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絵空事ではない、超巨大地震の連鎖
合衆国壊滅：Ｍ１０．５
原題： 10.5
ＤＶＤ「合衆国壊滅／M10.5」
想定される東海地震と東南海地震、南海地震は、巨大地震“三兄弟”と言われる。なぜ兄弟かというと、直近の４００年間で４回……１６０５年「慶長地震」、１７０７年「宝永地震」、１８５４年「安政東海地震」とその３２時間後の「安政南海地震」、そして１９４４年「東南海地震」とその２年後の４６年「南海地震」と、三兄弟の断層破壊（いずれもＭ８前後かＭ８半ばクラスの巨大地震）が連鎖して起こったからだ。
４４年・４６年時は東海地震の断層だけは壊れず、安政東海地震からほぼ１５０年間ここで大地震が発生していない。だから東海地震はいつ暴れ出しても不思議はない。
さて今回の映画 ０４年・米国製作のテレビ映画『合衆国壊滅：Ｍ１０・５』はまさにこの「連鎖地震」の災害スペクタクル。連鎖地震はシアトル直下地震に始まり北カリフォルニア、サンフランシスコへと連鎖、そしてカリフォルニア州南部から西部に延びる総延長約１３００㎞の断層群、サンアンドレアス断層（実在）を目覚めさせ、Ｍ１０・５の超巨大地震を発生させる。
フィクションに対して野暮な問いだが、Ｍ１０・５という地震エネルギーはあり得るのだろうか。専門筋によるとマグニチュードは、大まかに地震の際にずれる断層の長さ（または広さ）と相関し、Ｍ４の地震でずれる断層の長さは約１㎞、Ｍが１増えるとそれが約３倍、２増えると１０倍になる性質があるという。
Ｍ６だと１０㎞、Ｍ８で１００㎞、Ｍ１０は１０００㎞、Ｍ１２で１万㎞。地球の直径は約１万３千㎞だから、Ｍ１２で地球はほぼまっぷたつにひび割れる。
ちなみに歴史上最大の地震は１９６０年「チリ地震」でＭ９・５、断層のずれは約１６００㎞に及び、津波は太平洋をわたって日本にも大被害を与えた。 これから計算すると、Ｍ１０・５だと断層は約５千㎞で北米大陸をほぼ横断する（サンフランシスコ～ニューヨーク間は約４千㎞）。
これは西海岸だけではすまないぞ……と思ったらこの４月、続編ＤＶＤ『合衆国壊滅ＩＩ：再襲来！Ｍ１０・５』が発売される。いよいよ合衆国壊滅か！
自然の脅威は常に人間の想定を超えて大災害となる。巨大連鎖地震はわが国では絵空事ではない。想像力を駆使して、“凶暴三兄弟”の襲来に備えておかなければならない。
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アメリカ西部でだけ地震が発生するわけではない。どちらかと言うと、カナダのカナダ楯状地とアメリカ北部の境にある5大湖からニューヨークに至る部分が大活断層であり、ここが数千年に一度ていどの頻度で活動するはず。
そもそも、アメリカ中央部で、ニューマドリッド地震というマグニチュード８程度の地震が１８１１年から１８１２年にかけて何回か起こっている。
5大湖からニューヨークにかけての地震が起これば、マグニチュードは８から9程度だろうが、地盤が固いので、地震衝撃波の被害が卓越し、原発や高層ビルが軒並み被害にあうはず。それも、一気に基礎につながっている建物の低層部のコンクリートや鋼管が破壊されてしまうはず。
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