しかしインドシナ戦争の敗北、第二次中東戦争での敗退、アルジェリア独立戦争の泥沼化でフランスは行き詰まり、コティ大統領がドゴール退役将軍に政界復帰を要請。ドゴール将軍は首相に就任して第五共和政憲法を起草し、1959年に第五共和政初代大統領に就任した。

ドゴール大統領は「フランスの栄光」を信条とし、反アングロサクソン政策を推進した。アメリカから購入していた戦闘機を国産のダッソー・ブレゲー社製品に切り替えた。米ソ英が保有していた核兵器を独自に開発し、1960年にはフランス領西サハラのレガーヌ実験場で原爆実験に成功した。

アメリカは核独占が崩れ、ドゴール大統領が邪魔になってきた。彼の暗殺未遂事件は31件に上るが、アメリカのCIAやNSAが絡んだものも多いと思う。証拠はないが、ドゴール将軍の存在はアメリカにとって「目の上のたんこぶ」だったことから、多分そうだろうと思っている人は多い。

アメリカをはじめとするアングロサクソン系の情報収集システムとして、エシュロンは有名である。

エシュロン
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%AD%E3%83%B3

1962年にフランス第四位の自動車メーカー・シムカが突如クライスラーに乗っ取られたのは、シムカ経営陣も知らなかった大株主の移動があったことをアメリカ側が察知したらしいのだが、これも詳しいことは分からない。電話やテレックスでのやり取りが傍受されたのだろうな。

ウィキペディアからドゴール将軍の伝記を紹介する。

シャルル・ド・ゴール
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%AB%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%B4%E3%83%BC%E3%83%AB

ここに、ドゴール大統領と、アメリカのニクソン大統領の会談シーンがあるので、紹介する。

ファイル:Nixon and de Gaulle 30-0166a.gif
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Nixon_and_de_Gaulle_30-0166a.gif

緊張した雰囲気が伝わってくる写真です。百戦錬磨の軍人であったドゴール大統領の前に、アメリカの首脳陣もピリピリしています。

ドゴール大統領はエシュロンに対抗してフレンシュロンをつくりました。こちらは西欧諸国を自らの陣営に取り込みつつあるそうです。

フレンシュロン
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%AD%E3%83%B3

ところで当方、オーストラリアとニュージーランドで暮らしていましたが、オーストラリアは首都キャンベラ郊外、ニュージーランドは首都ウェリントン郊外に基地があるようです。近寄ってはならないと聞いたので、遠いところに住んでいましたが。現地の人も気をつけているようですね。