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昨日(29日)ロシアのセルゲイ・ラヴロフ外相は、シリアで化学兵器が使用された、との流言について次のように述べた。「ロシアは政治的な狙いをもって<大量破壊兵器の使用>という流説を振りまく一方的な振る舞いを看過できない」。「シリアの現政権を転覆させるためには全ての手段が正当化される、と考える国が一部にあるようだ。しかし、大量破壊兵器の使用というのは、冗談にしては余りに深刻なテーマである。地政学的企てをもってこのテーマを利用することは許容しがたい、と考えている」。
先日、米国防総省のチャック・ヘーゲル長官は、これと真逆の声明を出している。ヘーゲル長官に言わせれば、「シリア政府軍が蜂起軍に対し化学兵器を使用した可能性は高い」、しかし飽くまで「局所的な使用に止まった」。識者は指摘する、こんな非難には意味がない。化学兵器は「局所的に」使用するものではない。「局所的」な使用で得られる軍事的な利益は何もない。しかしそれでも、局外からの干渉の口実は出来たのである。
シリア政府に対する「インフォメーション・キャンペーン」(情報作戦)の新たな展開としての、「化学兵器使用」嫌疑。その本質とは?レバノンの専門家ジャベル氏のコメントを紹介しよう。
「私見では、ここにはプーチン・オバマの夏の会談が関係している。化学兵器というテーマは、互いが互いに圧力をかける試みが繰り広げられるはずの露米首脳会談を夏に控えたこのタイミングで、新たな力をもって浮上してきた。さらに、ここ最近、シリア内戦において、政府軍が武装蜂起軍に対し著しい優勢を見せていることも背景にある。こうしたことが合わさって、米国は袋小路に追い詰められた。化学兵器が使用されたと、米国の政府高官が声明を出しはするものの、何らの証拠も挙がってはこない。その裏側で、イラクの二の舞を避けるべく、化学兵器が使用されたとされる現場の詳細な調査を行うよう、諜報機関に指令が出されてもいる」(ヒシャム・ジャベル氏、レバノンの軍事アナリスト)
異なる見方もひとつ紹介しよう。ロシアの専門家イワショフ氏は次のように語っている。
「米国は、シリア政権を転覆しシリアをカオスに落とし込むために、可能な全ての手段を尽くして武装集団を支援している。現在みられるシリア危機を招来した者たちの主要な目的は、シリアの国家体制を壊滅させることにあるのだ。目的達成のためには、彼らはあらゆる手段を使う。既にテスト済みの手段を含めてだ。化学兵器というテーマはイラクでサダム・フセイン体制を打倒する際に良好な成績を示した。イラクはいま、ゆるやかに崩壊に向かっている。化学兵器というのはイラクのシナリオの再生をもたらす<天恵豊かな土壌>なのだ」
「米国を筆頭とするNATOがシリアに軍事侵攻する、という可能性は、私見では、なお捨てきれない。米国の目的はシリア政権の転覆である。大規模な軍事作戦も計画されている。しかるべき予算が組まれている。言うまでも無く、譲歩する意思は持っていないだろう」(「地政学問題アカデミー」総裁、陸軍予備大佐レオニード・イワショフ氏)
究極的には、全てはロシアにかかっている。政府高官の発言を見る限り、ロシアが「シリア政権転覆作戦」を肯定的に見ているとは到底言われない。しかし、いまは2003年ではない。ロシアの主張を黙過することはいまや誰にも不可能だ。
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