http://www.asyura2.com/12/kokusai7/msg/308.html
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「007 スカイフォール」を取り上げながら記事にはその事実が書かれていないが、007シリーズ最新作は、中国政府の意向を受けて、上海に関わるシーンのカットなどいくつかの“修正”を行ってようやく中国市場で公開された。
記事のなかに、「外国の映画大作がますます中国的要素を増している最も大きな理由は中国映画の興行収入が毎年35%の速度で増加していることによる。中国は現在すでに日本を抜いて世界第2の映画市場だ。これは70%の市場を海外に持つ大作映画にとって、中国市場は極めて重要であることを意味する。特に3DとImax映画ではなおさらだ」と語る。長年中国映画を研究している米国南カリフォルニア大学北東アジア研究所のスタンレー・ローゼン教授は「映画の中に中国の観客を不快にさせる内容が含まれる場合、一部製作側は中国市場を考えて自主的に削除するだろう」と語った」とあるが、既に、ハリウッドの経営者は、おカネにひれ伏して、“表現の自由”を自ら制限したのである。
政治的表現であろうが、娯楽的表現であろうが、“表現の自由”に関わる問題であることに変わりはない。
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『007 スカイフォール』の中国上映、検閲で一部シーンカット 字幕も改変
2013年1月21日 17時33分
[シネマトゥデイ映画ニュース] 1月21日から映画『007 スカイフォール』が公開された中国で、検閲により一部のシーンがカット、また実際のセリフとは異なる中国語字幕が付けられていることがThe Hollywood Reporterにより明らかになった。
カットされたのは、フランス人殺し屋が暗殺を実行するため上海の高層ビルに忍び込んだ際、エレベーターロビーで中国人のセキュリティガードを撃つシーン。
また、ボンドがマカオのカジノに乗り込み、ベレニス・マーロウ演じるボンドガールと対面する場面では字幕が改変。彼女の入れ墨について、若いころに売春組織で強いられたものなのかを尋ねるセリフが、音声はそのままでマフィアに無理やり引きずり込まれたのかという内容の字幕に変更されているとのこと。
さらに、ハビエル・バルデム演じる、元MI6エージェントのラウル・シルヴァが、中国政府に引き渡されひどい拷問を受けたと告白するシーンでも、セリフの内容と異なる字幕が付けられているという。
当初、全米公開と同じ昨年11月に予定されていた中国での公開が遅れたのは、同月公開予定だった中国映画『バック・トゥ・1942(英題) / Back to 1942』や『ザ・ラスト・サパー(英題)/ The Last Supper』などが、『007 スカイフォール』とぶつかることで、年末の興行収入成績に打撃を受けないよう配慮したためだという。
シーンのカットや字幕の変更について、ソニーピクチャーズの中国代表はコメントを拒否している。(鯨岡孝子)
http://www.cinematoday.jp/page/N0049519
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表面的な「中国」を描くハリウッド映画 中国人、評価せず
007シリーズの中で、初めて中国大陸でロケーション撮影を行った「007 スカイフォール」は、外国映画に取り込まれた中国的要素への中国人の好奇心を再度かき立てた。西洋風にアレンジされた中国料理の味に慣れた外国人には、中国的要素がもたらす異国情緒に違和感はないだろうが、中国人の観客にとって、ご馳走に振りかけられた中国風香辛料は明らかに本場の味とは異なる。「中国風香辛料」を取り入れたハリウッド大作が中国人を満足させることは難しい。「新京報」が伝えた。
中国的要素を無理やり入れても、中国人には評価されない
英国の呉思田駐中国大使は007の新作映画を紹介する際、「プールから上がった後、ジェームス・ボンドが上海の夜景を眺めるシーンに注意してほしい。実は、このシーンは、ロンドンのカナリー・ワーフ埠頭にあるホテルで撮影されたものだ」と語った。
映画の中の中国的要素には、あまり深い意味は込められていない。「ジェームス・ボンドが殺し屋を追ってガラス張りの高層ビルに入り、偶然魅力的な女性に出会う。この女性はミステリアスな過去を持つ美女でカジノに出入りしている。このプロットは正直、世界のあらゆる都市で起こりうるものであり、単に製作者がこのシーンの設定を中国にしただけ」米国メディアは、最近頻繁に中国的要素を取り入れた外国映画を頻繁に見かける決まりの悪さについて報道した。
映画「ルーパー」の中でブルース・ウィリスが「俺は未来からやってきた。お前は中国語を習うべきだ」と言うシーンでは、観客はまだ笑うことができた。しかし、映画の中で男性主人公を惹きつけて止まないヒロインにもかかわらず、一言もセリフがないオリエンタル美女のシュイ・チン(許晴)にいたっては、観客にはただの美しい添え物にしか見えなかった。
2012年11月に公開された「The Man With the Iron Fists」(中国題:鉄拳)ではクエンティン・タランティーノ・プレゼンツの看板を打ち出したにもかかわらず、中国の観客には「間違えた漢字を彫られてしまった刺青」のような作品と酷評された。同作品のいたるところに中国的要素が見られるが、まったく中国文化の真髄を理解していない。ネットユーザーも「最近のハリウッド映画は中国的要素を入れないと大作と言えないんだろう」と皮肉なコメントを残している。
過剰な中国的要素は、世界市場に悪影響の恐れ
北京大学影視芸術科の李道新教授はこの状況について取材に答え、「これは主に市場のグローバル化によるものだ。中国経済の影響力がますます広がり、世界的な潮流となる中、映画も必然的により多くの中国的要素が含まれていく」と分析し、「外国の映画大作がますます中国的要素を増している最も大きな理由は中国映画の興行収入が毎年35%の速度で増加していることによる。中国は現在すでに日本を抜いて世界第2の映画市場だ。これは70%の市場を海外に持つ大作映画にとって、中国市場は極めて重要であることを意味する。特に3DとImax映画ではなおさらだ」と語る。長年中国映画を研究している米国南カリフォルニア大学北東アジア研究所のスタンレー・ローゼン教授は「映画の中に中国の観客を不快にさせる内容が含まれる場合、一部製作側は中国市場を考えて自主的に削除するだろう」と語った。
「ハリウッドが必要としているのは中国からの利益や市場、投資であり、いずれも手放したくないと考えている」と語るローゼン教授はもしハリウッドと中国が共同製作で映画を撮るのなら、中国の年34本と決められている輸入映画の本数制限を受けない利点があると指摘する。しかし、矛盾するのは、共同製作といっても双方の思惑は違う点だ。ハリウッドは表面的な中国的要素を映画の中に加えようとするだろうし、一方中国側はそのような映画は真の共同製作ではないと考え、意義のある中国的要素を中に入れ込もうとする。それによって映画の撮影中に多くのトラブルが生まれることになる。
ハリウッドは中国市場を獲得したいのと同時に、そのことで世界の他地域の映画市場に影響を及ぼしたくないと考えている。もしハリウッドがあまりに多くの中国的要素を映画に取り込めば、世界の他の市場にいい影響ばかり与えるとは考えられない。「ルーパー」はその点を考慮して製作された大作映画だ。同映画には2つのバージョンがある。ひとつは中国市場に対応した中国バージョンで、もうひとつは世界の他地域に対応した国際バージョンだ。中国バージョンでは約20分の中国的要素が入ったシーンが加えられている。
いかに中国と対話するか、ハリウッドは学びの途中
最近、中国的要素を取り込んで大ヒットした外国映画は少なくない。「カンフーパンダ」(中国題:功夫熊猫)もその一つだ。米国華僑の映画評論家、丁媛氏によるとこの映画の成功は、監督と会社が持つ文化的なものによるところが大きいという。「ドリームワークスが映画の題材に求めるのは、「面白いストーリー」という一点のみ。中心となる価値観はやはり米国の価値観によるが、製作側は中国文化を尊重していた。ドリームワークスは映画に関わる中国文化を研究する特別専門チームを作っていた」と成功の原因を分析する。
李道新教授によると中国的要素を取り入れた外国映画の玉石混淆の様相を呈した現象は普遍的に見られることだという。「ハリウッドは現在、いかに中国と対話していくかを学んでいるところ」と語る。
20世紀初め、中国をまったく無視していた西洋映画が、1960年代になると映画の中で中国人のイメージや中国的要素が徐々に見られるようになった。しかし多くは中国を否定的なイメージで捉えたものだった。丁媛氏によると、数十年前に描かれた中国的要素はすべて紋切り型であり、米国社会の中国(映画撮影時より数十年前から100年前の中国)に対する認識では、中国人や華僑はマイナーな存在にすぎず、そのイメージは、野菜売りやマフィア、武術館経営者などでしかなかったという。
それが、ブルース・リー(李小龍)が米国で人気を博したことで、ようやく新しいイメージが登場した。しかし、この新しいスタイルのイメージも、結局は紋切り型の「カンフーアクション俳優」というイメージに変わる。現在、映画の中の中国人はようやく雑貨店の店主ではなくなり、カンフーを使うマフィアや、IT系の技術オタクの中国人などが登場してきた。「ひとつの紋切り型のイメージが別の紋切り型のイメージに取って代わっただけ」と丁媛氏は語る。
1990年末から21世紀初めにかけて、外国映画に描かれる中国人のイメージに変化が見られ始めた。2001年の「オーシャンズ11」では、メンバー11人の中に中国人が含まれており、非常に難易度の高い任務を遂行し、成功させた。
ハリウッドにおける中国人のイメージはこの数十年で非常に大きく変化した。「現在、米国映画が中国人のイメージを描くのは30年前に比較してずっとまじめになってきた。米国人は中国人をプラス面やマイナス面を含め、リアルな人間として描き始めており、中国人のイメージを描いていた過去とは異なる」とローゼン教授は語る。「これは中国を訪れる人が増え、米国人が以前よりも中国を理解していることを示している」と語った。(編集MZ)
「人民網日本語版」2013年1月31日
http://j.people.com.cn/206603/8115865.html
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