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「安全宣言」で学者実刑 イタリア地震裁判の波紋:有罪の理由は予測失敗ではなく行政の求めに応じた軽々の“安全宣言”
http://www.asyura2.com/12/jisin18/msg/609.html
投稿者 あっしら 日時 2012 年 11 月 11 日 17:22:33: Mo7ApAlflbQ6s
 

「安全宣言」で学者実刑 イタリア地震裁判の波紋
2012/11/11 3:30

 イタリア中部ラクイラ市で2009年に起きた地震の「安全宣言」をめぐり地震学者らが訴えられた裁判で、イタリアの地裁は10月22日に禁錮6年の実刑判決を言い渡した。重い判決に日本でも波紋が広がる。事件の背景には、災害のリスクをどう伝えるべきかという難しい問題がある。

 「驚いた。日本でいえば、東海地震の予知に関して気象庁長官と判定会会長が実刑判決を受けたに等しい」。気象庁の地震防災対策強化地域判定会の阿部勝征会長は10月23日の記者会見でこう述べた。


研究への影響懸念

 判定会は気象庁長官の諮問機関で東海地震発生の危険が高まった時、長官に科学者として助言。長官は助言を踏まえ東海地域に「警戒宣言」を出すかどうかを判断し、首相に進言する。イタリアで訴えられた科学者たちと似た立場にある。

 ラクイラはもともと地震が多い地域だ。08年秋から群発地震に見舞われ、市民の不安が高まっていた。そこへ民間の科学者が地中から出るラドンガスの計測を根拠に「大地震が起きる」とネットで公表した。ラドンが地震の前兆になる科学的な根拠は乏しい。
 イタリア政府の防災担当部署(国家市民保護局)は事態を沈静化するため、地震学者を集めて通常はローマで開く「大規模リスク予知・予防委員会」をラクイラで09年3月31日に開催。閉会後に同局の担当者が記者会見して「安全宣言」を出した。

 しかし6日後にマグニチュード(M)6.3の地震が発生、300人以上が亡くなった。遺族らは「安全宣言」が被害を拡大したと市民保護局幹部と地震学者ら7人を告発した。

 訴訟に対し世界の科学者約5千人が署名し起訴を不当とする書簡をイタリア大統領に送るなど科学界からの反発が出た。

 日本地震学会(会長・加藤照之東大教授)は判決を受け「研究者は自由にものが言えなくなるか、科学的根拠を欠く意見を表明することになりかねない」「防災行政に関与することを避けざるをえなくなる恐れもある」との声明を発表した。

 東北大学地震・噴火予知研究観測センターの松澤暢教授は「科学者個人が訴えられるようなら、行政と(諮問委員会に加わる)科学者との関係を見直す必要がある」とみる。判定会を預かる気象庁の土井恵治・地震予知情報課長は「警戒宣言にかかわる判断の責任は長官にある。結果責任が判定会の先生方に及ばないようにしたい」と言う。

 ただ東京電力福島第1原子力発電所の事故で、旧原子力安全委員会の委員長が業務上過失致死傷容疑で訴えられるなど、国内でも科学者の判断に厳しい目が向けられる。例えばいったん出した警戒宣言を解除した直後に大地震が起きた場合、解除が「誤った安全宣言」となる可能性を否定できない。

 地震学者のロバート・ゲラー東大教授は「有罪は極めて不適切」としながらも「道義的には科学者には責任がある。記者会見に同席するなどもっと丁寧に説明すべきだった」と話す。山岡耕春名古屋大学教授も「脆弱な石積みの家に住む人が多いことも考え、受け手の立場にたった情報提供が必要だった」とする。

 一方、東大地震研究所の纐纈(こうけつ)一起教授は「ラクイラは行政の責任だ。科学者の説明が不十分との指摘は問題の本質をすりかえる議論だ」と話す。
 昨年に現地を調査した大木聖子地震研助教によると「ラクイラに呼ばれた地震学者は記者会見があることすら知らされてなかった」という。公開された議事録では「地震は起きないと断言できない」と科学者は委員会で述べていた。安全宣言が先にありきの行政に科学が利用された色彩が濃い。

 重要なのは、裁判で問われたのが予知失敗の責任ではなく、リスクを正しく伝えなかったことの責任である点だ。
 リスクを適切に伝えるのは難しい。強調しすぎれば寒空に屋外で寝て健康を損なう住民も出かねなかった。松澤教授は「科学者からみて最もありそうなシナリオをまず示し、最悪と最良のケースも説明する。あとは個々の住民が判断するしかないのでは」と話す。


まずは防災・減災

 大木助教は「今回のことで、防災のため力を合わせる必要がある科学者と社会のミゾが広がった」と心配する。阪神や東北の地震を経て地震学や地震予知への不信感が国民の間にはある。ラクイラを他山の石と考えれば、判定会などでの行政と科学者の責任分担をより明確にする必要もある。

 日本が学ぶべき最も重要な点は予知に頼らない防災・減災の備えの充実だろう。予測がどうであれ「耐震性の優れた町であれば被害は少なくて済んだはずだ」とゲラー教授は指摘する。
(編集委員 滝順一)

http://www.nikkei.com/article/DGXNZO48293160Q2A111C1TY8000/?dg=1


※ 参考投稿

「「地震予知失敗」が理由ではなく、ある研究者の大地震の警告を否定したことが“罪”の理由」
http://www.asyura2.com/12/jisin18/msg/575.html


 

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コメント
 
01. 2012年11月12日 10:49:55 : L0mnpGKGD6
伊検察:地震予知失敗で専門家ら禁固4年求刑!痛快!3.11大地震・放射能禍さえ一切不問の日本被支配者の苦悩!
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伊検察:地震予知失敗で専門家ら禁固4年求刑!3.11大地震M9.0=無視!VS伊地震M6.3=求刑!この落差酷い!
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禁錮6年は世間常識だが日本の官僚社会では責任の曖昧化が目的だから、おかしいという人もいるが、でも世界の常識だ!!

利用されて金貰えば責任あるのは当然だ!!  アサマタロー


02. 2012年11月12日 14:38:38 : L0mnpGKGD6
大森房吉は弟子の今村が近々に関東地震を予測し、社会不安を助長すると否定したが、大森がオーストラリア・シドニーの大学地震計の前に立った時に、丁度、関東大地震の振動を記録しだした事例を聴いて、人間謙虚さが必要だと実感した。

大森に東北大に飛ばされた今村の子孫が東北大の今村さん?の様だ。皮肉だがその子孫の今村さんが東北大震災を外した。


03. 2012年11月12日 14:41:42 : L0mnpGKGD6
大森房吉と今村明恒の悲劇
http://shima3.fc2web.com/kiyou-imamura.htm

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