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地下街で地震に遭ったらどう行動すべきか イザというときの備え
http://president.jp/articles/-/8739
PRESIDENT 2011年8月29日号
防災システム研究所所長 山村武彦 構成=村上 敬
■「地下は地上より安全」とは限らない!
地下街にいるとき地震に遭遇したらどうすべきか。一般的に地下は地上より揺れが小さくて安全だといわれている。しかし阪神淡路大震災のとき、兵庫県の地下鉄・大開駅は支柱が折れて押し潰されてしまった。地下だから必ずしも安全とはいえない。とくに埋立地が多い湾岸部など、地盤が悪いところでは注意が必要だ。地震に伴う火災のリスクも怖い。火が回って煙やガスが充満しても、地下では容易に逃げられない。たとえ揺れがたいしたことがなくても、地下に留まるより地上に出たほうがいいだろう。
地下街から脱出する際の5つのステップただし、慌てて地上に向かうのは厳禁だ。実は災害時、地下のような閉ざされた空間でもっとも注意したいのはパニックに陥ることだ。2003年、アメリカのナイトクラブで火災が起きて大勢の犠牲者が出たが、調査によると、焼死した人より圧死した人のほうが多かった。これは客がパニックを起こして出入り口に殺到したためである。このナイトクラブにはほかにも非常口があり、その表示も見えていた。ところが人間は咄嗟のとき、自分が入ってきた出入り口しか頭に浮かばないらしい。一部の人は非常口から逃げて助かったものの、客の多くは出入り口1カ所に集中してしまい、惨事を引き起こすことになった。
地下にいるとき地震が起きたら、揺れが収まるのを待ちつつ、冷静に非常口の位置を確認すべきだ。法律上、非常口は60メートルごとの設置が義務づけられている。非常口が直接見えなくても、目視できる範囲に誘導灯があるはずだ。入り組んだ通路にいて誘導灯すら見えないときは、広い通路のほうに動いてもいい。ちなみに誘導灯が緑色なのは、火災で煙が立ち込めたときにも見つけやすい色だから。火災の場合も、闇雲に動くよりまずは非常口を確認しよう。
ひと呼吸おいたら、鞄などで頭を守りながら非常口へと向かう。煙がひどい場合は、ハンカチなどで口や鼻を覆い、深く吸い込まないようにする。これは通常の火災のときと同じだ。
目の前の非常口に人が殺到しているなら、そこにこだわる必要はない。重ねていうが、地下で気をつけなければいけないのはパニックによる圧死。人々が我先へと押し合う状況なら、巻き込まれる前に見切りをつけて、隣の非常口に向かうほうが賢い選択だろう。
地下鉄に乗っているときはどうか。地震で停電が起きると、車内は一時的に真っ暗闇になる。しかし、ここでもパニックは厳禁。車両に非常用バッテリー電源があるため、通常はしばらく待っていれば非常照明が点灯する。また主要駅には非常用発電機があり、車両も動く。慌てて車両の外に出るより、原則的には車掌など係員の指示に従ったほうがいい。
ただし、煙が流れこんでくるなど、何か危険なサインを察知したら、自主的に避難を始めるべきだ。車両ドアは非常コックを操作することで開けられるが、車両は案外高さがあって、暗闇の中に飛び降りると転んで怪我を負いかねない。地下鉄は、先頭車両と最後尾車両にハシゴつきの非常口がある。可能なら、そこまで移動してから車外に出たい。
大切なのは、係員の指示にすべてを委ねるのではなく、自分の命は自分で守るという意識だ。11年5月、北海道のJR石勝線のトンネルで特急列車の脱線火災事故が起きたとき、車掌から避難の指示はなく、乗客たちは自主的に車外に出て難を逃れた。あとから管理者の責任を問うことができたとしても、失われた命は戻らない。最終的な責任は自分にあるという覚悟を持って、危機に対処していただきたい。
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