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東京消防庁のホームページから同庁提供
「地震だ! 火を消せ!!」は、間違いなの?
http://www.yomiuri.co.jp/job/biz/qanational/20130403-OYT8T00351.htm?from=navlk
2013年4月3日 読売新聞
Q 「地震だ! 火を消せ!!」は、間違いなの?
A 東京消防庁などでは、無理をして火を消そうとするよりも自分の身の安全をまずは図ることを最優先に行動するように勧めています。
かつては防災標語だったこともある「地震だ! 火を消せ」という言葉が生まれたのは、今からちょうど90年前、1923年9月1日に発生した関東大震災がきっかけだったとされています。
■火災の犠牲者が大半を占めた関東大震災
相模湾沖を震源とするマグニチュード7.9の巨大地震で、首都圏一帯を襲った激しい揺れは、この日の午前11時58分から数分間も続きました。多くの家庭では、ちょうど昼食の準備をしていたころ。大正時代の炊事用の熱源は、薪まきを使ったかまどや七輪が主流だったので、東京ではいたるところから火の手が上がりました。
マンションなどない時代ですから、一般住宅はまず木造家屋です。家の倒壊も相次ぎました。さらに悪いことに、能登半島付近にあった台風の影響で、関東全域には強風が吹き荒れていました。当時の貧弱な消防設備では火の勢いは止められず、瞬く間に燃え広がって、10万人を超える犠牲者の多くが、火災や火災の上昇気流が巻き起こした高温の竜巻・火災旋風に巻き込まれて命を落としたのでした。
火災を防ぐには、何が何でも自分で火元となる火を消さなければならない――。「地震だ! 火を消せ」は、90年前の惨禍を目の当たりにした人たちが悲痛な思いとともに導き出した教訓だったのです。
■現代の熱源はあわてて消さなくても火が消える
この教訓は今にどう生かされるべきなのでしょうか。現代の家庭の主要な熱源である都市ガスなどは、震度5程度の揺れを感知すると、屋内へのガスの供給をストップさせる「マイコンメーター」が取り付けられています。あわてて消さなくても消える仕組みになっているのです。それにもかかわらず、新潟県中越沖地震や福岡県西方沖地震などでは、無理に火を消そうとしてけがをしたり、過熱した天ぷら油でやけどをしたりした人が相次ぎました。
慌てて火を消しに行かず、まず自分の身を守ることを心がけることが大切なのです。
東京消防庁がまとめた「地震 その時10のポイント」=イラスト=によると、「地震だ! まず身の安全」。その後、「落ちついて 火の元確認 初期消火」となっていて、まず自分の身の安全を図った後に、火の始末をしようと呼びかけています。「火を消す前に、まず身の安全」というわけです。
■耐震化や家具の固定などの対策は必要
しかし、防火のための設備や仕組みが発達したとはいえ、住宅密集地を抱える大都市の地震では火災をどう防ぐかが大きな課題であることには変わりがありません。地震で家屋が倒壊すれば、火災が起きる恐れが高まるうえ、がれきが道をふさいで消火の妨げにもなります。そもそも、家具の転倒や家屋の倒壊でけがをすれば、初期消火なども出来ません。家屋の耐震化を図り、家具は倒れてこないように固定しておくことが大切です。
10万人以上もの犠牲者を出した関東大震災の発生から今年で90年、社会の変化を踏まえながら、その教訓を現代に正しく生かしていくことが求められているのではないでしょうか。
(調査研究本部主任研究員 堀井宏悦)
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