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全国民必読 日本中がパニックに!?予知技術はここまで進んでいる 2日前に「巨大地震の可能性」を発表 そのとき、あなたと家族はどうする
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/32532
2012年05月15日(火)週刊現代 :現代ビジネス
自宅にとどまる? どこに何を持って逃げる? 電車や飛行機は動くのか治安は大丈夫かーー準備した人だけが生き残る
残された時間は48時間。街の風景は一変してしまった。とりあえず逃げるか、食糧を買い溜めて自宅に留まるか。ぐずぐずと迷っている余裕はない。いまのうちに家族で話し合うことから始めよう。
■逃げるか、留まるか
〈総理大臣の「非常事態宣言」からわずか1分、日本中の電話という電話が鳴り始め、コンピュータの通信回線は緊急重要な通信を最優先にして、一般はほぼ使用不能に。
鉄道の駅に大勢の人が詰めかけたが、多くの鉄道が運転を停止。成田空港もパンク寸前で、航空自衛隊基地が臨時の国内線発着場に変更された。道路は使えず、東京港から出る長距離フェリーは甲板まで溢れた客を積んで、次々に関西、九州へと出港していった〉
これは小松左京のSF小説『日本沈没』で描かれる一場面を要約したものだ。
この小説では、巨大地震をきっかけに、科学者たちが1年以内に日本が沈没することを予知。総理大臣が非常事態宣言を出したことで、日本中が大パニックに襲われる様子が克明に描かれている。
1973年に出版されたこの小説から約40年が過ぎたが、日本ではいまだに「1年後」の地震予知など不可能と言われている。唯一、現時点で国が予知できる可能性があるとしているのは、駿河湾付近からその沖合を震源とするM8クラスの「東海地震」が起きる直前だけだ。
もし、1年後や半年後、あるいは1ヵ月後や2日後、極端な場合なら3時間後に、首都圏直下型地震が来る可能性があると発表されたら---。『日本沈没』と同等か、それ以上の混乱が首都圏のみならず、日本中で起きるだろう。
駅や空港、高速道路は都心から逃げ出そうとする人で大混雑。スーパーやコンビニでは食糧買い溜めのために長蛇の列ができ、津波を恐れて人々が避難した後の東京湾沿いのベイエリアでは、火事場泥棒が横行。地震が来るまでなまじ時間があるだけに、考えた末に家族を優先し、職場を放棄する警官や救急隊員がいても、決して不思議ではない。
一方、病院や介護施設などでは自力で脱出できない病人やお年寄りがいるため、家族とバラバラに「そのとき」を待たなければならない人も出てくる。
だが、たとえ3時間前であろうと、事前に地震が来ることがわかっていれば被害は軽減できる。都心からの脱出は無理でも、大きな公園に避難したり、津波を避けて高台に逃げたりすることは可能だ。
「2日前の地震予知が日本を救う会」のメンバーで、元前橋工科大学教授の濱嶌良吉氏が言う。
「国は百パーセント確実な予知しか発表を認めないという立場で、短期的な予知研究には予算も付けない。まるで予知をすれば、人心を惑わすと言わんばかりです。しかし、日本の予知研究者の技術なら、短期予知はかなりの確率で的中させられます。揺れや津波の被害予想を出すより、そのほうがよほど役に立つ。
2日前に巨大地震が来ると予知して発表すれば、その日は学校や会社を休みにし、新幹線や電車も脱線事故などを防ぐために運休、道路を封鎖してその地域には車を入れないという対策も取れます」
濱嶌氏が言うように、国は短期予知には消極的な立場である。もし、予知を受けて、企業が活動停止したにもかかわらず、予知が外れたら責任が取れないなどの理由からだ。科学者のなかにも、同様の考えの人は少なからずおり、4月9日に就任した政府・地震調査委員会の本蔵義守新委員長(東京工業大名誉教授)も、会見で「短期の予知は目指さない」と明言した否定派である。その結果、首都圏直下型地震の起きる確率は「30年以内に70%」などという対処のしようがない「予測」で、不安だけを煽ってしまう。
国が短期予知を否定する一方で、先の濱嶌氏らのように、それこそが被害縮小のために必要だと研究を進めている科学者もいる。現に最新の「地震予知」技術では、かなりの精度で「いつ、どこで、どの程度の地震が起きるか」がわかるようになりつつあるのだ。
■ギリシャでは予知で死者ゼロ
東海大学地震予知研究センター長の長尾年恭氏が語る。
「東日本大震災以降、地震活動は活発化し、貞観地震が起きて富士山が大噴火した9世紀以来、日本は1100年ぶりの大地動乱時代に入ったと考えられます。
我々の研究センターでは、1~2ヵ月前に大地震を予知するため、『地下天気図』というものを作りました。ごく簡単に説明すると、巨大地震が起きる前には、その地域で日常的に起きている小さな地震が減るという特徴があることがわかった。『嵐の前の静けさ』のようなものです。そして、地域全体では小さな地震が減っているのに、局所的に地震が増えるところがあり、そこが巨大地震の震源地になる。1~2ヵ月前の予知では、現在のところ6~7割の精度で当てることができます」
長尾氏らが、地下の状態から地震を予知するのに対し、高度70~1000kmの「電離層」と呼ばれる上空の状態から、地震予知を行う研究も進められている。詳細なメカニズムは省くが、巨大地震の前には電子量が増えるなど、電離層に異常が起きる。これを観察することで地震を予知する仕組みだ。
電気通信大学名誉教授の早川正士氏が中心になって進めており、イタリアとインドでも、ほぼ同様の予知方法を国として採用している。電離層に異常が起きるのは、地震発生の5日ほど前と考えられ、これを利用すれば「2日前」の地震予知も不可能ではない。
本誌が過去に2度紹介した民間機関「地震解析ラボ」も、早川氏が考案したシステムをもとに地震予知を行い、会員たちに専用サイトで週2回、情報発信。ファクスでの配信も準備中という。同社は直近では4月2日、4月4~11日に東北での地震を予知。期間は2日ずれたが13日に福島県沖でM6の揺れを観測した。同様に3月14~22日に関東で地震が起きるという予知を3月12日に発表。こちらは発表のまさに2日後、3月14日に千葉県東方沖でM6・1の地震が発生している。
同社を運営する平井道夫社長が語る。
「我々の予知システムでは、異常を感知するのが、地震発生の7日前くらいであることが多い。そこで、地震が起きそうだという日の3日前から5日後までを警戒期間としてお知らせしています。
相手は自然ですから百パーセントというわけにはいきませんが、当たる月なら8割程度、そうでない月でも5割程度、年間では6割的中というのが、1年以上利用している会員の方からの評価です」
海外に目を向けると、フランスでは'04年に、地震と電磁波の関係を調査する人工衛星を打ち上げており、M5弱クラスの地震で約10時間前に電離層の異常を確認することに成功。
地震予知がもっとも進んでいるギリシャでは、「VAN方式」という地中の電磁波の異常を調べる方法を採用。'93年に同国南西にあるピルゴス市をM6・7の直下型地震が襲ったときは、市が警戒宣言を発令し、前日までに住民を避難させたため、一人の死者も出さずに済んだ。
「ギリシャの予知は外れることもありますが、国民は地震で命を落とすよりは、予知に従って逃げたほうがいいと考えています。逃げた際の経済的損失など二の次です。日本は経済面への影響ばかり考え、科学者が予知を外すと責める。しかし、予知を専門とする日本の科学者は世界的にも優秀ですし、何より地震国として過去の豊富なデータがある」(科学ジャーナリスト・山村紳一郎氏)
予知が出たら、日頃から準備・計画しておいた行動を速やかに取り、予知が外れたら、地震が来なかったことを喜ぶ。これが3・11後の日本のあるべき姿だろう。この期に及んで経済を重視する態度は、財界のために「おおむね安全」で原発再稼働を決断するのと同じくらいバカげている。
では、「2日後に巨大地震が来る可能性がある」と発表されたとき、あなたと家族は何をすべきなのか。ここでは、首都圏直下型地震が2日後にやってくるケースを想定し、具体的に考えていこう。
まず、最初の大きな決断は、首都圏から脱出するのか、それとも危険性の少ない身近な場所で家族とともに「そのとき」を待つのか。
東日本大震災で交通機関が麻痺し、大量の帰宅難民が発生したのは記憶に新しい。東京の昼間人口は約3500万人に上るが、これは東京圏を走る鉄道の1日の総輸送人員とほぼ同じ。とはいえ、脱出者ばかりの「片道走行」が基本だと考えると、最大でもその半分程度の人間しか運べないだろう。それに、そもそも電車は動くのか。
「鉄道の運行は、安全が確保されていることが大前提になります。(地震が予知された場合)現時点で予定を立てることはできません。ただし、社員の勤務態勢については通常時から、異常時に備えて緊急業務対応に指定されている社員が必要な行動を行うこととしています」(JR東日本)
「予知を前提とする回答はいたしかねますが、災害発生時には全社員でお客様の安全と輸送の確保に取り組みます」(東京メトロ)
次に飛行機。いっそ海外に逃げようと考える人もいるだろうが、成田空港にたどり着けるかどうかさえ怪しい。羽田空港の1日の輸送人員は国内線、国際線あわせても20万人程度にしか過ぎない。
「通常運航の堅持はもちろん、公共交通機関として政府、自治体からの増便要請があれば、速やかに実施の検討を行います」(JAL)
「予知情報があった場合の増便・減便について、現時点で決定している方針はありませんが、社員の安全確保を大前提とし、公共交通機関としての使命を果たすべく、まずは定期便の運航維持に努めたいと考えています」(ANA)
道路はどうか。首都高の1日あたりの通行台数は約93万台。大渋滞で身動きが取れないうちに大地震がやってくるのだけは避けたい。まして、首都高は老朽化が指摘されて久しい。
「阪神・淡路大震災のあと、同クラスの震災に対応できるよう、橋脚の耐震補強などの対策を行っています。震災が近いと予知された段階で、首都高を通行止めにするようなことは、いまのところ想定していません」(首都高速道路)
■仕事は休んでいいのか
実際のところ、交通各社にしても「2日後の大地震予知」は初めての経験。相当な混乱が起きることだけは確実だ。それでも脱出するという判断はあるが、「2日後」の予測が1日ずれる可能性も否定できない。その場合、走行中の新幹線車内や高速道路上で直下型地震に遭うかもしれない。移動にはそういうリスクがあることも念頭に置いておく必要がある。
年寄りや子どもがいる家庭などは移動せずに留まるという判断をしたほうが賢明かもしれない。近くに建物がない大きな公園などに避難すれば、地震による落下物で負傷したり、建物の下敷きになる被害からは逃れられる。ただし、地震が去った後の電気・ガス・水道といったライフラインが生きているかどうかが重要になる。
「東京湾北部地震でM7・3の地震があった場合、発生直後で約200万軒の停電が起きると想定しています。その場合、発生から7日を目標に停電を解消できるよう、準備と対策を検討中です」(東京電力)
「ガス管の被害程度に応じ、保安の確保のためガス供給を停止します」(東京ガス)
「各家庭から2km以内に給水施設が設置されています。地震が来るかも、と言われるたびに対策を取ることはできません。今ある設備で、明日地震が起きても困らないような態勢は取れると考えます」(都の水道局に取材を申し込んだところ、上部組織である都総務局総合防災部から回答)
電気が止まるのはほぼ確実、ガスも止まると考えておいたほうがいい。水道は大丈夫だというが、その回答内容からは確たる根拠があるようには思えない。やはり、すべてが使えなくなるのを前提に、保存食や飲料水は準備しておく必要がある。
こんな状況でも、サラリーマンのなかには、外れるかもしれない予知で、仕事を休んでいいのかと考える人もいるだろう。本誌は昨年6月4日号で一流企業161社に対して、来るべき大震災に備えがあるかアンケートを行っている。
そのなかで何らかの備えをしていると回答した企業を中心に、地震が予知された場合の社員の出社について聞いたところ、「アサヒグループホールディングス」「日本IBM」「日本マクドナルド」「朝日新聞」「NHK」などから回答があった。一例を紹介する。
「国が予知できる可能性があるとしている東海地震では、マニュアルを作って、取材・放送の態勢を定めています」(NHK)
おおむねどの企業も社員やその家族と連絡を取るためのシステムを用意しており、予知があった時点で業務の必要性に応じて、企業から出社の必要性について連絡が入るようだ。連絡がなければ有給休暇を取るという手もある。
ただし、そうはいかないのが警察や自衛隊など。
「情報の種類に応じて地震災害警戒警備本部等を設置し、警察部隊の派遣、交通規制等に関し、地震の発生に備えた対策をとることとしています。このほか、避難に伴う混乱の防止、不法事案の予防及び取り締まり等を実施し、社会秩序の維持に当たる」(警察庁)
「現制度上では、自衛隊は災害が発生し自治体などの要請があってからしか動けません。ただし、準備はいつでもしていますから、予知の段階でも発生後でも、要請さえあればすぐに動ける態勢です」(防衛省)
■正解はないが、準備はできる
ここまでは、2日後に首都圏直下型地震が来るという予知が出た場合、インフラや企業、治安維持がどうなりそうかを見てきた。
そのうえで、いまから予知があったときに備えるため、危機管理コンサルタントの田中辰巳氏がアドバイスする。
「いつでも逃げ込める頑丈な建物の目星を付けておくことが重要です。私は東京の田町に住んでいますが、近くにあるNEC本社に逃げるか、慶応大学に避難するつもりです。非常時ですから、住居侵入に問われるなどと考えるべきではありません。
また、家族の安否確認の方法は複数用意しておく。首都圏直下型地震なら携帯も含め、都内の電話はつながりにくいでしょうから、遠隔地の親戚宅を連絡先にしておくとか。公衆電話は災害時でも優先的につながりますから、どこに公衆電話があるかもあらかじめ調べておくべきです」
著名人にも「2日後に巨大地震が来ると予知されたら、どうするか」を聞いた。
「おそらく予知発表から12~24時間のうちに車で脱出しようという人が圧倒的に多いでしょう。私は職業柄、もともと地盤の固い地域を選んで住んでいますが、自宅に留まるなら1週間分、そうでない人は最低限、手元に2食分の食糧と水を用意しておく。2食分あれば、すぐに避難所などが設置されるので、なんとかなるはずです。また、政府は予知を発表する日から臨時休日にして、都心部に入る人間の絶対数を減らすことが重要。それで極端な食糧不足も防げる」(軍事評論家・柘植久慶氏)
「なるべく早く家族と合流し、高いところに避難する。すでに家族とはシミュレーション済みで、マンションの高層階にある自宅にいる場合はそのまま残り、地下街にいる場合も海側へ逃げないよう、どの出口からどこへ逃げるか決めています」(サイエンスライター・竹内薫氏)
「予知が出たら即刻、病院で籠城する準備をします。帰宅を希望する入院患者さんの手配をし、次に必要な職員の確保、それから食糧と飲料をできるだけ集める。ウイスキーと氷も必須ですね」(帯津三敬病院名誉院長・帯津良一氏)
大地震が予知されたとき、こういう行動を取れば確実に安全であるという「正解」はない。パニックのなかで移動しようとすれば、群衆に押しつぶされる危険性もあるし、移動中に地震が来るかもしれない。さりとて、自宅に留まれば倒壊のリスクがあるのは間違いなく、近くの公園などに一時避難する場合も、季節によっては寝袋などがないと低体温症などで命を危険に晒す。
言えることは、いざというときのため、あなたと家族はどういう行動を取るかを話し合い、それに必要な準備をいまのうちからしておくこと。それが予知からのわずかな時間を有効に活かせるかどうかの分かれ目である。
「週刊現代」2012年5月19日号より
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