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株式日記と経済展望
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東日本大震災の被災地で、巨大防潮堤建設計画が進んでいる。高いコンクリート壁
で海を覆えば、海辺の生態系を壊し、津波からの避難が遅れるとの指摘がある。
2013年3月12日 火曜日
◆東日本大震災 巨大防潮堤、被災地に続々計画 本音は「反対」だが…復興が「人質」に 口閉ざす住民 2月6日 毎日新聞
http://mainichi.jp/feature/news/20130206dde012040022000c.html
東日本大震災の被災地で、巨大防潮堤建設計画が進んでいる。高いコンクリート壁で海を覆えば、海辺の生態系を壊し、津波からの避難が遅れるとの指摘がある。防潮堤問題に揺れる被災地を歩き、失われゆく潮騒を聞いた。【浦松丈二】
<計画堤防高さ TP+9・8m 高さはここまで>
宮城県気仙沼市の大谷海岸に電信柱のような看板があった。荒れ地の中に青い海だけが広がる。TPとは「東京湾平均海面」だ。つまり、東京湾を基準に高さ9・8メートルの防潮堤がここに建つのだ。間近に見ると高さに圧倒される。この高さの壁がどこまでも続く……想像したらその重苦しさにめまいがした。9キロ南の海岸にはなんと14・7メートルの防潮堤が計画されている。
気仙沼市民有志の「防潮堤を勉強する会」の発起人、酒造会社社長の菅原昭彦さん(50)が説明する。「防潮堤は2011年9月に宮城県の震災復興計画として最初に示されました。震災から半年しかたっておらず、これで確定とは誰も思わなかった。県と市は昨年7月から説明会を始めたが内容は当初のまま。しかも防潮堤の位置や形状は話し合えるけれど、高さは変えられないという。あまりに唐突、強引だった」
住民は昨年8月から専門家を招いて「勉強する会」を計13回開き、毎回100人以上が参加した。だがあえて賛成反対を言わなかった。「私たち住民は復興の予算とスピードを人質に取られているようなもの。文句を言うことで復興全体が遅れることがあっては困るから」と説明する。
同じ被災地でも地域によって実情は異なる。「工場や産業エリアなら防潮堤が高くてもいいが、海辺の景観で商売をしている所は問題になる。ワカメや昆布などの資源のある地域では生態系への影響が懸念される。でも、防潮堤計画には背後地の利用計画がセットにされていて、復興を進めようとしたら計画をのまざるをえないのです」
話の途中、菅原さんの携帯電話に友人からメールが入った。「防潮堤各地でどんどん決まっていきますね。いいんですか。このままで?」とあった。年度末が迫り、県は合意形成を急ぐ。菅原さんは「県の担当者が『隣の人は合意した』と戸別訪問したことがあり、強く抗議しました。そんなやり方では、地域の信頼関係が壊れてしまう」と懸念する。
多くの地域で防潮堤計画はなし崩し的に進んでいる。石巻市雄勝町立浜の銀ザケ・ホタテ養殖業、末永陽市さん(55)は「管理者の県が示した高さだから」と不本意ながら受け入れる意向だ。防潮堤は高さ6・3メートルと震災前に比べ約3メートル高くなる。
(私のコメント)
東日本大震災からちょうど丸二周年になりましたが、テレビでも特集番組を放送していました。口を揃えていっている事は復興がなかなか進まない事です。復興がなかなか進まないのは復興計画が決められないからですが、住民の意見も纏まらない。「株式日記」では海岸に巨大防潮堤を作ることなど不可能だ無意味意味だと書いてきました。作れば現代の万里の長城となってしまうだろう。
しかし昨日の報道ステーションでも高さ10メートル近い防潮堤の建設が予定されている事を報じていましたが、巨大防潮堤では巨大大津波は防げない。人口密集地帯ならそれなりの意味もありますが、畑が広がる過疎地帯に強大防潮堤を作っても意味が無い。しかし国は岩手から宮城、福島にかけての巨大防潮堤を計画している。
町や福島第一原発のあるような場所なら巨大防潮堤も意味がありますが、基本的には避難経路の整備や避難場所がない平野部には防災拠点となるような高層マンションを作るべきだろう。高さ10メートルにもなる巨大防潮堤は田老町にもありましたが、今回の大津波には役に立たなかった。逆に巨大防潮堤があるために逃げ遅れて被害を大きくしてしまった。
また学識経験者などが立てた高台移転では、土地の問題が絡むし高台を造成して住宅を建設するには、長い期間と巨額な費用がかかる。被災地の多くが地盤の沈下で大潮の時には水没するところが多い。だから土地のかさ上げがないと住宅も建てられない。しかし土地のかさ上げも巨額な費用と、かさ上げしても4年くらいは寝かせておかないと地盤が安定しない。
このように八方塞の状態だから復興が進まない。放置していれば住民は各地に離散して行ってしまって町や村そのものが無くなってしまう。避難住宅も狭いし一時の避難場所にしかならないから一刻も早く住宅を建設しなければなりません。その為に「株式日記」では町や村の中核となる防災マンションの建設を提案して来た。それでも高台に移転したいと言う人は移転すればいいし、仕事で海沿いでないと困る人は防災マンションに入居してもらう。
防災マンションも10階建てくらいにして、1階から2階は駐車場や商業施設にして3階は町村役場や公共施設にする。4階から10階までを住宅にすれば、緊急対策は可能だろう。土地のかさ上げも防災ビルの区画だけにすれば直ぐに出来る。土地のかさ上げも高台の造成も大工事になって費用も期間もかかる。にも拘らず国や地方は巨大堤防の建設を最優先にしているようだ。
確かに今回の大津波で、海岸の堤防は壊されましたが、現状の修復程度でいいのではないかと思う。現在の防潮堤は3メートルから5メートル程度であり、地盤沈下を考慮しても5メートル程度で済むはずだ。しかし毎日新聞の記事にもあるように9,8メートルから14,7メートルの高さの防潮堤が作られようとしている。その為には幅40メートルもの敷地を確保しなければならない。
大津波は、東北の太平洋側にばかり来るのではなく、日本全国にこのような巨大防潮堤を作ったら世界から馬鹿にされるだろう。たとえ15メートルの防潮堤を作っても16メートル以上の大津波が来たら田老町のような事になる。このような事は、日本全国の防災計画にもかかわる事であり、平野の開けた海岸地域には巨大防潮堤を作るよりも、戸建て住宅を集約化して高層マンション化すべきだ。
東京でも江東地区にはゼロメートル地帯が広がっていますが、スーパー堤防を作ろうと言う計画があった。さすがに中止になりましたが、江東地区には木造の老朽化した戸建て住宅が広がっている。これでは地震にひとたまりも無く潰れるし火災の発生と地盤の流動化も起きるだろう。河川の堤防の決壊でゼロメートル地帯は水没しますが、これらの災害から逃れるには防災拠点となる高層マンションに建て替えるべきなのだ。
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