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東京湾岸、長周期地震で石油流出の恐れ 早大研究室調査
http://www.asahi.com/national/update/0202/TKY201302020031.html
2013年2月2日7時20分 朝日新聞
【編集委員・黒沢大陸、高橋淳】東海、東南海地震で起きるとされる長周期地震動で、東京湾岸にある石油コンビナートから約12万キロリットルの石油があふれ出す可能性があることがわかった。タンク内の石油の液面が大きく波打つ「スロッシング現象」が発生。液面に浮かせた屋根ぶたがタンクの壁と接触し、火災が起きる恐れもあるという。
■1510基のタンクを推計
元土木学会会長の浜田政則・早稲田大教授(地震防災工学)の研究室が、神奈川・千葉両県の東京湾岸にあるコンビナートを上空から撮影した画像を分析。確認できた計1510基の石油タンクの構造、大きさ、容量などを推計した。
その結果、3分の1の503基が鍋の落としぶたのように液面に屋根を浮かせた「浮き屋根式」のタンクであると判明した。これらのタンクが東海、東南海地震の連動時に想定される長周期地震動に見舞われたケースをシミュレーションすると、ゆっくりと長く続く揺れとタンク内の石油が共振して波立つスロッシングが発生。115基から大型タンクローリー6千台分にあたる計11万8800キロリットルがあふれ出すとの試算結果が出たという。
2003年9月の十勝沖地震では、北海道苫小牧市のコンビナートにあった浮き屋根式タンクから火災が起きた。屋根ぶたとタンクの壁が接触して火花が散ったことが原因とみられているが、浜田教授は「東京湾岸部でも同時多発的に火災が起きる可能性がある」と指摘。南海トラフ巨大地震が予想される大阪湾岸や伊勢湾岸でも同様の危険性があるとしている。
総務省消防庁によると、浮き屋根式タンクは石油の揮発を抑える長所があり、全国に2314基設置されている。一方で、オイルフェンスの整備や耐震対策は事業者側に任されており、管理の実態や対策の実効性は十分に分かっていない。
石油の流出や火災などで市場への供給が止まると、経済に深刻な影響が出る。経済産業省はコンビナートの稼働やエネルギー供給の継続可能性を調べるため、1月に示した補正予算案に43億円を盛り込んでいる。
◇
東海地震と東南海地震 駿河湾から四国沖にかけて延びるフィリピン海プレート(岩板)が沈み込む南海トラフでは、過去にマグニチュード8級の地震が繰り返し発生。東側から東海、東南海、南海地震と呼ばれ、長くゆっくり揺れる長周期地震動も起きやすい。関東や大阪、名古屋のような平野部の軟らかい地盤では増幅し、大きな揺れが数分以上続く場合もある。東日本大震災でも大阪の高層ビルなどに被害が出た。
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