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大きな地震が起こる数日前や数十分〜数時間前に、上空の電離層に異常が生じるという現象への関心が高まっている。3月11日の東日本大震災でも、複数の研究グループが様々な方法で異変を観測したと発表。研究者らは地震予知の手法につなげたいという。空を観測することで、地下深くの異変が分かるのか。
電気通信大学の早川正士特任教授らのグループは3月5日から6日にかけて、東北沖の太平洋上での電離層の異常を観測した。早川氏らは国内外から発信される超長波の電波を各地に置いた基地局で受け、電波の状態から電離層の変化を観測している。
上空の電離層などの異常は、カーナビに使われる全地球測位システム(GPS)衛星からの電波の変化から観測することもできる。千葉大学の服部克巳教授らは地震発生の1、3、4日前に震央の上空の電子の量が異常に増えていたことを確かめたという。
地震の当日には、北海道大学の日置幸介教授らが、やはりGPS電波を使った観測で、地震の約40分前から上空の電子の量が増えていたことを見つけたと説明する。過去のデータを調べ直したところ、同様の現象が2004年のスマトラ沖地震など巨大地震に先だって起きていた。
宇宙からも地震との関係が疑われる電離層の乱れが観測されている。04年にフランスが打ち上げた小型衛星DEMETERは地震と電磁気現象の関係を調べた。40キロより浅いマグニチュード4.8以上の地震について、発生の4時間ほど前に電離層の乱れが起きているというデータを残している。
地震の前に観測し、地震予知の手段にしたいと考えるのは電通大の早川教授らだ。「地震のほぼ1週間前に異常が起きる」ことを根拠に、今年から予知情報の提供を本格的に始めている。北大の日置教授も「GPS電波を受ける簡易な装置を作り、巨大地震の発生前に異常をとらえることは可能だ」という。
なぜ地震に先だってこうした現象が起きるのか、詳しいことは分かっていない。地震発生の前に地中で起こったひずみによって、岩石が電気を帯びて、この電流が地球を流れ、電磁波として上空まで到達するとの考えがある。岩石が圧縮によって組織に欠陥が生じ、ここからプラスの電荷が生じるという説なども提案されている。こうした現象を実験室で確かめる試みもある。
(編集委員 吉川和輝)
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