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都市部の大地震で、もっとも警戒すべきは建物の下敷き。救出された人の8割が、隣人によって助けられたというデータがある(写真はイメージです)
地震発生後、18時間以内に救ってもらえる隣人の有無が生死を分ける
http://netallica.yahoo.co.jp/news/20130411-00000146-playboy
2013/4/11 14:00 - 週プレNEWS
3・11のあまりの衝撃に記憶が薄らいでいる人も多いかもしれないが、近い将来、首都圏を襲うであろう大地震から生き延びるには、18年前のあの悲劇から学ぶことがあまりに多い。それは当たり前のようで、今やとても軽視されていることだったりする。
図表入りで読むにはコチラ!
http://wpb.shueisha.co.jp/2013/04/11/18146/
■自衛隊も消防も警察も人手不足!
現在、「震災」という言葉を聞いて多くの人が思い浮かべるのは、やはり「3・11」のことであろう。無理もない。人間は“直近の衝撃”が最も鮮明に記憶される生き物だからだ。しかし、特に首都圏に暮らしている人、あるいはこの春から暮らし始める人が絶対に忘れてはいけないのが、1995年1月17日、午前5時46分52秒に発生した「阪神・淡路大震災」のことである。この地震では、約5500人の死者(災害発生後の疾病など「関連死」を除く)のうち、実に約8割もの人が倒壊した建物の下敷きになって死亡している(図1)。首都圏を大地震が襲ったとき、津波以上に恐ろしいのは、この「建物の下敷き」と火災だ。
さらに図2で明らかなように、下敷き状態から救助された場合も、「その日のうち」に救い出されたか否かで生存率は大きく変わってくる。当日の救助では約75%だった生存率が、翌日だと一気に約24%まで低下しているのだ(地震発生が午前6時前だったため、“当日中”という意味で本特集のタイトルは「18時間以内」としているが、少しでも早いほうがいいのは当然だ)。
そして何より忘れてはいけないのが、救助活動の際、警察・消防・自衛隊といった公的機関は圧倒的に人手不足となり、救出された人の約8割が、「近隣の人たち」によって生命をつなぎとめていたという事実である!(図3)
ここまでの話をまとめると、以下のようになる。
「古い家屋も多く、建物が密集した都市部の大地震では、家屋の下敷きになる危険性が非常に高い。その場合、少しでも早く救出されることが生死の境目となるが、そこで頼りになるのは、公的機関よりも家族や近隣の住民である」
■500円の手土産で始まるお付き合い
防災・危機管理アドバイザーの山村武彦氏(防災システム研究所所長)は、阪神・淡路大震災などの教訓を踏まえ、首都圏に暮らす人、暮らし始める人に、次のようなアドバイスをしてくれた。
(1)(そもそもの話だが)倒壊しない建物に住みたい
「監察医の調査結果によれば、兵庫県内で亡くなった方の92%は、地震発生後14分以内に亡くなっています。やはり、一瞬で壊れない建物を選びたいものです。通し柱(土台から軒までの継ぎ目のない柱)の基準・検査などが義務づけられた新耐震基準(2000年以降)をクリアしているかは安心の目安となります」
(2)初期微動(P波による、最初の小さな揺れ)のうちに行動を起こす癖をつける
「建物は崩れなくても、ドアが変形し、脱出不能となるケースがあり、通常のマンションの30%にその危険があるといわれています。大きな揺れ(S波)が始まってしまうと、立つことも歩くことも困難になりますから、数秒間の小さな揺れのうちにドアを開け、脱出経路を確保しましょう。初めて経験する大地震は、体が凍りついて動けなくなってしまいがちです。地震が起きるとすぐテレビをつける習慣の人も多いですが、そんなすぐに正確な情報は出ませんし、普段の小さな地震のときから行動する癖を体にしみつかせておくべきです」
(3)隣近所にあいさつしておく
「中国では『遠水(えんすい)は近火(きんか)を救わず』、日本では『遠くの親戚より近くの他人』と昔からいうように、いざというときに一番頼りになるのは、近隣の人なんです。ですから、マンションやアパートだったら、両隣と上と下の階、つまり、壁や天井、床でつながっている部屋に住んでいる人には、あいさつしておきましょう。閉じ込められても、壁を叩いたり大声を出したりすれば聞こえる可能性がありますから。しかし、引っ越しのあいさつも昔は当たり前のことだったんですけどね……」
確かに、図4、5からもわかるように、賃貸アパート・マンションに住む人の半数以上は「隣人を知らない」状態(当然、向こうも自分を知らないはず!)であり、引っ越し時のあいさつも、半数以下しか行なわれていない。しかしここまで本特集を読めば、ご近所付き合いがいかに重要かは、もはや明白。ちなみに、引っ越しのあいさつなら500円程度のタオルやお菓子、サランラップや洗濯洗剤などで十分とされている(ひとり暮らしの女性の場合はナーバスな問題だろうけれども)。「引っ越してもう何年もたつんだけど……」という人は、今からでも遅くない、顔を見たらあいさつしてみることから始めてみたらどうだろう。
「それだけでも印象はまったく変わってきますからね」
最後に、山村氏はこんな話をしてくれた。
「東京都をはじめ、さまざまな被害予測が出されていますが、地震というものは同じ震度であっても、震源地や揺れの周期、発生時刻などで被害状況は大きく変わってきます。ですから『この地区は危険でこの地区は安全』といった予測に頼りすぎず、最悪に備え平時から生き延びる努力をしてほしいと思います。
また、今回の特集は『救ってもらえるお付き合い』という内容ですが、プレイボーイを読んでいる若い方は体力もありますから、『自分が周りの人を助ける』という気持ちでいてほしいですね。そうした使命感、緊張感は、必ず自分が生き延びるためにもプラスに働きますから」
(撮影/井上太郎)
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