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ドル建て債務、新興国で急増 1〜5月 通貨安で負担増も
新興国のドル建て債務が急増している。英米調査会社ディール・ロジックの集計では、中国やロシアを含む183カ国が1〜5月に発行したドル建て債券(国債と社債)は1705億ドル(約17兆円)と前年同期比で43%増えた。新興国通貨が上昇し、ドル建ての資金調達が有利になっていたためだ。ただ、足元では新興国通貨が急落しており、新興国の債務負担が膨らむ可能性もある。
ドル建て債券発行の増加が目立ったのはインドで、前年同期比4.1倍の61億ドルとなった。ほかに中国は同2.3倍の308億ドル、トルコが2倍の49億ドル、ロシアが79%増の168億ドルなどと軒並み拡大した。5月上旬まで新興国通貨高が続いたことが背景だ。自国通貨が上昇するとドル建てで借りた資金の返済負担が小さくなる。
ただ、5月下旬以降は外国為替市場で新興国通貨は下落基調に転じた。米国が金融緩和を縮小するとの観測から米投資家が資金を新興国から引き揚げる動きが広がったためだ。足元でインドルピーは1ドル=57ルピー台と、直近の高値だった5月上旬より7%下落。メキシコペソは1ドル=12ペソ台後半と、4月上旬から5%安となった。
新生銀行の政井貴子執行役員は「先進国の金融緩和が出口に向かう過程では新興国の混乱が起こりやすい」と話す。ドル建て債務が膨らんだ状態で新興国の通貨安が進めば、国や企業にとって返済負担が拡大する。みずほコーポレート銀行の唐鎌大輔マーケット・エコノミストは「短期的には為替変動で債務負担が膨らむ新興国企業が出る可能性がある」と話す。
[日経新聞6月17日朝刊P.3]
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