★阿修羅♪ > 国際7 > 248.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
外務省:対イラク武力行使に関する我が国の対応(検証結果)2012/12/21
http://www.asyura2.com/12/kokusai7/msg/248.html
投稿者 手紙 日時 2012 年 12 月 22 日 02:03:24: ycTIENrc3gkSo
 

件名:対イラク武力行使に関する我が国の対応(検証結果)
日時:平成24年12月21日
出典:http://www.mofa.go.jp/mofaj/kinkyu/20/H992012122117445501A/
--------------------------------------------------------------------------------------------
今般,外務省において,2003年のイラク戦争に関する我が国の対応について検証を行った。具体的には,2011年8月末に松本剛明外務大臣(当時)の指示を受け,外務省内で作業を開始し,2002年初めから2003年3月の米英等による対イラク武力行使に至るまでの外務省内における検討や意思決定過程を検証した。

この検証作業は,日本政府が米英等の武力行使を支持したことの是非自体について検証の対象とするものではなく,結果的にイラクに大量破壊兵器が発見されなかった現実がある中で,改めてこの期間の政策決定過程を検証し,もって教訓を学び,今後の政策立案・実施に役立てるとの観点から行ったものである。なお,イラク戦争については,米国,英国,オランダ等いくつかの国において,既に検証が行われている。

作業方法としては,外務省内から,当時の公電,調書等の多数の関連書類を集め,これらの文書を基礎に,一連の事実関係,情報収集及び分析,政策判断過程,情報発信及び広報作業等を調査し,これらの妥当性等についての検討を行った。また,文書から得られる情報を補完し,より正確な事実関係を把握するため,当時の省内関係者へのインタビューを実施した。

これらの作業を経て,今般,玄葉光一郎外務大臣に報告が行われた。
 
本件報告は,以上のように今後の政策立案・実施に役立てるとの観点からなされたものであり,今後の教訓等として報告で指摘された主なポイントは,別添のとおりである。ただし,報告の中には,関係国政府とのやり取り等,そのまま公開した場合には各国との信頼関係を損なうおそれの高い情報等が多く含まれていることから,報告そのものの公表は行わない。

(以下PDF)
報告の主なポイント
<経緯>
●1990年のイラクのクウェート侵攻以降,イラクの大量破壊兵器の問題は国際社会の大きな懸念であり,多くの安保理決議も採択されていた。特に1990年代後半以降,イラクは国連及び国際原子力機関による査察を拒否・妨害するなど非協力的対応を続け,これに対し米英軍がイラク軍事施設を空爆するなど緊張が継続していた。

●2001年9月の米国同時多発テロ事件の後,2002年1月のブッシュ米大統領(当時)の一般教書演説における「悪の枢軸」演説を一つの契機として,イラク問題の緊張が高まった。

●2002年11月には安保理決議1441が全会一致で採択され,イラクに対して武装解除の義務履行の最後の機会であること等が決議された。その後もイラクの安保理決議違反が継続する中で,2003年2月24日には,米英西がいわゆる第2決議案を提案したが,安保理における意見対立が明らかとなり,3月17日(日本時間18日),米英西は同案を取り下げ,同日,ブッシュ米大統領はイラクに対して最後通告を行った。同18日,小泉純一郎内閣総理大臣(当時)は,米国の方針を支持することを表明し,武力行使が行われる場合はこれを支持すると述べた。また,同20日,米英等による武力行使開始を受け,小泉内閣総理大臣は,改めてこれを支持する旨表明した。

<我が国の外交努力>
1. 外務省としては,当初から一貫して,国連を中心とした平和的解決を目指すとともに,国際的な連帯を確保して問題解決を図ることが重要との観点から外交努力を行った。2002年1月のブッシュ米大統領の一般教書演説の後, 外務省内において,総合外交政策局の総合調整の下,我が国の対応についての検討作業が開始された。同年7月に国連事務総長の対話努力が行き詰まり,軍事行動に向けた準備状況に関する報道等もあって,対イラク武力行使の蓋然性が改めて高まったことを受け,イラクの査察受入れがあくまでも第一であること,そのためにも国際的なコンセンサスを形成する努力が必要であること等の基本的な考え方をとりまとめた。これを踏まえ,米国に対しては,武力行使の前に外交的手段を尽くすべきであり,国際的連帯が必要であるとの考え方を繰り返し伝達するとともに,その他の関係国に対しても,イラクによる査察無条
件受入れに向けた新たな安保理決議の採択について累次働きかけを行った。

2. このような働きかけもあり,2002年11月に安保理決議1441が採択され,これを受けて我が国は,事態の平和的解決に向け,国際協調の維持とイラクの査察受入れのための外交努力を継続して実施した。イラクに対しては,無条件の査察受入れを粘り強く働きかけたほか,安保理メンバー国に対して,イラクの決議履行を促すための第2の安保理決議の採択を目指すよう累次の働きかけを実施し,さらに,イラク周辺国に対しても,総理大臣特使の派遣等を通じ,イラクによる査察受入れの重要性について働きかけた。こうした関係国への働きかけは,2003年2月下旬から3月にかけて,米英等の武力行使直前まで継続して行われた。

3. 3月17日のブッシュ大統領による最後通告演説直後(日本時間18日),小泉内閣総理大臣がぶら下がりインタビューにおいて,イラクが平和の道を選ばなければ武力行使に訴えざるを得ないとの米国の方針を支持する旨を表明し,また,同インタビューにおける記者からの質問に対し,米国が武力行使に踏み切った場合これを支持すると発言した。さらに,イラクが12年間にわたって累次の安保理決議に違反し続け,査察に対する十分な協力姿勢を示さず,平和的解決のための「最後の機会」を受入れない中で,20日の武力行使開始後に,内閣総理大臣記者会見及び内閣総理大臣談話をもって,改めて武力行使支持を表明し,併せて緊急人道支援,周辺国支援等を含む我が国の措置を発表した。

<教訓と今後の取組>
1.この期間における外務省の対応において,以下の諸点については概ね適切な対応がなされたものと思われる。

(1)イラク問題の平和的解決と国連を中心とする国際的連帯を重視し,関係国(特に米国)との意思疎通を緊密にし,外交的働きかけに努力したこと。

(2)官邸を始め,政治サイドに情報を提供し,随時必要な指示を得,また政治的判断を仰いだこと。

(3)総合外交政策局の総合調整の下,中東アフリカ局を始めとする関係各局間の連携を強化し,情報収集・共有を図ったこと。

2.一方,以下の諸点については,今後の外交力強化の課題として検討すべきものと思われる。

(1)この時期,イラク問題が我が国の最重要外交課題の一つであるとの認識の下,在外公館及び本省において,関連情報の収集に最大限努めていた。その中で,大量破壊兵器の隠匿に関する情報についても,関係国政府や国際機関関係者等から幅広く収集しており,当時は,イラクが大量破壊兵器を隠匿している可能性があるとの認識が国際社会で広く共有されていたが,調査の結果,当時,イラクに大量破壊兵器が存在しないことを証明する情報を外務省が得ていたとは
確認できなかった。

(2)査察への全面的な協力を通じて大量破壊兵器の廃棄等を自ら証明すべき立場にあったのはイラクであり,武力行使は,イラクが安保理決議に違反し続け,査察に対して消極的な対応に終始したことによってもたらされたものであるが,事後イラクの大量破壊兵器が確認できなかったとの事実については,我が国としても厳粛に受け止める必要がある。将来同様の事態が生じることを回避するためには,

(ア)更に多様な情報源からの情報収集能力を強化すること,また,情報分析については,多様な情報源からの相異なる情報の比較・相互検証をより効果的・効率的に行うために,情報分析について一層の工夫(例えば,本省と在外公館の連絡強化,地域専門家や特殊語要員の維持・強化等)を行うこと,

(イ)収集・分析した情報を外交政策に効果的に活用するために,政策部局からのきめ細かい情報要求等を通じて,政策担当部局と情報担当部局の一層の連携を図ること,

(ウ)当時の情報源のほとんどが各国政府及び国際機関関係者であったと見受けられることに鑑み,国内外の専門家の意見や分析を一層活用すること,等を重視することが重要である。

(3)「イラクにおける大量破壊兵器の存在」など,国際的に概ね認識が一致していたような情報といえども敢えて批判的な視点から分析し,政策の検討を行っていくことが重要であろう。

(4)米国はもちろんのこと,英,仏,独,イラク,イラク周辺国等との関係でも,電話会談を含む首脳・外相レベルでの接触や総理大臣特使の派遣を始め,要所要所で,政治レベルによる働きかけを行っている。これらの効果を一層高めるため,特に首脳レベルを始め二国間の相互信頼関係をますます強固にしていく必要があろう。

(5)本件に対する国民の理解を得るための広報の重要性は早くから認識されており,また,ホームページを含め種々の努力が払われてきたが,国民への説明方法等につき,一層の改善をする余地があると思われる。
(了)
--------------------------------------------------------------------------------------------
//Memo
//Hitokoto  

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
01. 2012年12月22日 14:08:48 : YxpFguEt7k
山脇直司氏
「開戦当時、フロントページで岡崎久彦氏のネオコン賞賛の記事などを載せて、イラク戦争を強烈に支持した大新聞の弁明です。」
https://twitter.com/naoshiy/statuses/282307527239159809

ゴミウリ読者…
釣られるねぇ… 毎回毎回すごい釣果だ。


02. 2012年12月25日 21:30:54 : YxpFguEt7k
秋原葉月氏
「あいた口がふさがりません。これが国家が何年もかけて検証して出した結論ですか。本当に「恥ずかしい国、日本」を取り戻しましたね。」
http://blogos.com/article/52884/

国家の恥、安倍晋三氏。


  拍手はせず、拍手一覧を見る

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
  削除対象コメントを見つけたら「管理人に報告する?」をクリックお願いします。24時間程度で確認し違反が確認できたものは全て削除します。 最新投稿・コメント全文リスト
フォローアップ:

 

 次へ  前へ

▲このページのTOPへ      ★阿修羅♪ > 国際7掲示板

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。

     ▲このページのTOPへ      ★阿修羅♪ > 国際7掲示板

 
▲上へ       
★阿修羅♪  
この板投稿一覧