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【モスクワ=石川陽平】ロシア中部キーロフ州の地区裁判所は18日、反政権派野党勢力の有力指導者アレクセイ・ナワリニー氏に、森林売却に絡む横領の罪で禁錮5年の有罪判決を言い渡した。汚職追及などプーチン政権への批判を続ける同氏の政治運動を封じ込めたい政権の意向が働いたとの見方が多い。大型の政治事件でロシアの民主化が遅れ、投資環境への懸念も強まりそうだ。
ナワリニー氏が有罪判決を受けたのは、キーロフ州の国営林業会社による2009年の木材売却を巡る事件。判決は、州知事の顧問だった同氏が大量の木材横領の犯行を組織し、1600万ルーブル(約5000万円)の損害を州に与えたとした。判決で50万ルーブルの罰金も科され、身柄を拘束された。
事件について、ナワリニー氏の弁護士は「政治的性格を持つ」として政権が司法に影響力を行使したと批判。無罪を主張し、控訴する考えだ。同氏は11年末に大都市で始まったプーチン大統領の辞任を求める大規模なデモの中心的指導者で、政権の汚職を追及するブロガーとして知られる。
ナワリニー氏は18年の次期大統領選への出馬も表明。「反プーチン運動を盛り上げられる唯一の活動家」とみなされていた。今後有罪が確定すれば、被選挙権を失う。
9月8日投票のモスクワ市長選にも立候補していたが、同氏の選対本部は有罪判決を受け暫定的に立候補を取り下げた。
選対本部はロシアの独立系テレビに対し、有罪判決への抗議運動の拠点として活動を続ける方針を明らかにした。ナワリニー氏も17日付のロシア紙で事件について「選挙運動や資金集めの可能性を奪う目的だ」と主張。反政府運動を続ける考えを示していた。
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独立系調査機関レバダ・センターが6月に実施した世論調査の結果によると、44%が政府高官の汚職を非難するナワリニー氏や彼の支持者の「口封じ」が事件の目的だと答えた。同氏の汚職や横領を罰するためだとの答えは23%にとどまった。
政治評論家のリリヤ・シェフツォワ氏は「今回の事件でプーチン政権はどこまで政治的抑圧が可能かを試そうとしていた」と分析する。政権は沈静化させた大都市の「反プーチン運動」が再燃したとしても一時的なものにとどまると判断。反政権派の評判を落とし、政権基盤を一段と強固にできるとみているようだ。
ロシアでは今回のナワリニー氏の問題以外にも、政権と野党勢力を巡る「政治事件」が相次いでいる。西部ヤロスラブリ市のウルラショフ市長は7月2日深夜、捜査機関に拘束され、収賄容疑で起訴された。同氏は政権与党・統一ロシアの候補を選挙で破って2012年4月に就任していた。
03年に多額の横領などで逮捕、起訴され、服役中の石油大手ユーコスのミハイル・ホドルコフスキー元社長らに対する新たな捜査も開始。刑期が延びる可能性が指摘されている。
プーチン大統領は11日の国営テレビとのインタビューで「法の枠内で活動している限り、どの野党も正しく、有益だ」と強調。野党勢力の違法な活動は厳しく取り締まる姿勢をにじませた。様々な利権も絡む地方や連邦レベルの選挙を控え、政権による内政の管理が一段と強まりそうだ。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM1803U_Y3A710C1FF1000/?dg=1
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