ガーディアンは4月8日付の社説でサッチャー元総理に対し「彼女の遺産は公論の分裂、私的利己心で人間の精神に鎖をかける貪欲に対する崇拝」と酷評した。

ガーディアンは社説で、フォークランド武力占有、労働組合の権限廃止、公共部門の私有化、地方自治の廃止から警察力の強化などは、サッチャー総理がいなければなかったと指摘した。社説はまた「彼女の墓碑の前で踊るべきではないが、国葬はするべきではない」と明らかにした。

▲ガーディアンは8日の社説でサッチャーに「彼女の遺産は公論の分裂、私的利己心で人間の精神に鎖をかける貪欲に対する崇拝だ」と酷評した。［出処:http://www.guardian.co.uk/画面キャプチャー］

スカイニュースは4月8日、労働党政治家のケン・リビングストン元ロンドン市長にインタビューし「英国が今日直面しているすべての問題に(サッチャーの)責任がある」という評価を伝えた。

リビングストンは「サッチャーは今日の住宅問題と銀行危機を作った。そして彼女は補助金危機を作った。人々を失業者に登録させず、特に効果がない補助政策に押込み始めたのもサッチャー政権であった」と叱責した。

リビングストンはまた「彼女は自国の製造業を捨て、200〜300万人の失業者、補助法案、そして今日までわれわれが戦っている原因を作った。事実上、われわれが今日直面しているすべての実質的な問題は、サッチャーが根本的に誤っていたという事実に起因する」と指摘した。

8日、インディペンデントのコラムリスト、オーウェン・ジョーンズは「サッチャリズムは今も私たちを蝕んでいる国家的災難」と指摘した。ジョーンズは「英国は、サッチャーの政策が始まる前、西ヨーロッパで最も平等な国の一つだったが、今や最も不公平な国に属する」とし、サッチャーの新自由主義政策が英国に与えた影響を批判した。

［出処:http://www.independent.co.uk/画面キャプチャー］

ジョーンズはまた、「サッチャリズムは生きているだけでなく旺盛だ。現政権は、国民医療保険の私有化、福祉国家の解体など、サッチャーさえしなかったことを始めている」とし、サッチャーの後継者である英国保守党のデービッド・キャメロン総理の私有化政策を批判した。

サッチャーの下で悪化した労働と社会問題を映画で照らしだした英国のケン・ローチ監督も、「マーガレット・サッチャーは、現代で最も分裂的で破壊的な総理だった」と明らかにした。

4月8日、87歳で死亡したマーガレット・サッチャーは、1979年から1990年まで 3回にわたり英国総理を歴任した。サッチャーは1979年の総理就任後、労働者に対する全面的かつ直接的な攻撃を敢行した。サッチャー総理は民営化と金融化、市場秩序回復、反労組主義と福祉反対を旗じるしとするサッチャリズムを次第に露骨化し、労働者たちはこれに対して全面的な闘争を展開した。

特に炭鉱労組は、1984年の1年間、全国的なストライキを率いて激しく抵抗した。しかしサッチャー総理は労組と全面戦争を辞さず、結局労組を完全に無力化させる。サッチャー政府の下で165の鉱山が閉鎖され、23万人が雇用を失った。この事件は映画「ビリー・エリオット」のモデルになった。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
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コメント
01. 2013年4月13日 11:36:51 : JjNtNbJEr2 サッチャーはレーガンやイルミナティ・ナカソネなどと共に新自由主義の旗手として、強欲資本主義を世界に蔓延させ、福祉や人権を切り捨て民営化を推し進め、強い者だけが栄える、恐ろしい社会をつくった。奴の新自由主義政策は、「産業の壊滅」と言う結果を残したのである。 1950年代のイギリスは自動車生産が世界第二位。輸出に限れば一位であった。それが日本など新興国の成長によって市場を奪われたのだが、サッチャーの登場した1970年代後半の段階では、民族資本が合併してできたブリティッシュ・レイランドが健在で、高級車のロールス・ロイスも輸出は順調であった。 この頃、日本車の集中豪雨的輸出が国際問題になったが、フランス、イタリアが国内自動車メーカーの防衛に乗り出したのに対し、イギリスのサッチャー政権はブリティッシュ・レイランドの分割民営化を行ない、高級車部門ジャガーから切り売りしていった。これらの結果、経営者は株主への配当を重視して新技術や生産設備への投資を行なわなくなり、イギリスの自動車は他国の製品と比べ劣勢になり、相手にされなくなっていった。 ブリティッシュ・レイランドは大衆車部門がBAEに売却され、次いでBMWに投売りされた。ところが毎年1,000億円もの赤字を出し続け、さすがのBMWも道連れ倒産の危機に瀕した。これに対し、BMWはミニのブランドを手元に残して売り飛ばした。その結果、残ったローバーは消滅に至ったのである。 サッチャーと同時代にフランスの大統領であったミッテランは、自国の自動車産業を防衛することを念頭に政治に取り組んだという。当時のフランスも自動車産業が苦境だったが、失業率は高くなったものの「総崩れ」は避けられた。 かつて誇り高きイギリスの高級車であったジャガーは、かつての植民地インドに買収された。これほど不名誉なこともあるまい。同じくロールスロイスは、かつての敵国だったドイツのBMWに買収された。ベントレーはフォルクスワーゲンに買収され、誇り高き大英帝国の民族資本自動車メーカーは崩壊した。これがサッチャー反動政治の結果だ。産業が喪失され、雇用が失われて社会がボロボロになっている。 現在、イギリスの自動車市場は国外メーカーの輸入、現地生産で成り立っているが、その結果驚くほど自動車の価格が上昇し、新車だと1000ccクラスでも160万円する。どう見ても国外メーカーが談合して価格を吊り上げているとしか思えない。自国の自動車産業を失うと、市場の価格決定権が外資に奪われてしまう。この意味でサッチャーはイギリス歴史上、空前の売国奴である。 サッチャーの墓地は、これから毎日荒らされること間違いなしである。
02. 2013年4月13日 23:18:33 : Xfetkm0lMA 1983 | Conservative Party Conference | Margaret Thatcher Keynote Speech ⁅❍⁆http://www.youtube.com/watch?v=zZRe80kMwA8 Margaret Thatcher dies of stroke age 87 ⁅☯⁆http://www.youtube.com/watch?v=dagB7m1sPcU
03. 2013年4月14日 16:08:03 : hLIqMYoDHg イギリスではサッチャーの死を喜ぶパーティが開催されてようですね そして喜ぶ歌も一位らしい 国葬らしいがどうすんだろ？
04. 2013年4月16日 15:22:27 : vgQVMWdybs 　日本では、在日朝鮮人の息子で変質者の小泉純一郎が首相となり、日本の主要な国有財産を「民営化と称して、アメリカの金融投資会社に売り飛ばした」結果、未だに経済不況は回復していない。 あまつさえ、再登場した無教養で無知な安倍晋三が、同様の自由主義経済の物真似で、日本をアメリカの植民地にするつもり。 　サッチャーもそうだが、彼ら自由経済主義者は全員、自分の変質的な理想論に凝り固まった「石頭」であり、国民の幸せに思いが回らない。 「レーガノミックス、サッチャイズム、アベノミクス」と、アホマスコミは喧伝したが、結局何も成功しなかった。

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