http://www.asyura2.com/12/kokusai7/msg/387.html
Tweet |
http://www.bllackz.com/2013/04/blog-post_17.html?utm_source=BP_recent
2013年4月15日に起きたアメリカ・ボストンでのテロ事件では、まだ明確な犯人像が発表されていない。
いろいろな噂は飛んでいるが、いずれ近いうちにFBIは容疑者を出してくるはずだ。
それが真犯人なのかどうかは別にして、アメリカ政府が出してきた犯人が「外国人」だった場合、注意が必要になる。
アメリカはこの事件で、外国の国家が裏で計画したものだと断定した場合は、報復攻撃が必ずあるからだ。
アメリカはテロに対して黙って受け入れるような国ではない。テロでやられたら、倍以上にやり返すというのがアメリカの基本的なスタンスだ。
まして、今回は子供がテロで殺されており、生き残った子供も、片足を切断せざるを得ないような重傷を負っている。もし犯人が外国籍のテロリストである場合は、軍事攻撃が発令されるのは間違いない。
しかし、それは軍事予算を削減し、世界中の紛争から距離を置こうとする姿勢を転換させるものになる可能性がある。
★テロは国内の人間の仕業か、外国人の仕業か?
もちろん、外国籍のテロリストが犯人だと決まったわけではない。犯行声明も出ていない。
場合によっては、ユナボマーのようにアメリカ国籍の反社会的な厭世者が引き起こした単独の爆弾犯かもしれない。
アメリカでは銃や爆弾の知識のある人間がごろごろしており、ティモシー・マクベイのように個人で巨大爆弾を作ることのできる人間すらもいる。
もし、このような一匹狼の犯行であれば、銃規制はより進んでいくことになり、逆にアメリカは安全な社会に向けて一歩前進する契機になる可能性もある。
しかし、そうでなくて、従来のように中東からやってきたテロリストが実行したものだった場合は、アメリカの軍事行動はこの事件を境に変わり、新しい戦争が起きてもおかしくない。
アメリカが第二次世界大戦に参戦したのは「パールハーバーを攻撃されて死者が出た」という事件がきっかけだった。
アメリカがベトナム戦争に参戦したのは「トンキン湾で攻撃された」という事件がきっかけだった。
アメリカがアフガン・イラク戦争に参戦したのは「9.11で攻撃された」という事件がきっかけだった。
攻撃を受けたら、それが軍事攻撃の発端になる可能性は充分にある。
だから、今回の事件の「犯人」がどこの国の人間であり、背後にどこかの国の国家の意思が関わっているのかどうかが重要になって来る。
★力を失うと、敵だらけのアメリカは危険に陥る
アメリカは今も昔も軍事国家であり、全世界の紛争に密接に関わっている。すべての紛争はアメリカが関わる。
東アジアの尖閣諸島問題についても、これは日中の問題でもあるが、同時に米中の問題でもある。
北朝鮮の問題についても、これは朝鮮民族の問題であるが、同時に米中の問題でもある。
中東の紛争やシリアの内戦についてもアメリカは密接に関わっているのは言うまでもない。
世界中でアメリカは紛争に関わり、軍事力こそが今のアメリカを形作っている。アメリカは軍隊だけでなく、CIAのような諜報組織も大規模に抱えており、世界中で紛争を仕掛ける黒幕でもある。
だから、南米からイスラム諸国からアジアまで、アメリカに仕掛けられて、アメリカに憎悪を持つ国家も少なくない。言い替えれば、アメリカは世界中に「敵」を持っている。
そのアメリカが衰弱していくというのは、どのような意味を持つことになるのか。
アメリカは世界中の紛争から静かに軍を引いて行くことになって、世界に対する影響力を失うという点はよく議論されている。
しかし、アメリカが力を失うと、アメリカ本土がテロや攻撃の標的にされていくという議論はあまり為されていない。今回のボストンのテロ事件は、そういった部分に世界が気づくきっかけになるのかもしれない。
すなわち、アメリカが財政的に衰弱して行けば行くほど、アメリカ国内がテロの現場となりやすい状況が生まれるということだ。
★外からも、内からも、危険が迫るアメリカ
世界中に軍事力を行使してきたアメリカは、世界中に反米の人々を生み出した。
しかし、アメリカは反米勢力を叩き潰して、彼らが本土にやって来ないように防御していた。
その防御が財政危機によって縮小を余儀なくされると、反米勢力に付け入る隙を作ることになる。だから、アメリカの衰退はアメリカ国内の混乱につながる。
折しもアメリカでは強欲資本主義が極限まで進んで、先進国でも非常に格差の激しい国家となっている。
成功した企業経営者、たとえばオラクルのラリー・エリソンは2012年の報酬は93億円である。CNNによると、アメリカの大手企業の経営者の報酬は平均して12億円なのだという。
ところが、その一方で、フードスタンプ(食糧購入券)に頼る人々が4600万人になるという最悪の事態に追い込まれている事実もある。
その差はもはや埋めがたいものであり、このような極端な格差は必ず社会崩壊を引き起こす。
国内の貧困層は、やがて不満分子となり、やがてはアメリカの混乱を生み出す種となっていく。
今のアメリカの衰退と、アメリカの格差は、これから是正されるのか、それとも拡大していくのかと言われれば、恐らく拡大していく可能性の方が高い。
そうなると、外からはテロリストが侵入しやすくなり、内には不満分子が増えていくことになる。この両方が同時並行していくのが今後のアメリカの姿であると考えると、アメリカの将来はそれほど明るいものではない。
アメリカは、この社会の歪みと、財政危機を克服できるのだろうか。できなければ、アメリカに将来はない。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。