★阿修羅♪ > 国際7 > 132.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
袋叩き?の中国〜中国株式会社の研究(185)  大統領選討論会に見る米国の対中意識
http://www.asyura2.com/12/kokusai7/msg/132.html
投稿者 MR 日時 2012 年 10 月 19 日 00:08:11: cT5Wxjlo3Xe3.
 

JBpress>海外>中国 [中国]

袋叩き?の中国〜中国株式会社の研究(185)

大統領選討論会に見る米国の対中意識


2012年10月19日(Fri) 宮家 邦彦

米ニューヨーク州ヘンプステッドのホフストラ大学で行われた第2回テレビ討論会で激論するオバマ、ロムニー両候補〔AFPBB News〕

 昨日(日本時間17日午前)は米大統領選の第2回テレビ討論会を東京の自宅で「観戦」した。

 多くのメディアは論戦の具体的内容よりも、討論会終了後のオバマ、ロムニー両候補への支持率の変化を報じていた。結果は予想通り、今回はオバマ候補が一応巻き返しに成功したというところか。

 例によって、筆者の視点はちょっと違う。1976年のカーターvsフォード以来、大統領選観戦は今回が10回目、過去36年間の候補者討論会は全て見てきた。ソ連を除けば、民主・共和両候補がこれほど揃って特定の主要国を批判した討論会はちょっと記憶にない。

両候補の中国関連発言

 論より証拠、まずは第2回討論会での両候補の中国関連主要発言を幾つか御紹介しておこう。今回両候補は90分間の討論会の中で、合計21回も「中国」に言及している。しかも、その内容は「中国株式会社」の貿易・通貨政策に対する厳しい批判ばかりだ。

【ロムニー候補】
中国が詐欺を働けば、自分はこれに厳しく対応する。

Cracking down on China when they cheat.

【オバマ候補】
ロムニー候補は中国に厳しいと言うが、彼は中国にアウトソースする米企業に投資したことがあり、現在も、中国国民をスパイする監視装置を中国のために製造する企業に投資している。ロムニー候補、貴方は決して中国には厳しくなれない。

When he talks about getting tough on China, keep in mind that Governor Romney invested in companies that were pioneers of outsourcing to China, and is currently investing in countries -- in companies that are building surveillance equipment for China to spy on its own folks. Governor, you’re the last person who is going to get tough on China.

【ロムニー候補】
貿易ではルール遵守が基本だが、中国はルールを守ってこなかった。中国は長年にわたる通貨操作国だ。オバマ大統領は中国を通貨操作国と認定する機会がありながら、これを拒否している。

…as we trade with other nations that they play by the rules, and China hasn't. China has been a currency manipulator for years and years and years. And the President has a regular opportunity to label them as a currency manipulator, but refuses to do so.


ロムニー氏は大統領に選ばれたら、就任初日に中国を「為替操作国」に認定すると話している〔AFPBB News〕

自分は大統領就任初日に中国を通貨操作国と認定する。これにより、必要であれば大統領として、米国製造業に対する中国の不公正な優位に対し関税を課すことが可能となる。

On day one, I will label China a currency manipulator, which will allow me as president to be able to put in place, if necessary, tariffs where I believe that they are taking unfair advantage of our manufacturers.

【オバマ候補】
大統領に就任以来、我々は中国に強く圧力を掛けたので、実際に中国の通貨は11%切り上がった。

The currency’s actually gone up 11% since I’ve been President because we have pushed them hard.

貿易についても我々は中国に前例のない圧力を掛け、大統領任期中に米国の対中輸出は著しく増加している。

We put unprecedented trade pressure on China, that’s why exports have significantly increased under my presidency.

【ロムニー候補】
中国は長年にわたり詐欺を続けている。第1に通貨価値を下げることにより、第2に知的財産権――我々のデザイン、特許、技術――を盗むことによってである。

China has been cheating over the years -- one, by holding down the value of their currency; number two, by stealing our intellectual property -- our designs, our patents, our technology.

場外乱闘

 要するにどちらが中国により厳しくなれるかを競っているわけだ。中国にとってはこれ程不愉快な討論会はない。更に、中国を巡っては一種の「泥仕合」としか思えないような見苦しいやり取りもあった。以下の応酬は恐らく報じられていないだろうから、ご参考までにご紹介する。

【ロムニー候補】
(別の議論の最中に突然発言を始め)大統領、貴方は御自分の年金を見たことがありますか?

Mr. President, have you looked at your pension?

【オバマ候補】
私は見たことがありませんよ。でも私のは貴方の年金ほど多くはありませんから、あまり時間は懸からないでしょうがね(笑)。

You know, I don’t look at my pension. It’s not as big as yours so it doesn’t take as long. (Laughter.)

【ロムニー候補】
ひとつアドバイスを差し上げましょう。

Let me give you some advice.

【オバマ候補】
私はそれほど頻繁に(年金)はチェックしていませんから。

I don’t check it that often.

【ロムニー候補】
ご自分の年金を見てください。貴方も中国企業に投資しています。あなたも米国外に投資しています。あなたもケイマンの信託を通じて投資しているのですよ。

Look at your pension. You also have investments in Chinese companies. You also have investments outside the United States. You also have investments through a Cayman’s trust.

対中評価の低下

 こうしたやりとりを「米国大統領選挙でよく見られるキャンペーンレトリック」と一笑に付すことは簡単だ。実際に1980年代、当時の「日本株式会社」に対しても似たようなレッテル張りが行われた。今振り返ってみても、日本は随分酷い仕打ちを受けたものだと思う。


ビル・クリントン氏も大統領選では厳しい対中批判を繰り返していた〔AFPBB News〕

 そういえば、筆者がワシントンに在勤していた1992年の大統領選挙で、ビル・クリントン候補が反中キャンペーンを展開していたことを思い出した。

 クリントンといえば、今では親中大統領の代名詞のように言われるが、20年前はかなり厳しい対中批判を繰り返していたのだ。

 勿論、そんなことで動じる中国ではない。当時中国政府関係者は、「大統領選挙中は無責任な対中批判も出るが、実際に政権を握れば、新大統領は必ず中国の意向を尊重するようになる」と豪語していた。この傾向は2000年北京で見た米大統領選挙の際も同様だ。

 しかし、今回は明らかに従来とは違う。ロイターのコラムニストが今回の中国叩きは過去と異なる「不吉な前兆」と題し、「今回の選挙戦では、一連の対中批判がこれまでの政治的駆け引きを超えるものになる兆候が顕著になってきた」と書いた。筆者も全く同感だ。

新しい米中関係の始まり

 どうやら、今回の選挙戦を通じて明らかになりつつあることは、現在米国内で対中評価が微妙ではあるが、確実に変化していることのようだ。中国はこのことをどれだけ理解しているだろう。

 正確な理解だろうか。それとも、従来同様、「米国の新政権は、大統領選挙後、必ず中国の話を聞くようになる」といった昔ながらの都合の良い記憶を持ち出すのか。中国側の対応次第では、米中関係は益々難しいものになるだろう。

 確かに1980年代に「日本株式会社」のあり方が批判されたのは事実だ。しかし、当時から日本は腐っても「同盟国」、大統領選討論会で批判されることはあっても、今回のように執拗かつ露骨な批判を受けることはなかった。これが「中国株式会社」との最も大きな違いだ。

 11月の共産党大会で新指導部に選ばれる中国の要人たちがこの点を正確に理解することを祈りたい。大多数の紛争は誤算から生まれている。中国側に日米国内のこうした変化を読み誤まらせてはならない。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/36348  

  拍手はせず、拍手一覧を見る

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
  削除対象コメントを見つけたら「管理人に報告する?」をクリックお願いします。24時間程度で確認し違反が確認できたものは全て削除します。 最新投稿・コメント全文リスト
フォローアップ:

 

 次へ  前へ

▲このページのTOPへ      ★阿修羅♪ > 国際7掲示板

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。

     ▲このページのTOPへ      ★阿修羅♪ > 国際7掲示板

 
▲上へ       
★阿修羅♪  
この板投稿一覧