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http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130424-00000620-playboyz-soci
週プレNEWS 4月24日(水)14時10分配信
兵庫県淡路島付近を震源とする最大震度6弱、M(マグニチユード6.3)の強い地震が起きたのは4月13日早朝のこと。
この地震で重軽傷者32名、家屋半壊42棟(洲本[すもと]市)、一部損壊2342棟(淡路市、明石市、加古川市、洲本市、南あわじ市の5市)の被害(4月18日時点)が発生したものの、死者はゼロだったためか、一部では「18年前の阪神大震災の余震だろう」というのんきな声も聞こえてくる。
では、実際の現地の様子はどうなのか? 現地に飛んだ。
まずは神戸市から明石大橋を渡り、淡路市へ。
すると、現地の状況はいたって平静。ブルーシートで覆われた損壊家屋などが散見されるようになったのは、淡路市からさらに南下して洲本市に入ってからだった。
ところが、ここでも住民は落ち着いた様子。60代の男性がこう証言する。
「ガタガタと小刻みな揺れだった。強さ? 18年前の阪神大震災に比べると、ずっと小さい。揺れている時間も3分の1、4分の1くらいのもの。今回の地震が大震災並みに長く、強く揺れていたら、このくらいの被害じゃ済んでへんわ」
震度6弱なのに大したことないって……どういうこと?
だが、さらに洲本市内を取材すると、ある事実が判明した。実は今回の地震被害は同じ洲本市内でも、海岸沿いの炬口(たけのくち)地区に集中していたのだ。
自宅の屋根瓦の半分が滑落したという炬口地区の男性がこう振り返る。
「朝、ストーブにあたっていると突然、ゴーッという地鳴りがして強い横揺れが襲ってきました。明らかに阪神大震災のときよりも強い揺れでした。ただ、揺れ方が違った。18年前は強い揺れがゆっくりと大きくやってきたが、今回はカタカタと速いピッチで東西方向に揺れた。ストーブ上のコップは吹っ飛ぶし、柱は目に見えてきしむし、本当に怖かったです」
やはり、洲本市の海岸沿いにある川傍(かわぞえ)町の町内会長(65歳)もうなずく。
「阪神大震災のときにはもちこたえたのに、今回の地震で瓦が崩れ落ちた家が何軒もあります。被害が大きかった家の住人を当面どこに避難させるか、町内のみんなで相談しているところです」
被害が特定の地域に集中したことについて、淡路島の地層に詳しい立命館大学・歴史都市防災研究センターの高橋学教授はこう説明する。
「淡路島の中央の山間部周辺は大阪層群と呼ばれる締まった地盤で、地震があってもそうそうたやすく家屋が倒壊することはありません。ところが、洲本市など淡路島南方の平野部は縄文時代に海だったところ。それだけに地盤も軟らかく、言ってみれば豆腐やプリンのような状態なんです。海沿いの被害が集中した地域はそうした軟らかい地盤のところだったのでしょう。当然、揺れも激しく、甚大な被害が発生することになります」
なるほど。そういうわけか。
それにしても、気になるのは今回の地震が、将来起こると予測されている南海トラフ巨大地震と関連があるのかどうかだ。
政府の地震調査委員会は「今回の地震だけで、南海トラフ地震の切迫度を議論するのは難しい」と述べるにとどめているが……。
しかし、前出の高橋教授はこう警告する。
「今回、淡路島で起きた地震は直下型。これは来(きた)るべき南海トラフ大地震の前兆と考えるべきです」
南海トラフとは四国の南、水深4000mの海底にある深い溝(トラフ)のこと。
南海トラフではユーラシアプレートの下に北上を続けるフィリピン海プレートが沈み込み、巨大なエネルギーが蓄えられる。そのため、このエリアでは過去、M8級の巨大地震が70〜100年周期で発生している。
「フィリピン海プレートは年間4cmずつ沈み込んでいます。それに引き込まれる形でユーラシアプレートがたわみ、プレート上の至る所にひびが入ってしまう。このひび割れによって起きる揺れが直下型地震で、今回の淡路島地震もそのひとつです。ユーラシアプレートがさらにたわみ、耐えきれずプレート自体が跳ね返ると、海溝型の大地震が発生すると考えられています。今回の淡路島地震が南海トラフ巨大地震の前兆というのはそのためです」(高橋教授)
南海トラフ大地震が起こると、日本は壊滅的な被害を受ける。
「2011年の東日本大震災で約2万人の死者・行方不明者が出ましたが、それで済んだのは被災地が人口過疎地だったから。南海トラフ大地震は日本列島太平洋側の人口密集地帯を襲い、その被災地人口は約4700万人になります。東日本大震災並みに居住人口の1%の犠牲者が出ると仮定すると、死者は約47万人になる計算です。この被害の大きさを考えると、いくら警戒しても、しすぎるということはありません」(高橋教授)
ムムム。それでは南海トラフ大地震はいったい、いつ発生するのか?
地震災害史に詳しい有賀訓(あるがさとし)氏はこう予測する。
「南海トラフでの巨大地震は最古の記録である白鳳(はくほう)地震(684年)から前回の昭和南海地震(1946年)まで12回発生しています。その周期は70〜100年ほど。しかも、その直前には必ず、西日本を震源とする局地的かつ大きな地震が起きています。私は、今回の淡路島地震は南海トラフ大地震前に起きる大きな地震ではないかと考えています。もし、次の南海地震の周期を最も短い70年とすると、前回の昭和南海地震があったのが1946年ですから、その70年後は2016年ということになります」
2016年! ということはたったの3年後?
不気味なことに、ここ最近、淡路島地震以外にも各地で大きな地震が起きている。例えば、4月17日だけを見ても三宅島近海(M6.2)、宮城県沖(M5.8)、与那国島(よなぐにじま)近海(M5.2)と相次いで揺れが観測される事態だ。
「三宅島、与那国島近海の地震もそれぞれ、フィリピン海プレートが北上して日本列島側のプレートに潜り込んだことで起きており、淡路島地震と同じメカニズムといえます。つまり、これらの地震もプレート間の溝である南海トラフに今、強烈な圧力がかかっているという証なのです」(有賀氏)
3年後に起きてもおかしくない南海トラフ大地震。今から万全の備えをしておくべきだ。
(取材/週プレ地震取材班)
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