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週刊実話 2013年5月23日 特大号
国際記念物遺跡会議(イコモス)の勧告により、日本で17番目の世界文化遺産となる運びの富士山だが、専門家の間では“噴火秒読み”の懸念がさらに深まっている。
「富士五湖の一つ、河口湖は今年に入り水位が3メートル以上低下し、湖面に浮かんで見えていた六角堂が岸から地続きとなっている状態です。無くなった水は干上がったのではなく、地下に流れ込んでいる可能性もある。となれば、岩盤に力が加わり亀裂ができていることになります」(サイエンスライター)
また、富士山山頂から北東に5キロの滝沢林道では、長さ300メートルにわたり地割れが発見されている。これらの地下の異常が、まさに噴火の前兆というわけだ。
「専門家の指摘によれば、マグマ溜りの位置を示す低周波地震の震源も、地下20キロだったのが東日本大震災後には地下数キロまで浮上している。さらに中腹からは水蒸気が立ち上がっているのが観測された他、風穴の氷柱が減少し、西湖の洞窟にすむコウモリも一勢に逃げた。これらも噴火の前兆現象と取れます」(社会部記者)
江戸の町を灰で覆い尽くした最後の富士山噴火、宝永大噴火からすでに300年が経っている。そのため、溜め込んだエネルギーも計り知れないという。
「宝永大噴火では火山灰の被害が中心でしたが、貞観の大噴火(864年)の際には溶岩流が大量に流れ、青木ヶ原の樹海や西湖、精進湖を作ったほどです。今後噴火した際には、この時と同じように大量の溶岩が噴き出し、破壊的な活動が起きるとされています」(前出・サイエンスライター)
この状況で世界遺産登録している場合なのか。喜ばしい反面、脅威は増すばかりだ。
「仮に富士山が噴火して白糸の滝が渇水したり、浅間神社が溶岩で流されたりすれば、6年ごとの登録見直しの際、抹消されることもありますからね。しかし、富士山は活火山なので、やむを得ません」(ジャーナリスト・大谷昭宏氏)
最悪の事態が起こらないことを祈るばかりだ。
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