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巨大津波 原因は海底の地滑りか
動画 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130301/k10015894061000.html
3月1日 19時17分 NHK
おととし3月の巨大地震で東北の沿岸を襲った津波は、海底での大規模な地滑りによって大津波になった可能性があるという新たな研究結果を、アメリカの専門家らで作る国際研究チームがまとめました。
海底の地滑りによる津波はほかの海域でも起きる可能性があり、研究チームは詳しい調査が必要だと指摘しています。
おととし3月の巨大地震では、東北の沿岸の広い範囲を大津波が襲いましたが、専門家が地震のメカニズムを詳しく分析しても、岩手県の沿岸でなぜ高さ20メートルを超える大津波になったのかは今も分かっていません。
海洋工学が専門でアメリカロードアイランド大学のステファン・グリーリ教授らで作る国際研究チームは、当時の津波の波形を詳しく分析するとともに、地震の震源から北東に190キロ離れた海底で、地形が地震の前後で変わっていたことに注目しました。
研究チームは、巨大地震が起きた直後に大規模な地滑りが起きていた可能性が高いとみて、地滑りが起きたと仮定して津波のシミュレーションをしたところ、岩手県沿岸の大津波をはじめ各地で実際に観測された津波を再現できたということです。
研究チームによりますと、地滑りの規模は南北におよそ40キロ、東西におよそ20キロ、厚さは最大2キロで、土砂の量は500立方キロメートルとしていて、東京ドームおよそ40万個に相当する土砂が崩れたことになります。
ステファン・グリーリ教授は「海底地滑りは日本以外でも起きうる。津波と海底地滑りの関連性が確認できれば、将来の津波の危険性の評価やリスク軽減のために大きな意味を持つ」と話しています。
研究チームでは、日本の研究者と協力して、地滑りの痕跡など現地調査を進めていきたいとしています。
■専門家の間で強い関心
巨大地震に加え、大規模な海底地滑りが津波を大きくしたとする今回の研究は、国内の津波学者や地震学者の間でも強い関心を集めています。
津波の発生メカニズムに詳しい東北大学の今村文彦教授は、地滑りの可能性は十分考えられるとして、海底を詳しく調べる必要があると指摘しています。
海底の地滑りによる津波は、▽1998年、パプアニューギニアで起きたと考えられているほか、▽2万人余りが犠牲になった明治29年の「明治三陸地震」による大津波も、地滑りで津波が高くなった可能性があると考えられています。
今回の研究について、今村教授は「地震によって起きた津波だけでは、三陸沖で観測された津波の高さに達しない。海底で地滑りが起きていたとする考え方は、各地で観測された津波をシミュレーションで再現できるので極めて注目される」と評価しています。
このため、海底を詳しく調べるとともに、巨大地震が想定されている南海トラフで、過去に地滑りが起きたとみられる地形が確認されていることから、東北以外でも海底で地滑りが起きた場合の影響を考える必要があると指摘しています。
今村教授は「地滑りが起きる場所は沿岸部に近いところもあり、津波が高くなるだけでなく、到達も早くなる可能性も考えられる。津波の情報には限界があることを認識し、“大丈夫だろう”と思わず、より高いところに逃げられるような態勢を取ることが大切だ」と話しています。
■海底地滑りの津波は正確に予想できない
気象庁によりますと、海底地滑りによる津波は、今の津波予報システムでは正確に予想することができません。
気象庁は、今月7日から始まる新しい津波警報では、沖合で津波を捉えた情報をいち早く発表することで避難を呼びかけることにしています。
おととしの巨大地震では、岩手県の釜石沖にあるGPS波浪計が急激に高くなる津波を捉え、予想される津波の高さを切り上げました。
これを教訓に気象庁などは、沿岸に迫ってくる津波をいち早く捉えようと、沖合で津波を観測する装置をこれまでに北日本から四国の沖合51か所に整備しました。
今月7日から運用が始まる新しい津波警報で、気象庁は、沖合で観測された津波の情報を新たに導入し、実際に津波が発生し迫っていることを伝えて避難を呼びかけることにしています。
ただ、地震が起きる場所によっては、沖合で観測された津波の情報を発表できない場合があるなど、技術には限界があるとして、気象庁は津波警報が出たら避難を徹底してほしいとしています。
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