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2013年1月20日21時30分 朝日新聞
【カイロ=石合力、村山祐介】アルジェリア南東部イナメナスの天然ガス関連施設で起きた人質事件で、同国軍特殊部隊は19日午前(日本時間同日午後)、イスラム武装勢力に対する最終作戦を実施し、施設一帯を制圧した。同国内務省は19日夜(同20日未明)、一連の作戦で武装勢力計32人を殺害し、人質23人が死亡したとする声明を出した。アルジェリア政府は、複数の日本人が、死亡したか生存が確認できないと日本政府に伝えた。
アルジェリアの地元テレビやAFP通信は20日、目撃者の情報として、日本人9人がガス施設で武装勢力に殺害された、と伝えた。
内務省声明によると、外国人107人とアルジェリア人685人の人質が解放された。人質の国籍は明らかにしておらず、日本のプラント建設会社「日揮」の日本人社員10人の安否は依然確認されていない。
アルジェリアのサイード情報相は20日、国営ラジオに人質の死者数は23人より増えるとの見通しを示した。最終的な死者数を近く発表するという。地元テレビは20日、同日朝の現場の捜索で新たに25人の遺体が見つかったと速報した。
国営通信は19日、内務省の声明前の段階で、治安筋の情報として、最終作戦で武装勢力11人と外国人人質7人が死亡したと報じた。7人は武装勢力に殺害されたとしている。一方、アルジェリアの民放テレビ局と中東の衛星放送アルアラビアは、殺された7人に日本人1人が含まれていると伝えた。犯行グループの上部組織とされる「覆面旅団」の広報担当は軍の作戦開始前、モーリタニアの通信社を通じ「外国人人質7人を依然拘束している」と主張。日本人1人のほか米国人2人、英国人1人らとしていた。
イスラム武装勢力が国家の基幹産業である天然ガス施設を襲撃し、外国人を含む数百人規模の人質を取るという例を見ない事件は、軍の強硬策で発生から4日目に結末を迎えた。人質の人命尊重を求めていた関係国の意向よりも武装勢力の制圧を優先した形だ。
北・西アフリカ地域では国際テロ組織アルカイダと関連するイスラム過激派の活動が活発化しており、同種の事件が再発するおそれもある。日本を含む外国企業の活動や投資、邦人の安全確保などに大きな影響が出そうだ。
国営通信は20日、サイード情報相の話として、武装勢力の32人はアラブやアフリカなど6カ国の出身者で構成されていたと伝えた。内務省によると、うちアルジェリア人は3人で、爆発物の専門家も複数いたという。北・西アフリカ地域で活動を活発化させている「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ(AQIM)」の関連組織とされる。軍は重火器など大量の武器を押収した。
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