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全国民必読 自分の命は自分で守れ!時速300kmで走行中に巨大地震発生 助かる方法はあるのか M9南海トラフ大地震 そのとき東海道新幹線はどうなる?
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/35386
2013年04月09日(火) 週刊現代 :現代ビジネス
――どこも報じない、いまそこにある恐怖
■第1部 そろそろやってくる巨大地震と新幹線 「地震対策」の空白地帯
日本が世界に誇る夢の超特急・新幹線。脱線・衝突による乗客の死亡事故はゼロ。だが、迫り来る巨大地震と富士山噴火でも「絶対安全」と言い切ることができるのか。
東日本大震災から2年が経ったいま、日本を再び巨大地震が襲う日が近づいているのではないか、という不安が高まっている。
政府は昨年8月に引き続き、今月18日に南海トラフ巨大地震の被害想定を発表し、最大で220兆円超の経済的損失が発生する恐れがあるとして、地方自治体や企業にあらためて対策を呼びかけた。
あの大震災以来、日本は地殻変動の活動期に入ったとされる。非常事態はまだまだ続いているのだ。
そして私たちは、東日本大震災が残した重い教訓も忘れてはならないだろう。
地震と津波によって発生した、福島第一原子力発電所の未曾有の大事故。
それまで原発では「安全だから事故など起こらない」「起こらない事故の想定はしなくていい」という、とんでもない論理がまかり通っていた。いわゆる「安全神話」だ。
次なる巨大地震が刻一刻と迫るなか、もはや私たちにこのような安全神話は許されない。あらゆる分野で、常に最悪の事態を想定し、何ができるかを検討しておく必要がある。
そこで今回、本誌が注目したのが、年間にのべ約1億4300万人('11年度)が利用する東西交通の大動脈・東海道新幹線。その安全対策はどのように行われているのか。技術評論家の桜井淳氏はこう語る。
「東日本大震災の際、営業運転中だった東北新幹線は1両も脱線しませんでした。
しかし、これは大変な幸運によるものであって、M9クラスの地震になっても新幹線は大丈夫なんだと短絡的に考えるのは間違いだと私は思いますね」
たしかに、新幹線は安全な乗り物というイメージが強い。'64年、東京オリンピックの年に東海道新幹線が開業して以来、脱線・衝突など走行中の事故による乗客の死亡者数はゼロ。
国際的にも評価は高く、今年3月にはインドが日本政府との間で導入を基本合意したと報じられるなど、日本の花形商品なのだ。
東海道新幹線の地震対策と南海トラフ大地震
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その東海道新幹線は、地震対策の要として、早期地震警報システム「テラス」を導入している。
「地震には、速く伝わる細かい震動、P波(初期微動)と大きなエネルギーを持ったS波(本震)があります。
テラスはP波を検知して、すぐに電力の供給を絶ち、大きな揺れが到達する前に新幹線の速度を落とす仕組みなのです」(桜井氏)
JR東海によると、テラスで地震を検知して電力を絶つと、時速270km(営業運転の最高速度。山陽新幹線の区間では時速300kmが最高速度)で走行していた場合、新幹線は最大約4km進んで止まる。かかる時間は約90秒だ。
だがそれでも、東海地震や南海トラフ巨大地震でこれまでの常識が覆される可能性は否定できない。前出の桜井氏はこう話す。
「東海道新幹線のコースにはカーブが多く、アップダウンも激しい。フランスなど外国で高速鉄道を運行している関係者からは『東海道新幹線はジェットコースターだ』と言われるくらいなのです。停止するまでの4kmの間にカーブにさしかかり、本震の大きな揺れを受けた場合、遠心力で外側にずれて脱線・転覆することも考えないといけない」
万が一、脱線・衝突が起これば、軽量化のため柔らかいアルミ合金で作られた車体は大きくひしゃげ、多数の死傷者が出る可能性は否定できない。
107人の犠牲者を出したJR福知山線の脱線事故でさえ、事故時の列車の速度は時速約116kmとされる。もし仮に、脱線によって、向かい合ってすれ違う新幹線同士が接触するような事態となれば、相対速度は時速500kmを超え、被害は計り知れないのだ。
こうした事態を防ぐために導入されているのが、脱線防止ガードだ。車輪の乗るレールの内側に、並行して左右2本、レールのような器具が設置される。車両が脱線しかけた際は、車輪をレールとの間に挟みこんで押さえ、浮き上がりを防止する仕組みだ。
JR東海は今年3月までに、この脱線防止ガードを新幹線が高速で通過する分岐器(ポイント)の手前など総延長70kmの範囲に設置している。
さらに'03年に政府が発表した東海地震の震度予想に基づき、震度6強以上の揺れが想定される区間、総延長124kmへの設置も進めている。工事完了は7年後、'20年3月の予定だ。
だが、実はこの計画だと対策の空白地帯となってしまうエリアがある。右の図を見てほしい。南海トラフ巨大地震の震度予想と比較すると、愛知県の豊橋駅から名古屋駅周辺の地域に、計画から取りこぼされた震度6強以上の地域があることが分かる。
もちろん、新しく発表された震度予想に従来の計画が対応していないのは当然だ。そこでJR東海広報部に、今後この区間についても追加的な地震対策を行う予定があるかを訊いた。
■津波にのまれる可能性
「東海道新幹線は東京~新大阪間の全線にわたり、震度7クラスの阪神淡路大震災と同じレベルの直下型地震を踏まえた高架橋柱、橋脚、盛り土などの耐震補強対策を実施しており、地震対策の見直しは必要ないと考えています」(同社)
では、仮に脱線防止ガードのない区間を走行中に震度6強以上の揺れに見舞われたらどうなるのか。
「東日本大震災における東北新幹線の実績からも安全に列車を停止させることができると考えております」
一方、南海トラフ巨大地震の被害想定で私たちが度肝を抜かれたのが、巨大な津波の高さの予想だった。
東海道新幹線は開業時から、踏切を作らないようにするため全面的に高架や高い盛り土のうえを走っている。JR東海も、「(政府発表でも)東海道新幹線は津波による浸水を受けない想定となっております」としている。
しかし、静岡県の浜名湖付近では15m前後の津波が予想されるほか、愛知県豊川市内を流れる佐奈川の橋梁付近では最大10mの浸水が想定されるなど、津波が新幹線に肉薄する地区は複数ある。ここで東日本大震災のように、背の高い船などが流されてくれば、橋梁などに被害が出ることも想像に難くない。
対策を重ねても、被害がその上を行ってしまうのが自然災害の常。今後のさらなる対策に期待したい。
■第2部 これだけは知っておこう 新幹線で大地震「ここに乗っていれば大丈夫」
「あなたを救う」新幹線乗車のミニ知識
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さまざまな安全対策がほどこされていてもなお、未曾有の大震災では何が起こるか分からない新幹線。私たち一般の乗客が自分の命を守るためにできることは何だろうか。
「たしかに、走行中の新幹線の車内で巨大地震に遭遇しても、私たち乗客にできることは限られています。
それでも、いくらかは被害を減らすことができるかもしれないポイントはあるのです」
文部科学省の地震調査研究推進本部政策委員会などで委員を務める、危機管理アドバイザーの国崎信江氏はこう語る。
「たとえば、車内で緊急地震速報などを聞いたら、航空機の緊急時などと同じように、椅子に深く腰掛けて、頭を抱えて上体を倒す姿勢を取ること。これは万が一のときの大きな衝撃に耐えるためです」
さらに、そもそも新幹線に乗り込む前にできる地震への備えもあるのだ。
「それは座席を選ぶ際に、わずかな違いではありますが、より危険を避けられる位置を選ぶことです。
JR福知山線の脱線事故では、先頭から1~2両目で多くの方が亡くなりました。それを考えれば、前のほうの車両より、後方の車両を選ぶのがよいでしょう。
また、車両のなかでは、一番後ろの席がよいと思います。もし新幹線が急ブレーキをかけたり、何かに衝突するようなことになれば、網棚の上の荷物が一斉に前のほうに飛ばされていき、客席に降り注いでくる危険があるからです」(同前)
このほか、専門家の話などからまとめた10個のポイントが上の表だ。
座席選びについては、通路側と窓側ではどちらがよいのかという疑問も湧くが、「通路側だと衝突時に体が前に投げ出されるリスクが高い」という専門家と「窓側だと対向列車や周辺設備と車体が接触した場合に死傷する恐れが高い」とする専門家がおり、それぞれに一長一短であるらしい。
一方、前ページの表を見ると半数近くが新幹線に乗る前に準備しておくべき内容と分かる。本当の防災対策は、災害が起きてから慌てて行っても間に合わないのだ。
ちなみに、新幹線が巨大地震にあって停車したら、乗客はその後、どうなるのだろうか。とくに、周辺に駅などのないものさびしいところに列車が停止してしまったらどうするのか、徒歩で避難することになるのかを、JR東海広報部に訊いた。
「地震時に限らず異常時においては、列車を最寄り駅へ収容するのが合理的で基本的な考え方です。
列車で移動するために最大限の努力を行い、それでも列車の走行が困難な場合は業務用の自動車など、考えうる多くの手段を用いてお客様の救援を行います」
つまり、私たち乗客としては列車が動くまで、あるいは駅や基地などから救援の車が到着するまで、ひたすら「待ち」の状態が続くことになる。
また、66ヵ所あるトンネル内で車両が停止したり、停止後にトンネルの出入り口が崩落して閉じ込められるなど、極限の環境で平常心を保ちながら、救助されるまでの長時間を耐えなければならない可能性はいくらでもある。
表に記載した水・食料の準備などがこうした場合に役立つほか、他の乗客とのコミュニケーションで周囲の和を保つことが重要になってくるだろう。トンネルで車内の照明がつかない状況になれば、乗客が順番に携帯電話の画面を開くなどして、バッテリーを保ちながら明かりを確保する工夫も必要だ。
最後に生死を分けるのは、乗客同士の冷静な助け合いの精神かもしれない。
■第3部 徹底研究 富士山が噴火したらどうなるか 東名高速に乗っていたらどうするべきか
東海地震や南海トラフ巨大地震と並んで不安視されているのが、富士山の大噴火だ。東日本大震災の直後には、富士山の直下でM6・4の地震が発生したほか、山体の膨張が続いており、山麓では地面から湯気が上がっていることが確認されている地域もある。
東海道新幹線&東名高速道路を襲う大地震
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もし富士山が噴火したら、東西交通の大動脈である東海道新幹線や東名高速道路はどうなってしまうのか。
一般的に、いつ発生するか予測のつかない地震とちがって、火山の噴火には火山性地震の増加など、さまざまな前兆現象があるとされる。だが、北海道大学地震火山研究観測センターの村上亮教授が本誌に、
「地震はいつ起こるかわからないが、噴火は火山性地震の増加などで前兆がわかるから、まだましだ、という人もいるようです。確かにそういう側面はありますが、過信してはいけません。
火山でも、地震などが起き始めてすぐに噴火に至る場合もある。専門家が警告し、行政が避難などの対処を取るのも必ず間に合うとは言い切れない」
と語っているように、突然の噴火も絶対にないとは言い切れないのだ。
政府の富士山火山防災協議会などが公表する富士山ハザードマップによると、雲仙普賢岳で起きたような火砕流や、大きな火山弾が飛来する範囲には新幹線も高速道路も入っていない。
一方で、直径6cm以下の噴石である火山礫は、風向きによっては火口から20km程度まで飛来する可能性があるという。
東海道新幹線は富士山頂の中央火口からは最短距離でも約23km。だが、富士山ハザードマップでは次の噴火が起こる場合、火口は中央火口よりもさらに南の山麓にできる可能性も明示されており、その場合は新幹線のコースも一部が火山礫の到達する範囲内となる。新幹線より富士山に近い東名高速道路や新東名高速道路はなおさらだ。
火山礫は小さいとはいえ、その破壊力はあなどれない。'86年の伊豆大島・三原山の噴火では、調査活動中の宮地直道日本大学助教授(当時)のヘルメットを火山礫が直撃。宮地氏は無事だったが、ヘルメットは粉々に砕け散ったという。
さらに、時間をかけてゆっくりと高速道路や新幹線を襲うのが溶岩だ。
富士山ハザードマップでは、24時間程度で溶岩が到達する可能性がある範囲を高速道路が通っている。
「まさにおっしゃるとおりでして、当社においても社内的なマニュアルを用意しています」
と語るのは、東名高速道路を運営するNEXCO中日本広報・渉外部だ。
「溶岩がきそうなところは、東名高速の沼津IC(インターチェンジ)から富士IC間、新東名では長泉沼津ICから新富士IC間になります。これに備えて、避難誘導のマニュアルを整備している段階です。
噴火したら、まずやることは通行止めです。次に、その区間に取り残された方に避難していただく。PA(パーキングエリア)にも社員を派遣して避難誘導することになると思います」
今後、運用面だけでなくハード面での整備も検討していくNEXCO中日本。先例となるのは、津波対策のシステムだ。
「津波からの避難が必要な、東名高速の富士ICから清水IC間では、本線上の走行中のお客様に情報を知らせる情報板(電光掲示板)を増設しました。それから、ハイウェイラジオの範囲を拡大して、注意喚起できるようにしています。
避難誘導の注意喚起ができるハードを整備したということです」
ちなみに、津波の被害が想定される区間内の由比PAには、政府の防災警報Jアラートが提供され、建物屋上への避難路が確保されているほか通常は本線沿いにしかない非常電話も用意されているという。
いずれにしても、万が一、東名高速道路を走行中に富士山の近くで噴火に遭遇したら、私たちがとるべき行動は次のようになるだろう。
最初は、噴火にともなって大きな地震も発生する。その際には慌てて車を暴走させるのでも、急ブレーキをかけるのでもなく、ゆっくりと路肩に停車する。緊急車両のために本線上を空けるのは災害時の基本的なドライビングマナーだ。
■非常電話を有効に使う
カーラジオや電光掲示板、カーナビや携帯電話などで状況を把握し、富士山が噴火したと分かったら、避難誘導の指示にしたがって動き出す。
軽石などの火山礫が降り出したら、むやみに車外に出ない。
また風向きなどによっては火山灰が降ってくることもあるが、慌ててワイパーを動かすとフロントガラスがヤスリをかけられたように曇ってしまう。また火山灰は大量に吸い込むと呼吸器を、目に入ると角膜を傷つけるため、エアコンは切り、車外に出る際は布などでしっかり顔を覆う。
路面に火山灰が溜まるとスリップの恐れもあり、視界不良で事故に遭う可能性もあるため、限界だと思ったらむやみに動かない。溶岩の到達までには24時間程度の時間がある。携帯電話などで消防・警察に連絡するのは基本だが、彼らだけでは手が回らない可能性もある。高速道路上では1kmに1ヵ所(トンネル内は200mおき)は非常電話が設置されているので、そこから自分が取り残されていることをNEXCO中日本にも連絡すれば、救助される可能性は高まる。ドコモ、au、ソフトバンクの携帯などであれば「#9910」の道路緊急ダイヤルを利用することもできる。
結局のところ、大災害で自分と自分の大切な人の命を守るのは、自分自身の持つちょっとした知識の積み重ねなのだ。
「週刊現代」2013年4月13日号より
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