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社説:迷走するベネズエラ政府
2013年10月16日(Wed) Financial Times
(2013年10月15日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
ベネズエラ大統領選、マドゥロ氏が勝利
「特別な権限」を手に入れようとしているニコラス・マドゥロ大統領〔AFPBB News〕
ウゴ・チャベス前大統領は6カ月前に死去したが、ベネズエラ国民はまだ前大統領が残した破滅的な遺産に苦しんでいる。政府の難解な外資規制のせいで、店頭では生活必需品が不足している。
インフレが昂進して50%に迫る一方、財政赤字が減る兆しは一向に見えてこない。ベネズエラに社会主義をもたらすことを夢見たチャベス氏は、社会的、経済的な悪夢をもたらした。
チャベス氏の後継者でカリスマ性を欠くニコラス・マドゥロ大統領は、新たな解決策を何も提案できずにいる。マドゥロ氏は昔ながらの「チャビスモ」を繰り返し訴え、「ファシスト」の野党と米国がベネズエラ経済を妨害していると非難した。
マドゥロ氏は議会に対して、大統領令によって国家を運営できるようにする「特別な権限」を求めている。統一社会党(PSUV)が議会で圧倒的な多数を獲得していることから、同氏はこの権限を確保できる見通しだ。
マドゥロ大統領の新たな権限はベネズエラの古い問題を解決しない
マドゥロ氏の思い通りになった場合、同氏が新たに手に入れた影響力を乱用するとの正当な懸念がある。ベネズエラ国民は12月、地方議会選挙のために投票所に向かう。今春の大統領選挙では、不正の蔓延にもかかわらず、野党連合がマドゥロ氏を破る寸前まで行った。マドゥロ氏は必死になって野党のさらなる躍進を阻止しようとするはずだ。
また、マドゥロ氏が特別な権限を使って経済改革を行う可能性も低い。同氏は今年、今ほど厳しくない新たな外貨規制を導入すると約束した。実行すれば、公式市場で著しく過大評価されている通貨ボリバルの切り下げの引き金を引くことになる。ベネズエラのドル建て原油収入をボリバル建てに換算した時の価値が高まるため、この対策は財政赤字の削減に貢献する可能性がある。
だが、少なくとも短期的には、通貨切り下げはインフレを加速させる。このため、マドゥロ氏が12月の選挙前に公約を果たす可能性は低いだろう。PSUVの強硬派がいまだにカラカスで大きな影響力を保っているため、その可能性は特に低くなる。最近、改革派のネルソン・メレンテス財務相が更迭され、後任に石油相のラファエル・ラミレス氏が就いたことは、その兆候だ。
マドゥロ氏は、十分な強硬姿勢を示さなければ、自党の左派勢力が次に自分を解任することを恐れるかもしれない。だが、カラカスでは不満が募っている。今なお多額に上る原油収入が政府を下支えできる期間にも限界がある。いずれは有権者が、PSUVの経済的なアマチュアリズムについて本当にどう思っているのかを知らしめることになるだろう。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/38929
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