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株式日記と経済展望
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アフリカ大陸や中国大陸は暗黒大陸であり、強権的長期独裁国家でなければ
政治は安定しないのであり、「アラブの春」によって民主化の安定は無い。
2013年1月18日 金曜日
◆アルジェリア拘束事件の背景にあるマリ戦争 1月17日 酒井啓子
http://www.newsweekjapan.jp/column/sakai/2013/01/post-618.php
突然の事件に、驚いた。アルジェリアでの日本人拘束事件である。
13年前、凄惨な内戦に一応の終止符を打ち、一昨年の「アラブの春」では周辺国で政権が次々に倒れていくのを横目で見ながらも、アルジェリアのブーテフリカ政権は健在だ。反政府デモは少なくないが、原油輸出額は2003年以降急速に伸びていまや内戦時の七倍近く、経済成長率もここ数年2〜3%と、悪くはない。今回被害にあった日揮をはじめ、伊藤忠、三井、三菱など、日本は70年代から大手商社がアルジェリア向けに大型の建設プラントを輸出してきた。
そのアルジェリアで何故このような事件が起きたのか。それは、隣国マリの状況と連動しているに違いない。マリでは1月11日、マリ北部の反乱勢力を抑えようとする政府軍の要請を受けて、フランスが軍事介入、戦争状態に突入したからである。
マリ戦争の原因は、複雑だ。メディアが伝えるような、「北部=イスラーム過激派=アルカーイダ対マリ政府=欧米諸国」、という理解は、短絡的に過ぎる。
まず、政府軍と戦う北部の反政府勢力の根にあるのは、トゥワイレグ部族を中心とした北部の、富の集中する南部との貧富格差に対する不満と、南部からの分離運動である。この分離独立運動は最近のことではなく、アフリカ諸国が独立を果たした60年代初期にはすでに芽生えていた。しかし、政府軍との力の優劣は歴然としており、ほとんど成果をあげなかった。
そのバランスが崩れたのが、「アラブの春」、特に隣国リビアでの政権交代である。内戦状態となったリビアでは武器弾薬が溢れたが、それらが国境を超えてマリ北部に流入、反政府派の手に渡った。また、リビアのカダフィ大佐はアフリカ諸国から多くの傭兵を抱えていた。カダフィ体制崩壊後、これら傭兵は自国に帰還するわけだが、そのことが各国政府軍のバランスを揺るがせる。マリはその典型例だ。元傭兵軍人が戻ったことで、軍内の権力関係が変化し、2012年3月には軍事クーデタが起きた。これらのことが一気に、マリの政府・反政府関係を逆転させることとなったのである。
さらに複雑なのは、北部の分離運動は当初、トゥワイレグ部族を中心に世俗的な民族運動を展開していたのに、そこにイスラーム勢力が加わったことだ。アンサール・ディーンというイスラーム厳格派がそれだが、エジプトのムスリム同胞団などのように、比較的穏健な勢力だとも言われる。むしろ危惧されるのが、「北アフリカのアルカーイダ」や「西アフリカのジハード運動」の存在だろう。彼らはアンサール・ディーンと歩を共にしているが、彼らの多くはマリ人ではなく、内戦時代のアルジェリアやリビアから流入したとも言われる。
周辺国で結成しているECOWAS(西アフリカ諸国経済共同体)やフランスがマリ介入を考えるようになったのは、昨年秋以降、世俗民族運動に代わりこうしたイスラーム勢力が、北部勢力の間で主流を占めたからである。この展開は、まさにアフガニスタンなどで、アルカーイダの台頭と外国の軍事介入の負のスパイラルを起こしてきた過去の事例と同じではないか。ソ連軍の駐留に抵抗し、地元社会に根ざしたタリバンが、国際的に孤立するなかでアルカーイダに協力を仰ぎ、アルカーイダに母屋を乗っ取られる。米軍の軍事介入で一旦は政権転覆されたものの、戦後も再びタリバンは一大勢力を誇っている。チェチェン紛争も、そうだ。チェチェンの民族独立闘争から始まった運動が、ロシアの徹底した弾圧に並行して、抵抗側は外国から来たイスラーム義勇兵への依存を強める。
暴力的なアルカーイダ系と、アンサール・ディーンの関係を断たせればよいに違いない、という政府/仏側の発想も、過去の経験の踏襲だ。イラク戦争後駐留していた米軍は、アルカーイダをイラク社会から孤立させるために、スンナ派アラブの諸部族にカネをばら撒いた。結果、一時期の内戦状態に比べて治安は落ち着いたが、宗派対立の根本的な問題は解消できないままにある。
イラクにせよ、アフガニスタンにせよ、外国、特にアフリカに植民地支配をした経験を持つ国が軍事介入して、効果を挙げられた試しはない。米国はそれに懲りたので、介入には控えめだ。しかし、今回はフランスが先走っている。
そのフランスが期待するのが、アルジェリアだ。内戦を乗り越え、対テロ戦争の経験を持つアルジェリアに、なんとかマリ戦争で主導的立場に立って欲しい――。そんなフランスの秋波に対して、「巻き込まれて自国が再び内戦に逆戻りするのは困る」と、アルジェリアは懸念する。今回の事件は、そのアルジェリアへの「警告」なのだろうか。すでに引きずり込まれてしまったアルジェリアは、今後どう関与するのか。
(私のコメント)
アルジェリアの人質拘束事件で、安否不明の日本人14人のニュースで持ちきりですが、日本人が関係していなければ大きくは報道されないニュースであり、それくらい中東やアフリカ諸国ではテロや武力衝突事件はありふれている。当初はマリにフランス軍が介入したと言ったニュースなどで報道されていましたが、今回の日本人拘束事件も関連した事件のようだ。
問題の根源はリビア内戦ですが、ガダフィー大佐がリビアで長期独裁政権を握っていましたが、「アラブの春」の影響で欧米諸国からの援助で反政府派がガダフィー政権を打ち倒した。リビアは石油産出国だから欧米の石油資本はリビアの石油を前から狙っていた。しかしガダフィー大佐を失脚させれば、彼に雇われていた外人部隊は故郷に帰って暴れ始める。
それがマリのフランス軍介入に繋がっている。アルカイーダの戦士達もリビアから各地に散っていって内戦を引き起こすだろう。シリアの内戦もシリア政府軍とアルカイーダの戦いであり、決して反政府の民主派勢力だけではない。現実的に考えればアフリカ大陸や中国大陸は強権的独裁政権でなければ収まらない地帯であり、国民が民主化を求めても内乱をもたらすだけであり、それに介入して来たアメリカもようやく手を引き始めた。
アメリカは長い間、中東の石油のために軍事介入を続けてきましたが、アメリカ国内に大量のシェールガスやシェールオイルが採掘可能になったために、中東や北アフリカの石油は戦略的な価値が低下して来た。アメリカが長年イスラエルの言いなりになっていたのも、中東に介入する口実の為であり、中東の石油に頼らなくてもよくなればイスラエルの戦略的な価値も低下する。
もちろん日本にとっては、中東の石油は日本のエネルギー資源の大半を賄っているから、むしろ日本が中東に介入する事が考えられるだろう。しかし灯台下暗しで日本にも大量にエネルギー資源があるにも拘らず、そのような科学技術の開発にはカネが回ってこない。大東亜戦争にしても「石油の一滴は血の一滴」と言いながら戦争を始めましたが、満州の大慶油田には大量の油田が眠っていた。
中国のレアメタルにしても、中国は輸出禁輸をしてきましたが代替品が見つかって無価値なものになりつつある。欧米各国が中東やアフリカに軍事介入するのは、多くが地下資源などの思惑の為ですが、それだけの軍事費にカネを使うなら何故技術開発に金を回さないのだろうか? 軍人にとっては戦争は飯の種だから理由をつけては戦争を始めたがりますが、「アラブの春」も「テロとの戦い」も石油がらみの利権の為の戦争だった。
リビアのガダフィー大佐を失脚させたのも、NATO軍の空爆でも分かるように明らかに欧米の介入によるものであり、決して民主化のために国民が立ち上がったものではない。確かに反政府勢力はあったが部族対立のようなものであり、欧米のガダフィ−大佐やエジプトのムバラク大統領を失脚させる為に介入するのは混乱を招くだけだろう。それがリマに飛び火してアルジェリアで人質事件に繋がっている。
アルカイーダもアメリカ軍も戦争で飯を食っているのであり、戦争がなくなると産軍複合体が困る事になる。尖閣の問題にしても、尖閣諸島の海底地下には大量の石油やガスが埋蔵されているとされているからであり、日本はこのような経済水域では世界で6番目の広さを持っている。日本では鉱物資源が無いと戦前から教育されていますが、嘘であり海底地下には石油もガスもレアメタルも有り余るほどある。ただ採掘技術が無いだけだ。
戦前の日本にしても、石油採掘技術に金を回していれば大慶油田や遼河石油も発見できて、当時は500万キロリットルあれば十分だったが、大慶油田は数千万キロリットル産出できた。しかし当時は採掘技術のみならず石油精製技術もなく、軍事予算にばかりカネを使っていた。現在でも政治家は「何故スーパーコンピューターは一番ではなくて二番ではダメなのか」と言う政治家が居るくらいであり、科学技術音痴には困ったものだ。
中東やアフリカで部族紛争や宗教対立などで紛争が絶えませんが、欧米は介入すべきでは無いと思う。日本でも戦前の中国の内戦に介入して失敗しましたが、逆恨みをされるだけであり、将来的に中国で内戦が再び起きても、フランスがマリに介入したような事はすべきで無い。戦前の日本も朝鮮半島や中国大陸(満州)の近代化にカネや人的な援助が行なわれましたが、援助が無くなれば元の暗黒大陸に戻ってしまった。
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