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ケン・ローチが呼び掛け、英国で新しい左派政党の建設へ…「レフト・ユニティ」
新自由主義保守党、降参した社民党、分裂した左派を越え、新しい左派政治を摸索
チョン・ウニ記者 2013.05.10 15:21
数十年にわたる保守化と分裂で失われた英国の左派政治が新しい可能性を予告している。左派の映画監督、ケン・ローチの呼び掛けに多くの人々が応えて結成された「レフト・ユニティ(Left Unity)」が英国の左派政治運動に新しい歴史を作っている。
英国の左派が緊縮と分派主義を越える代案として「レフト・ユニティ」を結成し、新しい左派政治運動を始めた。運営委員会と共に全国で90の地域に組織が建設され、部門委員による初の全国会議が5月11日に行われる。運営委員の半分が女性から選出された。来年始めに新しい政党を結成することが発議される計画で、「マルキシズムスタイル」の政治フェスティバルも開かれる。
彼らはヨーロッパの緊縮状況について「経済危機は、民衆はさらに貧困と飢餓に苦しみ、その上、死に直面するほど社会的、政治的危機に陥りつつあるが…、ヨーロッパの民衆は反撃を始めた」とし「現在重要なことは、11月14日の数百万の路上デモと、南欧のゼネストなどの新しい運動にふさわしい政治的表現を付与すること」と語った。また「ギリシャ、フランス、ドイツなどで左派勢力は、社民主義が新自由主義に降参したことに反発し、新しい政治の流れが形成されている」点に注目した。
こうした状況で、「レフト・ユニティ」に参加する人々は「しかし英国では、労働党右派への成功的な対応はまだない」とし「われわれは今も緊縮と戦争に反対し、この社会と制度がさらに民主敵になることを擁護し、日常を組織する新しい政治的形態が必要とされている」と新しい左派政治運動を提案している。
こうした「レフト・ユニティ」は、経済危機と緊縮の下で右側に走る英国政治を狙っている。最近の地域選挙で支配両党(保守党と自由党)が英国独立党 (UKIP)に惨敗した。独立党は右翼ポピュリズム政党であり、反移住民党であり、すべての主要政党を右側に引っ張っている。
ケン・ローチの呼び掛けで触発
▲英国マンチェスターのレフト・ユニティに参加する人々が会議の様子を伝えた。[出処:The 14th November Movement - for left unityFaceBook]
〈インターナショナル・ビューポイント〉に寄稿したアラン・ソーネット (Alan Thornett)によれば、「レフト・ユニティ」は3月中旬、映画監督のケン・ローチが自分の[スピリット・オブ'45(The Spirit of '45)]の封切りと共に、新しい左派政治を訴えたことに触発された。
[スピリット・オブ'45]は、医療、住宅、教育と社会保障など、平凡な人々の生活を改善した戦後世代に焦点を当てた映画で、ケン・ローチはこれを通じて緊縮の時代、分裂した左派を背景として広い左派政党のための呼び掛けを始めた。
ケン・ローチが呼び掛けた後、ある映画館で質問応答が行われ、3月中旬[スピリット・オブ'45]の50館同時封切りと共に討論は全国に広がった。特に現在、「レフト・ユニティ」の討論空間になったインターネットのページでは、開設から数日で6000人ほどがケン・ローチの呼び掛けに応える文を残し、議論が急流に乗っている。
レフト・ユニティに参加する人々は、現在の保守連立政権が社会で最も脆弱な階層に苦痛を転嫁して、平凡な人々の生活条件を侵食し、福祉国家を解体したと見ている。労働者の権益を代表すべき労働党も、現在では緊縮に強力な反対を表明せず、その代わりに包括的な新自由主義政策を採用していると見ている。そのため、レフト・ユニティは福祉国家を守り、緊縮への経済的代案を提示する左派の新しい政党を結成しようとしている。
「レフト・ユニティ」、多様に拡張された労働左派であり反緊縮政党
「レフト・ユニティ」は、私有化と緊縮を押し通した保守党、これを放棄したり同調した労働党だけでなく、分裂した左派政治の克服を重要な課題として見ている。
英国の社会主義勢力は、91年の英国共産党解散後、2000年に社会主義同盟(SA) を結成して新しい社会主義連合運動に出るが、英国左派の最大の組織である英国社会主義労働者党(SWP)と社会党(SP)の分派主義などの理由で低迷している。
アラン・ソーネットによれば、特に2010年に保守連立政権の緊縮で触発された初の緊縮反対闘争も、歴史の中で極左勢力の分裂という破壊的な形で壊された。緊縮反対運動は、SPの「全国現場活動家ネットワーク(NSSNT)」、SWPの「抵抗団結(UR)」、そしてもっと開放的な「抵抗連合(CoR)」に割れて進められた。
そのために「レフト・ユニティ」は、新しい組織は広く多様な労働左派・反緊縮政党でなければならないという意見が優勢で、組織間の連盟ではなく個人の構成員に基づくべきだという問題意識を持っている。ここにはケン・ローチの「広い左派政党の建設」のための呼び掛けだけでなく、英国左派の地形に起きた論争と事件も大きな影響を及ぼした。
英国保守党政府の緊縮に反対する闘争と左派の分裂の一方で、ヨーロッパ緊縮反対闘争、ギリシャ議会内外での左派連合シリザの闘争、全ヨーロッパ民衆の連帯運動が行われた11月14日のヨーロッパゼネストなどがある。
特に昨年4月、公開的かつ民主的な左派組織を提案した反資本主義左派(ACL)の結成、そしてこれに関して分派的な過去との断絶を共に提起したルーク・クーパー(Luke Cooper)とシモン・ハーディ(Simon Hardy)の〈資本主義を越える急進政治学の未来〉出版後に続いた論争も、分派主義を越え、左派団結運動の形成にとって重要だったと評価できる。
また1月初めにSWP内の性暴力事件と提起グループの除名、そして200人の脱退の過程であらわれたSWPの反民主主義と衰退も、主な契機として記録されている。
SWPもSPも「レフト・ユニティ」に参加しない。ケン・ローチは参加するものの、指導者ではなく、カリスマある人物は誰も存在しない。アラン・ソーネットは「選挙の時、これは短所かもしれないが、最近、悪臭を放っている数人による大混乱を考えれば肯定的な部分」とし「これは政党自身が活動によって自分の評判を作らなければならないことを意味する」と指摘した。
選挙戦術はまだ討論されていないが、名声で議員職を得たり、選挙の時に何もしない排除戦術は使わない展望だ。右傾化した労働党の一方に立つ労働組合と学生などの大衆運動との結合の可能性も注目される。
原文(チャムセサン)
翻訳/文責:安田(ゆ)
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Created byStaff. Last modified on 2013-05-11 08:53:27 Copyright: Default
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