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スパイ活動は通常業務 米欧関係、悪化避けよ:目的はともかく違法行為の共同正犯(オバマ氏やキャメロン氏)を裁くのも通常業務
http://www.asyura2.com/12/kokusai7/msg/553.html
投稿者 あっしら 日時 2013 年 7 月 09 日 01:56:27: Mo7ApAlflbQ6s
 


[FT社説]スパイ活動は通常業務 米欧関係、悪化避けよ

 「国家に永遠の味方はいない。あるのは永遠の国益だけだ」。英首相を2度にわたって務めたパーマストン卿はかつてこう語った。これは165年後の今でも変わらないようだ。米国が欧州連合(EU)など同盟国・地域の施設を盗聴していた疑いが明らかになったことに衝撃を受けるべきではない。友好国へのスパイ活動は何千年も続いてきたではないか。

 米中央情報局(CIA)元職員エドワード・スノーデン容疑者が明らかにした今回の問題を巡り、欧州市民の間で怒りが高まるのは的外れだ。友好国を標的にした監視活動が通常業務にすぎないことは、これまでも多くの例が示している。

 20年前には、米国が通商協議のさなかにフランス当局に対してスパイ行為を働いていたことが発覚。イスラエルは親密な同盟国である米国から軍事機密を盗むため、米政府のアナリストだったジョナサン・ポラード氏をスパイに採用した。フランスと英国も情報機関を使い、他のEU加盟国に対する情報収集や分析を行ってきた。

 米国の監視活動の疑いが明らかになったからといって、米欧自由貿易協定(FTA)協議の棚上げを主張するのは、認識が甘すぎる。米欧FTAで経済的な結びつきは深まり、双方が世界貿易における影響力を維持できるようになるからだ。
 もっとも、妥結にはギリギリの譲歩を迫られよう。細心の注意が必要とされる協議を前に相手国ができる限りの情報を入手して交渉に臨んでくるであろうことは、経験豊富な交渉担当者であれば十分承知している。欧州が手の内を明かしたくないならば、情報収集活動を阻止するもっと有効な手段を講じるべきだ。

 EUの怒りは米国のダブルスタンダードを非難する中国にさらなる攻撃材料を与えるだけだ。この件で欧米関係が悪化し、中国のサイバー攻撃への関心が薄れてしまうようであれば、EUは重大な過ちを犯すことになる。

(2日付社説)
=英フィナンシャル・タイムズ特約

[日経新聞7月3日朝刊P.9]

 

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コメント
 
01. 2013年7月09日 07:46:11 : niiL5nr8dQ
JBpress>日本再生>国防 [国防]
米国の諜報活動では、日本は最大敵国の1つ
スノーデン事件から日本が学び、すべきこと
2013年07月09日(Tue) 織田 邦男
 米国中央情報局(CIA)元職員、エドワード・ジョセフ・スノーデン氏による暴露が話題になっている。

 2013年6月、スノーデン氏は香港でメディア(ガーディアン、ワシントン・ポストおよびサウスチャイナ・モーニング・ポスト)の取材を受けた際、米国家安全保障局(NSA)による個人情報収集の手口を告発した。

各国代表団のスマホまで念入りにチェック


香港の街中に掲げられたスノーデン氏を支持するポスター〔AFPBB News〕

 英紙ガーディアンによると、米当局が日本やフランスなど同盟国を含む38の在米大使館や代表部を盗聴の対象にし、特殊な電子機器などを使って情報収集を行っていたという。

 38の盗聴対象には、米国と対立関係にある国に加えて、ドイツ、フランス、イタリア、ギリシャといった欧州連合諸国のほか、日本、インド、韓国、トルコなども含まれていた。

 スノーデン氏が持ち出した極秘文書によると、2009年4月のG20首脳会合と9月のG20財務相・中央銀行総裁会議において、英国政府も通信傍受機関を使って秘密情報を違法に収集していたことが判明した。

 手口としては各国代表団のノートパソコンを通じ、電子メールを傍受する。代表団のスマートフォンに侵入して電子メールや通信履歴を入手する。通信傍受のために、インターネットカフェを設置するなどが挙げられている。

 その他、NSAがG20でロシアのドミトリー・メドベージェフ大統領(当時)の衛星通話の盗聴を試みたことも暴露されている。

 米国による一連の情報収集問題で日本公館への盗聴工作が明らかになったのは初めてという。菅義偉官房長官は記者会見で、外交ルートを通じて米政府に事実関係の確認を求めていることを明らかにした。

 1995年、ジュネーブで行われた日米自動車交渉で、CIAが日本担当官の国際電話を盗聴したことが表面化したことがある。日本の外交関係筋は「盗聴を前提に在外公館では日常業務を行っている」と述べているが、国際社会では盗聴やハッキングは日常行われている行為だと思わなければならない。

 今回の報道振りを見て、筆者は正直なところ「何を今さら」との思いを深くした。

 筆者が1992年から93年にかけて、米国の大学に留学していた頃のことである。学内の関心はもっぱら冷戦の総括と冷戦後の米国戦略についてであり、連日活発な議論がなされていた。

 当時の議論には大きく3つのポイントがあった。1つは冷戦で巨大化した軍隊をどのようにダウンサイズするか。2つ目は3万人にも膨れ上がった核兵器の技術者を今後どう処遇していけばいいのか。3つ目は冷戦時に対ソ監視に重点を置いてきた情報機関、諜報網をどうするのかの3点である。

冷戦後、米国のターゲットは日本とドイツに


CIA長官や国防長官を歴任したロバート・ゲイツ氏〔AFPBB News〕

 いずれの議論も大変新鮮であり、興味を引くものであった。1番目と2番目は本稿の主題ではないので省略するが、3番目の論点、つまり情報機関、諜報網については今回のスノーデン事件と直接関連がある。

 学内では、米国に亡命した元KGB(ソ連国家保安委員会)の将軍を招聘して講演させたり、元諜報関係者の生の声を聞いたり、冷戦終焉直後ならではの企画が数多くあった。

 これまで闇に埋もれていた諜報機関の実態を正確に把握したうえで、将来のあるべき姿を模索しようという超大国ならではの矜持と懐の深さを感じ、日本人留学生として非常に感銘を受けた記憶がある。

 ただ、この時、学内での大勢の意見が、「冷戦が終わった現在、今後は情報機関や諜報網を経済戦争に使うべきである」といった驚くべき方向性であったことが印象的だった。

 当時、米国の経済戦争の対象は、日本とドイツであることは明らかであった。セミナーには日本人、ドイツ人留学生が参加していることは、十分承知のうえで、遠慮なく堂々と、このような議論がなされることに対し、ある意味、米国の恐ろしさを感じたものである。

 1993年のビル・クリントン政権発足に当たっては、この議論に参加した多くの研究者がワシントンにノミネートされ、政権の枢要なポストに就いた。その影響もあるのだろう、当時の議論の方向性は、その後の米国政策の方向性と概ね一致している。

 1992年1月、当時のCIA長官ロバート・ゲイツ氏(のちの国防長官)は既に次のように語っていた。

 「これまでCIAの活動は対ソ監視に重点を置いてきたが、今後は全力を挙げてその情報収集と諜報活動の狙いを米国と経済および技術競争の国に向ける」

 クリントン氏は大統領選挙期間中「冷戦が終わった。そして日本とドイツが勝利した」と露骨に日本とドイツに対する非難キャンペーンを実施して勝利した。クリントン大統領は就任後、大胆な経済戦争に打って出る。その際、米国の情報機関による諜報活動を「経済および技術競争の国に向ける」という冷戦後の方向性が決定づけられた。

日本とドイツから平和の配当を回収せよ


ビル・クリントン元大統領〔AFPBB News〕

 政権発足後、クリントン大統領がまず手がけたのは「国家経済会議(NEC)」を設置したことである。

 目的は冷戦最大の受益者、日本とドイツから「平和の配当」を回収することであり、これを政権最大の経済戦略とした。CIA本部内には「貿易戦争担当室」まで設置し、手段を選ばず経済戦争に打って出た。このときのCIA長官はロバート・ゲーツ氏が留任していたのである。

 こういった米国の動きは、日本ではなぜかほとんど報道されなかった。冷戦時、漁夫の利を享受しつつ、ぬるま湯にどっぷりと浸かり、惰眠から覚めやらぬ日本は、国益を巡りアンダーテーブルで熾烈な諜報活動が行われる厳しい国際社会の実態が理解できなかった。

 そればかりか、同盟国である米国が日独にかざす刃にも気づかなかった。結局、これが同盟漂流、そして失われた20年の始まりだったわけである。

 1993年だけでもCIAによって発覚させられた贈収賄事件は51件あり、これによって米企業にもたらされた契約金は約65億ドルと公表されている。公表されるのはもちろん、合法で差し支えないものだけである。

 日本企業が外国との商談を直前になって米企業に取られたり、取引を突然、米企業に奪われた事例も数多くあった。これらは既にゲーツ長官が暗示していたことだ。もちろん、非公然活動ゆえ、真相はすべて闇に葬られ、表に出ることはなかった。

 また、法と秩序を口実とした恐喝まがいの巨額訴訟で大損害を被った日本企業も多かった。

 3400万ドルを支払った三菱セクハラ訴訟、燃料パイプ検知器欠陥訴訟で巨額の民事制裁金を要求されたホンダとトヨタ自動車。パソコンのキーを22万回叩けば1回出るか出ないかのバグにより東芝は1000億円支払わされている。これらも諜報組織が絡んでいたと言われている。

 2000年2月には、電子盗聴網システム「ECHLON」の存在が暴露された。これはNSAが運営する暗号解読部隊を発展させた高度な技術を有する全世界通信傍受システムである。このときも欧州議会は産業スパイ疑惑解明のための暫定委員会を設置している。

 今回のスノーデン事件と同様、ECHLONにも英国が一枚噛んでいた。この時も「大多数の先進国がやっていること」と英国が欧州議会沈静化に一役買っている。

 アングロサクソンにとっては、情報を巡っての暗闘、つまり「アヒルの水かき」は日常の所作に過ぎない。歴史をひもといても、事例は枚挙にいとまがない。世界規模の盗聴システムは、ECHLON以外にもフランスやロシアが保有している可能性も指摘されている。

最も利己的な存在が国家であり、米国はその最たるもの


米国は利益追求のためには手段を選ばない(写真はメリーランド州にあるNSA本部)〔AFPBB News〕

 2000年3月、ジェームズ・ウルジー元CIA長官(ゲイツ長官の前任者)が記者会見で次のように述べている。開き直りとも言える発言はECHLON事案の信憑性を裏づける。

 「我々は過去にヨーロッパの贈収賄活動をスパイしていた。米国は今もその種の活動の監視を続けていることを期待する」「他国の民間企業や政府が行っている不正行為の情報を収集することはずっと以前から米国政府に容認されてきた」

 ウルジー元長官は不正行為の摘発といった合法の分野にのみ言及しているが、合法の分野を炙り出すには非合法の分野まで活動範囲を広げなければならないことは誰でも分かる。

 これら諜報活動は今回のスノーデン事件同様、全く驚くには値しない。また今さら驚くようではいけないのだ。

 国際社会において、国家は最も利己的な存在であり、国益追求のためには、手段は選ばないのが「普通の国」である。日本以外の先進諸国は、どこの国でもやっているいわば公然の秘密活動なのである。

 フランスのフランソワ・オランド大統領は「テロの脅威が存在するのは、我々の大使館やEUではない」と非難した。

 だが、この非難をニュースに真剣に取り上げる国は日本くらいである。自分たちもやっている活動は棚に上げ、実態を百も承知のうえで米国の活動を非難する。これは実は諜報活動での米国との暗闘なのである。米国の諜報活動を萎縮させ、自らの諜報活動にフリーハンドを与えるための手段に過ぎないのだ。

 今回スノーデン氏は、香港紙とのインタビューで、NSAによるハッキング工作は世界全体で 6万1000件以上に達していると述べた。これまでの電話や電信の盗聴から、活動範囲がインターネットに広がり、かつての「不正行為の摘発」という大義名分が「テロの未然防止」に変わっただけである。

 英紙ガーディアンは、英国政府の通信傍受機関「政府通信本部(GCHQ)」が過去1年半、光ファイバーケーブル経由の国際電話や電子メールの通信情報を傍受し、米国のNSAとも共有していたと報じた。

 同紙によると、通信傍受の対象は大西洋を横断する英米間の海底ケーブル、電話の会話、電子メールやソーシャルメディアの内容、インターネット利用者の接続記録などであり、一般市民の通信情報も傍受されていたという。

自国以外すべての国が仮想敵国=チャーチル


ウィンストン・チャーチル元英国首相〔AFPBB News〕

 英情報筋は同紙に対し、法律内で行われ、深刻な犯罪を防いだことがあったと説明している。デービット・キャメロン英首相もこれまで「英国の法律内で実行されている」と述べている。

 英国は今でこそ中流国家とはいえ、もともと7つの海を制した国であり、情報を最も大切にする「ジェームズ・ボンド」の国である。米国の情報活動の陰には、必ず英国がいる。

 ポーカーゲームは、手中のカードを対戦相手に知られたら、その時点でゲームセットである。国家間の交渉はポーカーゲームに似て、情報は死活的に重要である。

 かつてウィンストン・チャーチルは「英国にとって仮想敵は?」と聞かれ、「英国以外のすべての国」と答えたという。

 近々、日本はTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)交渉に参加する。国家を挙げての熾烈な国益争奪戦である。日本以外の国はすべて敵だとの認識がまず必要である。もちろん、同盟国の米国も例外ではない。

 日本は今回のスノーデン事件に驚いているような場合ではない。国家間の盗聴やハッキングを制約するものは現在何もない。国際条約もなければ、国家間の取り決めもない。あるのは当該国の国内法の縛りだけである。国際社会では無秩序、無法状態にあるのだ。

 各国は国益争奪のため、必死で諜報活動を実施していることを、改めてスノーデン事件は教えてくれた。

 日本版NSA創設の議論もなされているようだが、厳しい国際社会の現実を直視した組織の設立、そして活動範囲と任務付与が求められる。

 当面、TPP交渉にあたっては、我が国も急ぎ情報収集体制を構築するとともに、特に担当者の防諜意識、そして防諜体制を根本から見直すことが喫緊の課題となっている。


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