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東海地震をはじめとする南海トラフ地震は直下型の超巨大地震で、その被害は衝撃的地震動を主とするもの。
東北地方太平洋沖地震は陸地から130キロほど離れたところが震源だった。30年ほどのうちに起こる南海地震をはじめとする南海トラフ地震はかなり陸地に近い位置で発生する。南海地震は陸地から70キロ程度離れたところに震源があるとされ、東南海地震は20キロ、東海地震はまさに御前崎市の大部分が震源域に含まれる陸域の直下で起こる地震だ。そこには浜岡原発がある。
阪神大震災を引き起こした兵庫県南部地震では、衝撃的な地震動、衝撃的な突き上げを伴う現行の地震計ではとらえられないほど波長の短い強い衝撃波によると考えられる被害が多く観察されている。
しかし、兵庫県南部地震発生当初は多くの専門家が衝撃的上下動が被害の原因と考えていたのにもかかわらず、地震計にそういった地震波が記録されていなかった等の理由により、通常の横揺れに伴う地震被害だとみなす風潮が圧倒的に強くなった。つまり、衝撃的地震動の研究もあまりされていないし、そもそも、耐震設計で衝撃的地震動を考慮することをしていない。
1995年に起こった兵庫県南部地震、そして2007年に起こった上越沖地震などでも衝撃的地震動による被害が観察されている。しかし、今後起こるとされる南海トラフに起因する地震はずっと大きい地震だ。
兵庫県南部地震は、地表面に活断層が観察されたのは淡路島の野島断層だけで、最高震度である震度7の揺れが観察された神戸側では地表面に活断層は観察されなかった。建物が大規模に破壊される幅1000mから1500m、長さ30q程度の震度7の帯が出現したのにもかかわらず、その破壊を起こした活断層は地表面から観察できなかったし、トレンチ調査などをして多少地下を掘っても確認することができなかった。
兵庫県南部地震はどちらかというと横ずれ断層型の地震であった。つまり、あまり激しい鉛直方向の動きはなかったはずなのだ。
ところが、南海地震をはじめとする南海トラフ沿いの地震はどれも逆断層型の地震で、東海地震は地面が1m以上跳ね上がったことが確認されている。
更に、マグニチュード8から9にもなる南海トラフ沿いの地震は、その発生前後に周辺域でマグニチュード5から7程度の地震が頻発する。つまり、関東地方から西日本全体が地震の活動期に入ってきているのだ。東北地方で311の大地震が起こった今、ある意味、日本全体が地震の活動期に入ったと言ってもいいほどだ。
防災科学技術研究所のサイトには「7.3 地震の周期性と活動期・静穏期」というタイトルのページがあり、そこには、関西、関東地方それぞれで、地震活動期と静穏期が現実にあったことを示す図が載っている。
「図7.12 1946年南海地震(M8.0)の発生前40年間(左)と最近40年間(右)における,近畿地方周辺の地震活動(M>6) の比較」 http://www.hinet.bosai.go.jp/about_earthquake/PNG/fig7.Csmall.png
「図7.13 1923年関東地震(M7.9)の発生前40年間(左)と最近67年間(右)における,関東地方周辺の地震活動(M≧6) の比較」 http://www.hinet.bosai.go.jp/about_earthquake/PNG/fig7.Dsmall.png
つまり、既に関西地方は地震の活動期に入っているし、関東地方も静穏期が既に90年ほど続いていて、近未来に地震活動期に入ることが分かる。
問題は大きく分けて二つある。一つは阪神大震災に比べてはるかに激しい地震衝撃波が南海トラフ沿いの地震で発生するはずで、その対策がほとんどとられていないことだ。そして、もう一つは、南海トラフ沿いの地震発生前に起こるだろうマグニチュード5から7程度の地震が原発直下で起こる可能性だ。原発はどこも岩盤の上に直接建てられているため、普通に堆積地盤の上に作られたビルなどと比較して格段に強い地震衝撃波を引き入れてしまう。
大都市や原発を直下型のマグニチュードが5以上の地震が直撃した例はほとんどない。だから、どんな影響があるか、ほとんど解明されていない。まずは衝撃波をとらえられる地震計を制作し、それを被害が想定される地域、特に原発敷地内へ配備することだ。次に、地震衝撃波の存在を指摘されている専門家に社会へ向けて広く発言をしてもらい、社会一般の理解を促すことだ。
特に、原発震災が起こってしまえば、日本社会は回復不可能な被害を受けてしまうだろう。既に時間はなく、早急に進めるべきだ。
*6月8日の記事「近づく戦争・テロ社会、これらの動きを止めるべきでは?」から一連番号を付しています。<<1153>>TC:37941,BC:8022,PC:?、 Mc:?
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