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サウジアラビア当局は、運転禁止に抗議するために女性たちが10月26日に計画していた車の一斉運転を尊重するべきであった。
この運転キャンペーンは、政府に対し運転禁止を解く命令を出すよう要請するものであった。女性たちはキャンペーンの一環として、一斉運転以前から、車を運転しその様子を撮影した映像をYouTubeに投稿してきた。これまでに、少なくとも35人の女性が参加している。
その一人、エマン・アル・ナフジャンさんは10月10日、リヤドで別の女性が車を運転する様子を撮影しているときに警察に拘束され、二度と「罪」を犯さないという誓約書に署名をさせられた.
内務省は10月23日、このキャンペーンを推し進めるなら、当局は「しっかりと力で対処する」と警告した。
運転禁止は女性に対する屈辱的な差別で、直ちに排除するべきである。当局がこのキャンペーンを企画した活動家たちを妨害してきたことは、まったく受けいれられない。当局は女性たちの抗議活動を押さえつけるのではなく、車を運転しただけで女性が逮捕されたり罰せられたりすることがないよう、直ちに運転禁止を解除するべきだ。
キャンペーンに参加している女性活動家の1人は、アムネスティ・インターナショナルに次のように話した。
「これは私たちにとって当然の権利です。最も基本的な権利であり、私たちの活動の自由につながる。(運転する権利は)女性に自信を与え、自分の人生を自分でコントロールする力をもたらすのです」
現在、サウジアラビアの女性は移動という単純な行動を、日々、男性に頼らざるをえない。運転禁止令を解くことで、女性が仕事場や大学まで車で行くことができ、母親たちは子供たちを学校へ連れて行くことができるようになる。
サウジアラビアは女性の車の運転を認めない、世界で唯一の国である。21世紀だというのに、女性が合法的に運転する権利を否定し続けることには驚くばかりだ。女性の運転を禁止する法律はないが、1990年の省令により慣習的に続いてきた禁止が正式なものとなっている。その結果、運転すれば女性は逮捕されてしまう。
そして運転禁止は、サウジアラビアの女性が与えられていない基本的な権利の一つにすぎない。近年、限定的ではあるが、前進はなくもなかった。それでもいまだに、女性は法律とその執行面で厳しい差別に直面し続け、家庭内暴力や、ほかの性差別に基づく暴力から十分には保護されていない状況にいる。結婚と離婚に関する差別的規則により、暴力的で虐待的な関係から逃れられない女性たちもいる。
サウジアラビアに普及している後見人制度により、結婚、ほとんどの国外旅行、特定の種類の手術、就業、高等教育の受講などの際には、男性の保護者の許可が必要とされている。
2013年8月に、家庭内暴力を違法とする法律が初めてサウジアラビアで発布された。 だが、自由な活動に対しさまざまな規制がある中、女性がどのように家庭内暴力を報告していけるのか、まだわからない。
こうした規制がはびこり、社会的な「適職」が限られているため、高等教育を受けた女性の数が増加しているにもかかわらず、多くの女性にとって仕事を見つけることは難しい。
人権理事会の普遍的定期審査に対して、サウジアラビアの代表団は、自分たちの法律は女性を差別していないと繰り返し主張した。その主張をした同じ週にこのキャンペーンがあった。
「わが国の制度には、男性と女性の区別はありません」―代表団のメンバーで、国王の諮問機関シューラ評議会の人権委員会のメンバーでもある女性委員の言葉である。
アムネスティ国際ニュース
2013年10月24日
http://www.amnesty.or.jp/news/2013/1031_4260.html
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