHQの基地 があった。香港が中国へ返還されることになると、オーストラリアのショール・ベイ基地へ移動したと言われている。三沢基地の重要度も高まった。1990年 前後にはニュージーランドのワイホパイに基地がつくられ、オーストラリアのジェラルトン基地も加わり、アフリカ大陸の西にあるアセンション島にも傍受基地 が建設された疑いもある。
UKUSAとはアメリカのNSAとイギリスのGCHQが中心になって組織された電子情報機関の連合体で、カナダのCSE、オーストラリアのDSD、 ニュージーランドのGCSBが協力している。米英以外の3国の場合、自国政府ではなく、アメリカやイギリスの情報機関の命令で動いている、つまり「国家内 国家」として機能している疑いが濃厚である。
例えば、1972年にオーストラリアで労働党のゴフ・ホイットラムが首相に就任すると情報機関にメスを入れる動きを見せ、パイン・ギャップを閉鎖するの ではと米英両国は恐れた。そして1975年、イギリス女王エリザベス二世の総督、ジョン・カーはホイットラム首相を解任するという行動に出た。ニュージー ランドの場合、1984年に労働党で反核政策を掲げていたデイビッド・ラングが首相になると内閣の指揮下から離れていた。
NSAやGCHQをはじめ、UKUSAの電子情報機関が各国政府を監視しているということは有名な話。何度か書いたことだが、ランパート誌の1972年 8月号に掲載された記事の中で元NSA分析官はNSAが全ての政府を監視してると語っている。アメリカとEUとの関係がエドワード・スノーデンの内部告発 で険悪になるというのも奇妙な話なのである。ドイツなどEU側は自国民の反応を見ながらアメリカとの関係悪化を演出しているだけではないかという気もす る。NSAのキース・アレキサンダー長官は、EUで収集した情報はEU各国の情報機関と共有していると下院情報委員会で語っているが、おそらく本当だろ う。
米国が大使館を情報収集の拠点にし、各国政府を監視していることは昔から有名で、何を今さら
櫻井ジャーナル
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201310310001/
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