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北海道 津波想定最大34m超
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120628/t10013187211000.html
6月28日 19時22分 NHK
東日本大震災を受けて、北海道が見直しを進めてきた太平洋沖で、巨大地震が起きた際の津波の想定結果が公表され、東部にある浜中町で、最大で34メートルを超える津波が押し寄せるなど、沿岸の11の市や町で20メートル以上の津波となり、これまでの想定を大幅に上回る結果となりました。
北海道は、過去にも繰り返し地震が起きている北海道太平洋沖で、最大級の巨大地震が発生した場合に、沿岸部に押し寄せる津波の高さなどの想定結果をまとめ、28日、公表しました。
それによりますと、東部の浜中町琵琶瀬で、34.6メートルとなるなど、3つの地点で、津波の高さが30メートルを上回ると想定されました。
34.6メートルという高さは、ことし3月に国の検討会が公表した、「南海トラフ」付近で巨大地震が起きた場合に想定される津波の中で最も高かった高知県黒潮町の34.4メートルを上回っています。
20メートル以上の津波が想定された市や町は、北海道の東部を中心に11に上り、これまでの想定を大幅に上回る結果となりました。北海道の柴田達夫危機管理監は「東日本大震災を踏まえ、想定外ということばを二度と使わないという考えに基づいて見直しを行った。津波の被害は、完全に防げるものではないが、被害を減らすために、いかに迅速に避難するかなど、市町村と連携して対策をとっていきたい」と話しています。
■浜中町は中心部ほぼ全域が浸水のおそれ
今回最も高い、34.6メートルの津波が押し寄せるという想定が示された北海道東部の浜中町は、町の中心部のほぼ全域が浸水するおそれがあります。
町役場や消防などがある霧多布地区では、想定された津波の高さは15.8メートルで、役場の建物も津波で水につかり、町の防災機能の中枢が大きな被害を受けることになります。
浜中町の上田幸作防災対策室長は「実際に想定を目の当たりにし、あまりの数字に驚いている。これまでの津波対策を根本から見直し、避難場所や避難経路の確認などできるかぎりの備えを進めていきたい」と話していました。
■過去にも繰り返し巨大地震
北海道の太平洋側の沖合では、去年、巨大地震が起きた東北沖と同じように、「太平洋プレート」と呼ばれる海側の岩盤が陸側の岩盤の下に沈み込み、岩盤どうしの境目に「ひずみ」がたまっているため、過去にも繰り返し巨大地震や大津波が発生してきました。
9年前の平成15年9月に起きたマグニチュード8.0の「十勝沖地震」では、北海道の釧路町や浦河町などで震度6弱の激しい揺れを観測したほか、えりも岬の周辺や北海道東部の沿岸に最大で4メートルを超える大津波が押し寄せ、広尾町の十勝港でも2メートル55センチの津波が観測されました。また、十勝沖から北方四島の色丹島沖にかけての海底では、300年から500年に1度、特に規模の大きな巨大地震が発生してきたと考えられています。
専門家の調査では、およそ400年前に起きた巨大地震で高さ10メートルを超える大津波が押し寄せていたとみられる痕跡が、北海道東部の太平洋沿岸で見つかっています。
■最新研究から浮かび上がる危険性
北海道の太平洋沿岸で発生する巨大地震と津波の危険性は、最新の研究からも浮かび上がっています。
国土地理院は、去年3月の巨大地震以前にGPSの観測網が捉えていた地殻変動のデータから、北海道沖の海底に地震を引き起こす「ひずみ」がどの程度たまっているかを分析しました。
その結果、十勝沖から色丹島沖にかけての海底の岩盤の境目に長さ300キロ余り、幅およそ150キロにわたって強い「ひずみ」がたまっているとみられることが分かりました。
「太平洋プレート」と陸側の岩盤が強く密着してほとんど動かない「固着域」という領域があると推定され、この領域のすべてを震源とする地震が起きた場合、去年3月に匹敵するマグニチュード9クラスの巨大地震となる可能性があるということです。
国土地理院は、今後も地殻変動の監視や分析を続けることにしています。
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