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2013年10月23日 [国際事務局発表ニュース]
1人のロシア系男性が殺害された事件を受けて警察は10月14日、モスクワの市場で掃討作戦を行い、1200人を越える移民を恣意的に逮捕拘束したという。ロシアでは警察の差別的で過剰な取り締まりが絶えないが、今回の事件もその一例である。
アゼルバイジャンの男性が殺人の容疑者だと名指された。この殺人が、週末にかけての移民を標的とした大がかりな騒乱の火付け役となったのである。
1人の殺人容疑者の捜索で千人以上もの移民を無差別に拘束したロシアの警察のやり方は、きわめて差別的で、まちがいなく違法である。
これは明らかに見せしめのためで、正当化できる法的根拠は何もない。このような警察の対応は、拡大する外国人嫌悪の傾向に迎合し、それを煽るものでしかない。イエガー・シェルバコフさん(25歳)が刺殺された事件が発端で、これに腹を立てた群衆が、13日モスクワのビリュリョヴォ地区で騒乱をひき起こした。犯人が中央アジアかコーカサス出身かもしれないと言われていたためだ。
群衆は移民たちの家の窓を破り、店に放火し、屋台にナチスのカギ十字を塗りたくった。
こうした事件はモスクワでは日常的な光景になっているが、ヘイトクライム(憎悪犯罪)はほとんど警察に見逃されている。
移民のなかには、路上で極右の自警団に襲われ、移民許可証を出せと脅された人も多いが、当局はほとんど黙認している。
このような顕著な外国人嫌悪の背景には、先月のモスクワ市長選で、いずれの陣営も選挙戦の中心に反移民政策を置いていたことが火に油を注いだということも言えるだろう。
逮捕された移民の一部はすでに釈放されているが、行政拘禁や罰金刑が科される人もいるだろうし、強制退去させられる人はさらに多いだろう。
ロシアでは、人種差別の問題が拡大している。当局は、ロシアの政界にはびこり、社会に誤ったメッセージを送っている外国人嫌悪の発言を規制し、ヘイトクライムの問題に対処するべきである。
アムネスティ国際ニュース
2013年10月15日
http://www.amnesty.or.jp/news/2013/1023_4244.html
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